第019日目
第019日目
目が覚めたら行う行動は、既にルーチンとなっている。
獣人の行商人との交渉もあり、急ぎ準備を行う。
名前:ユーヤ・タナカ
年齢:18
職業:戦士(採取人)
装備:節の木の長棒、ゴブリンナイフ
その他:言語の加護 職業選択の加護 奴隷使役 配下副職業の加護
(戦闘部隊)
☆ゲッダ(男)斥候(狩人)
ブリタ(女獣人)斥候(見習い戦士)
メルタ(女獣人)斥候(見習い戦士)
ナニー(女獣人)神官(見習い薬師)
ラーゲ(男)戦士(狩人)
ヘンリク(男)戦士(狩人)
ステン(男)戦士(狩人)
(生産部隊)
☆ジーウ(女)薬師(見習い神官)
パウル(男)技師(見習い採取人)
ユーハン(男)見習い技師(見習い鍛冶師)
カーリン(女)鍛冶師(見習い採取人)
ニコライ(男)見習い鍛冶師(見習い技師)
グニー(女)見習い採取人(見習い戦士)
ベッサ(女)見習い採取人(見習い戦士)
戦闘部隊は副職業が見習いをおおよそ卒業した用だ。
石板のお知らせを確認すると、
・獣人行商人との出会いにより通貨の概念を解放
100共通銅貨=1共通銀貨
10共通銀貨=1共通金貨
10共通金貨=1共通大金貨
貨幣価値の参考に、町での食事は銅貨3枚~6枚
宿への宿泊は銅貨30枚~50枚程度。1銅貨=地球の100円位
・戦闘職、生産職の各職で使用可能な「技術書」を解放。
それぞれの職業の知識を深めるものであり、行動の幅が広がる。
・3枚の特殊な石板を配布。1枚はユーヤ専用。2枚は使用者登録が必要。
生き物、魔物、物の詳細を瞬時に確認が出来る「鑑定の石板」と呼ばれる物である。
さらっと「鑑定の石板」が解放・配布され、お約束のように大岩の上に置かれていた。
朝食を済ませ、通貨のことと技術書のことを皆に伝える。
通貨のことは皆知っていた様で、技術書のことは初耳であるとのこと。
獣人の行商人との商談があるので、戦闘部隊の行動をゲッダに一任する。草原の探索を続けるとのこと。鑑定の石板はゲッダに1枚渡す。
生産部隊の行動はジーウへと一任し、今日は余った荷車を使用し、生産部隊用のロバ馬車製作に取り掛かるそうだ。
皆との話し合いを終え、砂浜へ行商人を迎えに行く。
商談の場所は拠点内に設置された4人掛けのテーブルでおこなう。
拠点にある物資で獣人行商人が興味を示したものはいくつかあった。買い取り価格は、
・干し肉箱 1銀貨
・粗末な鉄鉱石箱 50銅貨
・ゴブリン炭箱 20銅貨
・粗末な鉄インゴット箱 1銀貨(規格箱があるそうだ)
・ゴブリン猪の肉 50銅貨
・ゴブリン狼の毛皮 5銅貨
・ゴブリン猪の毛皮 10銅貨
・ゴブリン熊の肉 2銀貨
・ゴブリン熊の毛皮 1銀貨
薬類は品質にもよるが買取価格は高い。
魔物知識としてゴブリン熊の存在を教えてもらう。
こちらからの購入リクエストとして、技術書と弓、矢、防具類を候補に挙げる。
戦争後に回収された武器が獣人国では多く出回っているそうで、次回訪問時に持参。
技術書は聞いたことがないので、獣人国王都へと使いを出すそうだ。
最後に砂浜に桟橋を作りたいと依頼され、交易の為に許可する。
交易品の運搬には生産部隊のロバ馬車を使うこととし、荷車の改造を手伝う。
今回のロバ馬車は少し工夫を凝らし、御者台を取り付ける。足回りにもちょっとした工夫を凝らしている。
作業が終わり、サイズ調整の終わったハーネスをロバ2頭に取り付け2台目のロバ馬車が完成となる。御者台の増設と共に、試作品の板バネを仕込んだ足回りが特徴である。車軸部分には粗末な鉄鉱石で作った補強を施しており、ややお尻が痛い程度の振動で済んでいる。本格的なサスペンションは専用の魔道具があるそうで、獣人と今後交渉していこう。
絶壁と森の間でロバ馬車2号機を試運転していると、「お肉」を抱えた獣人斥候2人が戻ってくるところであった。荷台に2人を乗せ、川の洞窟へと急ぐ。獣人2人からは「遊んでたんですか?」とか「私にも操作させてください」といった声も出るが、ロバの操作に必死なので聞こえないことにした。
「お肉」を無事に川へと投入し、2人を荷台に乗せ戦闘部隊との合流へ向かう。
ゴブリン狼の毛皮が20匹分、用意されていた。探索の内容を確認する。森の東の草原には絶壁寄りに生産ゴブリンが多く確認され、北側になるにつれ、動物の量が増えるそうだ。斥候達の話では「熊のような生き物が2~3匹の群れで居た」とことで、「熊って群れるイメージはあまり無いのだが……」と悩んいると、ナニー教官から「試しに狩りましょう」との無情な一言が。斥候に探索に向かわせるが、移動した後だった様で、見つけることは出来なかった。
拠点へ戦闘部隊と一緒に戻る。ナニー教官はサスペンションの恩恵を十分に荷台で受けご満悦である。ナニー教官とロバの速度の話になり、この世界の騎乗可能な動物について教えてもらう。
名前:ロバ
低速で体格も小柄。食費はあまり掛からない。ギリギリ騎乗可能。パワーがあり牽引力に優れる。開拓村ではよく使われる。1頭~2頭掛けで荷車を引くことを「ロバ馬車」と呼ぶ。
名前:強化ロバ
ロバと馬のハイブリッド品種。ラバと呼ばれることもあるが、ロバなのかラバなのかロバなのか混乱するので強化ラバと呼ばれるそうだ。食費はあまり掛からない。ロバと馬の中間程度の体格をしており、騎乗可能。ロバ同様に食費はあまり掛からない。速度はロバ以上馬以下という評価であるが、ロバに似てパワーがあり牽引力に優れている。開拓村で重量物の運搬に最大で8頭掛けの強化ラバ車が使われる。
名前:馬
速度に優れた品種、牽引力に優れた品種が存在するが、総称として馬と呼ばれる。一定量の飼料を必要とし、食費は掛かる。ロバや強化ロバと比べると、体格に優れ速度も速い。速度を重視した乗り物を「馬車」と呼び、牽引力や積載量を重視した乗り物を「農耕馬車」や「荷馬車」と呼ぶことがある。
名前:走竜
獣人国独自の2足歩行の乗り物で、馬より大きな体格をしている。餌に動物の肉を必要とするので、維持が困難である。この世界で最高速度を誇る騎乗生物であり、牽引力は馬よりやや優れる。2~4頭掛けの大型なものを「走竜車」と呼ぶ。
走竜は維持費が大変だろうな、と話していると「ゴブリン猪」を餌として飼育・繁殖させるのが一般的だそうだ。ゴブリンの繁殖に巻き込まれた変異体ということもあり、餌を十分に与えれば1週間程度で多数の子供を産むそうだ。鼠算式に増える猪、最強である。
拠点に到着すると、行商人が荷物を抱え戻っていた。やけに早いな!?と聞いてみると、船で2時間程度の場所に大型交易船を停泊させているそうだ。交易の母艦となる船なんだろう。
こちらのリクエストした弓と替えの弦を5セット用意してくれた。矢は粗末な鉄鉱石の鏃が取り付けられている。量があるので船に残していると言うことで、2箱程調達することができた。矢羽に使う鳥の羽も大量に手に入れ、弓の入手は成ったのである。
それぞれの代金を確認すると、弓と弦のセットが銀貨1枚、矢が1箱銀貨3枚、鳥の羽は銅貨50枚程度とのことであった。代金としてまったく足りないがゴブリン狼の毛皮20枚を渡し、「お肉」をそっと渡すことで、交易開始のお祝いとして代金は免除となった。
拠点近くの砂浜に、行商人の滞在施設が欲しいとの話にもなり、自前で用意することを条件に受け入れる。もっとお祝いを貰うべきだっただろうか。
入手した弓は3セットを戦闘部隊に配備し、1セットを生産部隊へ配備、1セットを予備として保管する。
弓を手に、皆で試し撃ちを行う。経験の無いメンバーは当たり前のように的に命中させることができない。ボウガンだったり石弓や弩と呼ばれる物はないのか?と聞くも存在しないそうだ。連射は出来ないが短期間である程度使えるようになる武器であることを鍛冶師の2人に伝え、試作品を用意してもらうこととした。
ビックラビット狩りの要望もあったが、洞窟の川には多くの「お肉」が残っており、今日はやめておこうと説得する。
本日の討伐モンスター等
・ゴブリン狼×20
・ゴブリン猪×2