いいや、殺す気だよ。
皆さま、こんばんは。今回の事件は解決に向かっています。この事件の捜査が終われば、今後の物語の進み具合についてご説明いたしますので、もし興味があればお読みください。
「なんだと聞いているんだ?」
「トカレフはどっちかと聞いているんです」
寺井が敵意むき出しで龍生に尋ねていた。
だが、龍生は飄々として構えている。
手には二つの拳銃だ。
「ひとつは桃城の個人ロッカーから。もう一つは松崎さんの業務用ロッカーから。片方はリボルバー式のマグナムに見えるような『トカレフ』で、もう片方は四角い形のまるでワルサーP99に見えるような『トカレフ』です。さて、どっちがトカレフでしょう?」
寺井が冷静に、
「どっちもトカレフじゃない。今言った通り、マグナムとワルサーだろ?」
龍生はくるりとターンした。するとこう訊く。
「質問を変えます。では、あなたはどちらを『トカレフ』にするつもりだったんでしょうか?」
寺井は鼻で笑って「どっちをトカレフにするかだと? どっちもトカレフにはならないよ」
龍生は攻める。
「いいえ、あなたはどちらかをトカレフにしようとしていました。そして、桃城か松崎のどちらかを犯人に仕立てようとしていた」
寺井は冷静だがあざ笑うかのように、
「知らないのか? 弾丸にも指紋があるんだ。旋条痕と言うんだがね。弾丸がどの銃から発射されたか判別できるんだよ」
彼は続けた。
「だから凶器以外の銃を持っていても、その銃で打ったことにはならないんだよ」
龍生は首を振った。
「別に、そんなことはどうでもいいんじゃないでしょうかね?」
寺井の顔が曇る。
龍生は手元の銃をぶらぶらさせながら、
「もし、あなたが誰かの荷物に銃を持たせることができたとして、仮にそれが桃城だったとして、彼女は任意同行される。そして、その銃が調査されている間に入れ替わったとしたら? 情報が書き換わったとしたら? 桃城は逮捕されるだろう」
寺井は睨んた。
「何が言いたい?」
「警察内部にも協力者がいるだろ?」
龍生は結論を言った。
寺井は相変わらず彼をあざ笑って、
「だが、それが本当だとして。私を逮捕できるのか? 逮捕しても、もみ消されるかもしれないぞ」
龍生は頷くと、不意に悪態を吐くように、
「ああ、それはもうわかっている。だから、こうしてお前に二つの銃を向けているんだ。弾は入ってんだろ? この二つとも。お前が用意したんだからわかるよな?」
「脅すきか? 脅迫されて白状しても証拠としては使えないぞ」
「いいや、殺す気だよ」
龍生は両手の銃の操作を始めた。
ガチャ、と音がなり。引き金を引くだけで寺井を殺せるように操作をした。
龍生はもう一度尋ねる。
「では、トカレフはどっちでしょう?」
次回は皆様のご想像にお任せします。




