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顎がずれても事情聴取はできましゅ(しゃくれ)

チョップ痛かったねぇ。ゴキっつったからねぇ。俺ならすぐ保健室行ってるわ。

「しゃっきから何見てんだよ?」

「ご、ごめんさない……チョップなんて入れなければよかったわ」



 龍生の顎がしゃくれいている。

 顎がずれたようだ。

 龍生が桃城について語り始める。



「桃しゅろは職員しゅつにいたな。きっと家のしょうだんでもしゅてたんだろ」

「クッ、プフフ。ごめんなさい……後で聞くわ」

「しゃししゅしぇしょ(さしすせそ)」

「ブフっ!」



 すると目の前に休憩室と桃城が見えた。

 龍生が顎をひねって彼女に向かって走りだす。


——ゴキっ!——


「桃城さん。ちょっとお話いいですか?」

「あ、はい……!」


 すると休憩室のドアが開く。

 そこから巨大な男性が現れた。

「でか!」神崎は思わずそう口にする。


 身長は190ほど、緑のジャケットを着た髭ズラの男性は職員室のドア枠を潜り抜けるとようやく廊下出てきた。

「桃城、何をしてる?」

「いさらぎ先生、外が騒がしかったのでつい」



 龍生が顎に手を当てて、

「先生、桃城さんのお金について相談に乗っていたんですか?」

「お前……知っているのか」

「まぁ一応」


 それを聞いていさらぎ先生は軽く睨んで、

「お前ら、わかっているだろうがこのことは他言無用だ。もし誰かに言ったらいじめになりかねないからな。わかったか?」

「わかってます」

「大丈夫です」


 神崎と龍生が各々了解の意を示した。

 いさらぎは話を切り上げる。

「じゃ、続きを話そうか。桃城、戻るぞ」

「……はい」


 その時龍生が「いさらぎ先生。今日あなたはどこから通勤しましたか?」


「……なぜそんなことを訊く?」

「答えられないんですか?」


 するといさらぎ先生は舌を鳴らして、

「桃谷駅からだ。それ以上は個人情報になる」

「わかりました」


 龍生の質問に神崎が首を傾げていると、桃城は職員室へと入っていくので、

「ちょっと待って桃城さん! 後で私にも話を聞かせてくれないかしら?」

 神崎の要求に桃城が頷き「わかりました」

「じゃ、放課後に教室まで迎えに行くから」


 桃城は「はい」とだけ伝えて職員室に入っていった。


次回『コ◯ンくんにごめんなさい』

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