給食のおばちゃん(デストロイ方式)
給食のおばちゃん(意味深)じゃなくてよかったと思う。
すると声が聞こえた。
「ぎゃー! 鬼だ! 鬼がいる!」
「こっちは人が次々と『何者』かに殴り飛ばされている! 誰だ! どこにいる!」
その声は男子生徒のものであったが、鬼と聞こえた方には花園崎が見えた。
もう片方から聞こえた『何者』は見当たらない。
「何……あれ?」
そう神崎がぎょっとして眺める。
視線の先にいたのは花園崎であったが、それは絶望に見えた。
「ぎゃー!」「ぐぁあ!」「わぁー!」
血しぶき。鮮血。返り血。
花園崎は大きな金棒を振り回し、他の生徒たちを蹂躙していた。
「あんなのツッコミじゃないわよ! 殺しよ! 殺し!」
「落ち着け神崎、これはあくまでもゲームだ。よく見てみろ、峰打だ」
「致命傷でしょうが!」
龍生と神崎が会話をしている間にことは進んだ。
「心優、あんたやっぱりえぐいなぁ」
声がどこからともなく聞こえる。
続いて誰もいなかった場所にいきなり蓮能寺が現れた。
『何者』とは彼女だったようだ。
花園崎が冷静に、
「さすがです、神速もさらに磨きがかかってますね」
一瞬、間を置いた。
蓮能寺が瞬く間に花園崎に詰め寄り、拳を放った。
容易く金棒で受け止められる。
すると、花園崎がもう片方の手で金棒をもう一本取り出した。
瞬間、命を狩る一振り。
「あっぶね」
「残念」
それからは早かった。
蓮能寺が拳を三発見舞ったと思うと、金棒が二回振り抜かれ。
花園崎がフェイントをかけたとおもうと、逆手に取られ蹴りを見舞われる。
そんなやりとりが六秒続き。皆があっけにとられていた。
すると。
「隙あり!」
蓮能寺が花園崎の金棒を蹴り飛ばした。
鉄の塊が舞う。
花園崎がかすかに笑うと、
「さすが、格闘家の最たる一族。蓮能寺家ですわ」
「血筋の性にせんといてもらいたいわ。うちはめちゃくちゃ頑張ってるからな」
「頑張っているとはあなたらしくない」
「知るかぁ。うちかって生半可な気持ちちゃうっちゅう訳や」
一方ミーケは自分よりも上へと飛んでいく金棒を眺めて、
「あれ、ちょっとまずいんちゃうか?」
金棒は校舎三階のとある空き部屋の窓に突っ込んだ。
そこは家庭科室。
瞬間。
「ぎゃぁあああああ!」
野太い女の声が聞こえた。
ミーケの予感が的中する「あかん、やっぱりやってもうた!」
すると二秒後。曇天が訪れ、地響きが始まる。
花園崎と蓮能寺も空を見上げながら顔が青ざめていく。
金棒が突き破ったに異変が。室内からとてつもない突風が吹き出した。
それが割れ残った窓を完全に吹き飛ばすと、家庭科室から大柄のおばちゃんがゆっくりと現れた。
そのおばちゃんは調理服で右袖に乾いた黄色いシミがあるがその他は一切の汚れを許していないことがわかる。
しかし、金棒の被害か胸元に大きなクリーム色の汚れが付着している。
そんなおばちゃんはふわふわと浮き、窓の前に止まった。
なぜか緑の光をまとっている。
その時、どす黒い声。
『貴様らか……私の食事を邪魔したのは……』
神崎が思わず「誰なのあれ、浮いているわよ!」
龍生の顔を驚きの感情が覆った。すると一言、
「あれは、給食のおばちゃんだ……」
すると給食のおばちゃんは花園崎の持つ金棒を見つける。
『お前かぁ……』
花園崎は金棒を背に隠して、
「これは! ち、ち違うんです! 蓮能寺さんが蹴り飛ばしたせいで!」
「なにゆうてるんや! そっちがそんなん使うから!」
『もうええ、お前ら。今楽にしてやる……!』
給食のおばちゃんは気を高め始めた。
その時、高杉が目覚めて、
「嘘だろ。スカウターが壊れやがった!」
神崎がうろたえて「どうなっているの! なんでボールを七つ集めるアニメみたいな展開になっているんですかぁ!」
龍生は首を振った。
「これは違う。劇場版だ」
「意味わからないから!」
神崎の叫びも虚しく、給食のおばちゃんの準備が整った。
『これがマカロニグラタンの恨み!』
右手を中庭にかざして『オーバーエクスプロージョン!』
瞬間。あたりは衝撃と光に包まれた。
これからはできるだけ毎日投稿いたします、にっこり。
次回『推理に浸るは幸福か?』これは探偵のサガですね。




