宿に泊まった後らしい
めっちゃ時間掛かってました・・・すみません・・・
※タイトルが~っぽいになっていたので修正しました。
「・・・知らない天井だ」
俺は、異世界行ったら言ってみたいランキングBEST15位のセリフを言いながら起床した。いや、まあ何でこの天井の下にいるかっていう理由は知ってはいるんだけどね。
「おーい!そろそろ飯の時間だよ!さっさと降りてきな!」
俺がさっさとベットから出て身支度を整えている間に、この宿の女将さんの、ローナ・ユリアーネさんこと、ローナさんが、食事の時間を知らせる。
「お、飯か。さっさと行こっと。異世界の人はどんな物を食っているんだろうな・・・?」
自分の部屋は二階の突き当りから三番目、中にはベットと机、窓しか無いが、1000円と言う破格の値段で一泊飯付きで泊まれるのだから中々に素晴らしいと思う。
階段を降りると、そこには食堂があり、その食堂は、宿に泊まらなくても金さえ払えば飯を食う事が出来る。宿に泊まると、飯代がタダになる代わりに、メニューがローナさんの夫(名前はまだ知らない)のお任せになってしまう。ロムンガルトさんが言っていたが、それでも非常においしいらしい。
「さってさってご飯はなんじゃらほい!」
軽く歌いながらローナさんの夫・・・ちょっと失礼だから料理長と呼ぼう。料理長に話し掛ける。
「すみません!今日の朝食って何ですか?」
「朝食かい?今日のは自慢のビーフシチューと自家製パン、後、ウチの農園の野菜を使ったサラダだね!全部頬っぺた落ちるぐらい美味しいよ!今皿に入れるから待っててね!」
料理長がそう言って鍋から美味そうなシチューをお玉ですくってお盆の上にある皿に入れ、異世界と言うとイメージは黒パンとかカッサカサのあんまり美味しそうに思えないパンだが、ここのパンは・・・と言うか、保存食でもない限りこの世界では普通なのかもしれない、ふわっふわのパンである。イメージ的には、デパートとかショッピングセンターで売っているバターロールみたいな形をしているパン・・・を同じお盆に乗っている別の皿に二つ置き、既に切ってあるサラダをこれまたお盆に乗っている別の皿に盛り付け、ドレッシングのような液体を振り掛ける。
「はい、どうぞ!残さず食べてくれよ!」
全て盛り付けると、木で出来たスプーンをお盆の空きスペースに置き、お盆を渡してくれた。シチューからは湯気が昇り、サラダはみずみずしく、パンはふわっふわ。・・・なんでこんなにしてあるのにクッソ安いんだろうな。そこらへん全く分からん。
そんな事を考えながら、まだ沢山の人で溢れ、ガヤガヤと声が聞こえる食堂内の空き椅子を見つけて座り、恒例の食事の前の礼をし、パンをシチューに漬け、食べる。
「・・・美味い!」
朝起きたばかりだから腹に物を欲しがっているせいかもしれないが、この味付けは良いな!肉も美味いな!パンも非常に美味しいし、サラダもシャキシャキだ!こいつは美味え・・・ちょっと病みつきになりそうな味だな、マジで。
そんな事を考えていると、あっという間に飯を食べきってしまった。・・・美味過ぎるとさっさと食ってしまうのはちょっと嫌だな・・・。
「美味しかったです!ありがとうございました!」
「いやいや、こっちも喜んで貰えて良かったよ、これからもウチを宜しくね!」
お盆を渡し、礼を言った俺は、そのままこの宿・・・「満腹亭」を出る。
「さて、今日も泊まるつもりだし、さっさと後800円を手に入れないとな・・・。ギルドでクエスト受けるか。」
そう言って「満腹亭」から徒歩8分程度の距離のギルドへ向かう。
「うーむ。やっぱりロムンガルトさんにあの宿を教えて貰って良かったな本当に!あんないい所だとは思わなかったよ!安かったからと言って心配しちまった昨日の俺をぶっ飛ばしてやりたいぜ。」
そんな事を言いつつ、おれは、歩いている間が暇なせいか、昨日の事を思い出していた。
—————昨日—————
「すみません!おすすめの宿って何かありませんか!?」
俺は、報酬金を頂いて、宿を探そうとしたが、どう探せば良いかさっぱり分からなかった為、ロムンガルト武具店内に速攻で戻り、ロムンガルトさんに質問した。相手側から見れば、さっき意気揚々として店を出てった奴が、速攻で戻ってきて宿を聞くという、滑稽なシーンに見えるだろう。が、ロムンガルトさんは笑顔で
「そうだなぁ・・・満腹亭って言う、こっから右に少し行った所にある、飯の美味え宿があってな。その宿なんかどうだ?千円で一泊できるから中々に安いしな!」
と言ってくれた。俺は喜んでその宿に行くことにした。やはり、人様に教えて頂いた物を信じた方が楽だしな。
そして、店からでて右折し、少し歩くと、ロムンガルトさんの言っていた通り、「満腹亭」と書かれた看板がある、落ち着いた感じの店を見つけた。
中に入ると、そこは食堂となっており、まだ沢山の人がわいわいと話をしながら飯を食べていた。
「すみません、ここって宿ってやってますか?」
俺は、食堂の奥にいた料理を作っている男の人に、それを聞いた。すると
「ああ、やっているよ、でも、私ではなく、妻に直接言って下くれ。ほら、そこのテーブルの近くでお客さんと話してる女の人がいるだろ?あの女の人が、私の妻のローナ、ローナ・ユリアーネだ。妻に何日泊まりたいか言えば案内してくれる。金は先払いだから気を付けろよ。・・・そうそう。飯はどうする?今食っても良いが、一食350円だぞ?」
「すみません、結構です。お金がギリギリ足りなくて・・・」
「そうか、なら良かったな、ここは泊まった人限定で朝食がタダになる。だがメニューは俺の気まぐれだぞ?だが味は保証しよう。頬っぺた落ちるくらい美味いって評判だからな!」
「ありがとうございます!期待させて頂きますね!」
『朝食がタダ』・・・この響きがここまで素晴らしいとは・・・。俺は、今日はあのパンで済ます事にして、明日美味い飯を期待しようと考え、話を終えて、フリーになっているローナさんに話をする事にした。
ローナさんは、外観からして人のよいオバty・・・お姉様だ。髪はウェーブのかかった赤髪を肩まで伸ばしている。
「すみません、一泊したいのですが・・・」
「ん?一日泊まりかい?じゃ800円先に払ってね、そしたら案内するから。」
そう言われて、手を出された。俺は、先程ロムンガルトさんから貰った報酬から800円引いて(何故だか初めて持つ硬貨なのに計算が出来た。・・・この何故だがシリーズが恒例になりかけてしまっている・・・。)ローナさんにお金を渡す。
「丁度800円だね。じゃ、案内するよ。」
そう言って、ローナさんはキッチンの左にある階段を登り始めた。まあ、俺も着いて行ったんだけどな。
「ここがあんたの部屋だよ。朝に飯が出来たら教えるから待っててね。じゃ、良い夜を。」
突き当たりから3番目の部屋について、ローナさんがそう言った。
「ありがとうございました。お休みなさい!」
俺はそう言って部屋に入った。部屋は良く掃除が行き届いていて、清潔感のあるいい部屋だった。安くてこの綺麗さは素晴らしい。部屋には机とベットしか無かったが、寝ること以外しないのだから関係無いだろう。
「・・・何か眠くなっちまったな。寝るか・・・飯はもういいや・・・。」
俺はそう言ってベッドに寝転がり、さっさと寝た。こうして冒頭のあの場面になるのであった。