~ 正直なる 相棒 ~
マスターへの ブーイングの後は …
カラオケ 大会が始まった …
大会と言っても 何か商品が貰える訳では無いが …
マスターが 来店客の雰囲気を察して
勝手に始めてしまう …
此が また 絶妙なタイミングで …
こう言う商売と言うのは …
如何に客の心理や 状況を読み取れるかが 大切で …
難しい 仕事だな …
誠 は マスター を見て 何時も そう感じていた …
ムスタング の カラオケは
リクエスト曲が入る迄
マスター が ランダムに曲を流し
歌いたい曲が 流れたら マイクを持ち歌い始める …
今日は 貸し切りなので 他の客ともめる事は無いが …
この店では 屡々 喧嘩も起こる …
其で どうなるのかは …
時の運 と 人間性 …
平和的な 解決方法 …
例えば …
譲り合い 又 は 一緒に歌う …
其のどちらかが 出来なければ …
ムスタングへの 出入り禁止 となる …
そうして 客 同士が …
知り合い 顔見知りとなり 知った仲となる…
マスター は 何より 其の事を大切にしている …
そう言う 人間だった …
まぁ 一言で言うのなら …
熱 い 男 だ …
クール な 外見だが 中身は 少年のような …
オヤジになっても 夢を追うような …
男として 憧れてしまう …
そう言う 人 だ …
話しを カラオケに 戻そう …
次から 次に ランダムに曲が流される …
「おっ! 此は!」と 思えば
客は マイクを手に持ち 自分の声を乗せる…
此が ムスタング式 カラオケだ
カラオケは凄いな …
プロの歌手のような 気分で …
気軽に 自己陶酔出来てしまうのだから …
何の商売でも そうだが …
世の中に歓迎されない商売は …
廃れ 軈て 消えて行く …
でも カラオケは …
人前では 無くとも 楽しめる
カラオケ BOXなる物が 誕生するまで 進化した …
此を 商売にした 人間と言うのは 凄い人だ
俺にも こんな 発想が出来る 頭があったならな …
誠 は 歌い出す 友人達に 微笑みながら
そんな事を 考えていた …
マスターにリクエスト曲を出したのか …
バイクのツーリング仲間の 正和が連れて来た
new face の 麻美 が マイクを持ち 立ち上がる …
麻美は セクシーな 美人で …
何時の間に着替えたのか …
金髪の 大きなウェーブのウィッグに
深紅の口紅 …
光沢のある 白の ホルターネックのスリットドレス …
そして 深紅のピンヒール と …
マリリン・モンローに 扮装し …
~♪ happy birthday to you ~♪
と 歌い 始めた …
スリット から チラリ と 覗く 太もも と …
凝視したくなるような セクシー過ぎる 胸元に …
男 達 は 呆然 と 麻美を見つめた …
其は …
決して 不快なものでは 無くて …
寧ろ 歓迎すべき 光景であり …
嘗ての アメリカ合衆国 大統領 も …
こんな 色気に 落ちたのでは無いか …
と 安易に妄想出来る程の 出来事で …
歌の途中 …
トイレに立つ 男達が 続出した …
誠 は 堪えた …
歌の最後で 麻美 は 知ってか知らずか …
~♪ happy birthday ~ 誠 ~♪
と 誠を見つめ 投げKISS を飛ばした …
「俺 も 限界 … 」
誠 の 正直なる 相棒は 堪えに堪えた …
誠 は 麻美に 盛大な拍手を送りながら
ギコチナイ駆け足で 店の奥にある トイレへと走った …




