~ メール ~
ピロロロ~♪ ピロロロ~♪
メールの着信音が 鳴る …
彼は スーツのポケットから
携帯電話を取り出し メールボックスを開いた …
happy birthday ! 誠 !
今日 ムスタングで
誠の 誕生日の お祝いするから来てね♪
… 友人一同 …
彼の名は 須賀 誠 …
今日で 32才になった …
メール を 送って来たのは
学生時代からの 女友達の一人 …
喜田 茜 …
誠 が 多趣味な 事もあるが …
社交的な 性格で …
男女 問わず わりと直ぐに 友人になってしまう …
悲しい事に …
彼女は居ないが …
まぁ 其でも …
淋しく感じる事は 少ない日々だった …
ムスタング と 言うのは …
友人達と 集まるバーの名前で …
仕事帰りに ふら~っと立ち寄っては マスターと 笑い話しをするか …
友人の誰かに出会し 盛り上るか …
何れにしても …
誠にとっては 癒される …
そんな 場所 だった …
其の日の仕事を 早々に終え 誠は ムスタングへと向かった …
「あぁ … 店に入ると 皆 集まるし … 行く前にチェックしておくか … 」
通りがかりの 公園のベンチに 腰を降ろし
スーツのポケットから 携帯電話を取り出すと …
お気に入りの アプリの画面を開いた …
グ ワ ンッ …
ほんの 一瞬 …
アプリ画面を開いた途端に …
視界から 何かが 入り込み 誠の脳が 大きく揺れた …
「あっ … あれ? 気のせいか … 」
ほんの 数秒の 其の出来事を …
「眼の疲れだろう … 」
と 誠は ビジネスバックの中から 目薬を取り出すと 両目に目薬をさし …
再び アプリ画面に目を向けた …
特別 奇抜な画像や フラッシュが多い訳でも無く …
日々 の ニュース や オススメのレジャーガイド ・ 映画 ・ イベント 等を紹介している
情報サイトのアプリを 一通り読み終え
誠は 公園のベンチを後にした …
ムスタング に 向かう途中 …
向かいから走って来た 20代くらいのスエット姿の 若者と肩をぶつけた …
若者が 前も見ずに
携帯画面を見ながら 走って来たのが原因なのだが …
「すいませんでした ! 僕の不注意です!」
と 若者は 礼儀正しく 誠に 謝罪したので
誠も アスファルトに落ちた 若者の携帯電話を拾い
怪我もない事だし …
「気をつけろよ! 」
と 優しく 声を掛け 携帯電話を渡した
若者 は 恥ずかしそうに
「有り難うございます ! 本当に スイマセンでした!」
と 微笑み 携帯電話を受け取ると …
頭をペコッと下げて 再び 携帯画面を見ながら 走り出した …
「あぁ ~あ 大丈夫かな ? アイツ …」
誠 は クスッ と笑い …
走り去る若者を見送ると ムスタングへと向かった …
店の手間で ふと …
誠 は さっき肩をぶつけた 若者の携帯電話を拾った時に
チラッと見た 携帯画面を思い出した …
あれは …
俺の見ている アプリと同じだったな …
特別 急ぐような速報も無かったのに …
何で あんなに 急いでいたんだ ?
誠は 少し 疑問に感じたが …
まぁ …あのアプリは人気があるって事だな …
と 結論付け ムスタングのドアを開いた …




