表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/2

分かっている負けゲーム。

叶わないなんてわかっている。

そうだ、僕みたいな分際が彼女に釣り合うわけがない。

そんなのわかっている。


「わたし、今回は本気だよ」


彼女の真剣な言葉を、僕は受け止めることができない。

真剣に話しているのに、真剣に受け入れることができない。

わかっている、僕は悔しいのだ。

ただ悔しいのだ。

届きそうで届かなくて、

ずっと傍にいたのは、僕だから。


「そっか…。頑張ってね」


そんな言葉は嘘交じりの本音で、

本音交じりのウソだ。

僕は作家じゃないし、文豪でもないから、そんなうまいことは言えない。

分かっている。

彼女は作家みたいな人か、本が好きな人、若しくは作家と結婚したいと云った。

僕はこれと言って面白い話もかけないし、

難しい本を読むのが得意なわけじゃない。

此の前借りた、夏目漱石だって難しくてわからなかった部分もあった。

そうだ、そうだ、はじめからこれは負けゲームなんだ。


「最初から、かなわない方が高くても、わたしはあきらめない」


「僕は負けゲームはしない主義だから、諦めちゃうけれど、恋はすごいね」


「それは皮肉?それとも立てているの?」


「皮肉なんて…そんなこと言うわけないじゃん」


「どっちでもいいけれど、なんか尚さっきからおかしいよ」


「そうかな…自覚無いけど」


「そっか・・・うん。」


もしも僕が夏目漱石に会えるならこう聞きたい。

『どうしたら彼女にうまく気持ちを伝えられるんですか、教えてください。』

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ