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射的屋での出来事

作者: 芥流水

私は縁日で射的をしていた。


妻と縁日に来ていて、そこで射的屋を見つけたのだが、どうしてもその射的屋の真ん中に居座っている賞品が欲しかったのだ。


三百円で、弾は三発。

店主から銃と弾を受け取り、その賞品に照準を合わせる。


射つ。どうしてか弾はすぐ右の賞品に当たる。銃が歪んでいるのかと思い、少し左に合わす。


もう一度射つ。今度は左の賞品に当たる。左にし過ぎたのか?


最後の一発。上の賞品に当たった。なんだこれは?明らかに詐欺である。


しかし私はよっぽどその賞品が欲しかったので、愚かにももう五百円払った。今度も同じで、三発とも違う賞品に当たった。


いよいよ私はその賞品が手に入らないことを悟り、射的屋の店主にそれを購入されてもらえないか頼んだ。


答えはノーだった。

当然といえば当然だ。


私はその後も諦めきれずに財布がすっからかんになるまで射的を続けていた。

その賞品以外の賞品は全て撃ち落としたが、終にその賞品は手に入らなかった。



私は膨大な賞品を抱えて家路につく。家に帰るまで妻が糾弾して来たが、いなして家に帰ると同時に床に就く。

妻の不貞寝ですかという言葉を無視して眠る。



目が覚め、顔でも洗おうかと洗面所に行くと妻が化粧をしていた。


何をしているのかと聞くと、妻は縁日に行く為だと答える。

さらに、もう六時なのだから貴方も支度して下さい。一緒に行くと言ったでは有りませんか。とも言われる。


少し疑問に思い、リビングに行き、時計を見ると、確かに縁日の日の十八時だ。



今までの出来事は夢だったのだ。あんな突飛な出来事現実に起きるわけが無い。


妻と連れ立って縁日に行く。そこで見かけた射的屋の真ん中に居座る賞品がどうしても欲しくなって来た。

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