2: クビネコ誕生編 2
「もしもし、母さん? 僕だよ、ネコだよ」
…こんにちは、ネコです。
ついさっき、会社から追い出されたネコです。
とりあえず、実家には報告しようと(本当は言いたく無いが)公衆電話で実家に電話。
「お、ネコ? どう、元気? 真っ昼間からどうしたの?」
「あ、母さん。実はね、その〜」
「早く言いな」
やばい、母さんキレてる!!
うっわ、本当の事いったら怒られるだろうなー。
「実はね、母さん。会社クビになっちゃった」
「え………?」
ある意味、怒られるよりショックだ。
「ごめん、もう一度言って」
「会社クビになっちゃった…」
「マジでででで!?」
マジでです。
「うっわ、どうすんのネコ!?」
「え〜と、とりあえずそっち行って良い? 色々説明したいし」
「分かった。すぐに来てよ?」
何日かは世話になろう。
あああ、どうしよう?
交通費で財布はスッカラカン。
結構遠いんだよね〜、実家。
な感じの事を考えながら、僕はバスの中に居た。
後少しで実家に着くはずだ。
さて、何て言おう?
「こんにちは〜」
実家のドアを開けながら、僕は言った。
「おお、お帰りネコ」
母さんが、笑いながら奥から出て来る。
「で、どうしてクビになったの? 教えてよ」
「いやいやいや、先に家に入っていいかな?」
というワケで家に入ってく。相変わらずデッカい家。
何を隠そう、僕の父さんは社長である。どっかの会社の。あ、そこで働こうかな?
もちろん実家は金持ち。仕送りしてくれ。
「ネコ、どうなったの? どうしてクビに?」
僕はお茶を飲みながら説明した。
「猫アレルギーね。災難だったわね、ネコ」
「全くだよ。本当に最悪。これからどうやって生きていこう?」
頭を抱え込む僕の肩を、母さんが叩いて来る。
「しっかりしなさい! 大丈夫! 新しい職が見つかるまでお金は送ってあげるから」
「マジで!」
「明日になったら帰りなさい。分かった?」
「イエッサー!」
とにかくよかった。