ラーメンの汁で顔を洗いたくなる発作
ラーメンって美味しいよね
俺の名前は猿川門吉
顔はサル顔だが、性格は良いと評判らしい
だから最近彼女が出来た
向こうからのアプローチで親友が驚いていた
明日はデート
久しぶりの彼女とデートにワクワクしていた
が
だが、不安要素はある
俺には発作があった
ラーメンの汁で思い切り顔を洗いたくなる発作だ
ラーメンを見ると(主に豚骨スープだが)顔をバシャバシャ洗いたくなるのだ
洗うという表現こそ違う気がするがそういう発作をもっている
そして、運が悪いことに彼女が明日はラーメンを食べたいと言いだしたのだ
久しぶりの彼女にデートということと性格の良さでOKしてしまった
正直そんなところを見られたらフラれてしまうだろう
死んでも阻止しないといけない
そう考えているうちに眠りについた
次の日
門吉は彼女とデートをし、映画館に行った
「楽しかったね門吉くん」
「うん、とっても楽しかったよ」
「じゃあ、お昼ご飯はラーメンね」
「あ、そのラーメンだけど・・・」
別の店にしない?と言おうとした時だった
「私ラーメン大好きなんだ~だから楽しみ!」
「え、あ、うん・・・俺も大好きだよ・・・」
結局ラーメンを食べることになってしまった
「ら~めん極旨」
「この店は!!」
俺がすごく食べてみたかった(正確には顔を洗いたくなった)店だ
「私ここのラーメン食べてみたかったのよね」
「お、俺も」
嘘ではないが意味が違う
店に入るとラーメンの汁の香ばしい匂い
「やべ・・・」
しかもメニューにはこだわりの豚骨スープしかない
いや、嬉しいのだが彼女に顔を洗っているのを見られたら死ぬ
二人とも濃豚骨を頼んだ
既に門吉の貧乏ゆすりが半端ではない
カタカタカタカタ・・・
「門吉くん、トイレに行きたいの?」
「う、ううん違うよ」「楽しみだなーってそわそわしちゃって・・・」
これもあながち嘘ではない
「濃豚骨2つです」
来た、キタ━(゜∀゜)━!
やってきた
マズイ
思ってる以上に顔を洗いたくなる香りと見た目
「んん、んーんんん」
我慢の時に漏れる声
水を持っている手がカタカタ震える
これも発作を我慢している証拠
「門吉くん、食べないの!?」「冷めちゃうよ?」
「ん、ああ、俺猫舌だからね」
やばい、やばいよー
手が震えている
「門吉くん?震えているよ」「どうしたの」
早くどっか行けーとはもちろん言えない
「あ、ああ、大丈夫だよ」「それよりトイレに行かなくていいの?」
「うん平気だよ」
空気読めーーーーー
もう限界に近い
その時
「あ、携帯落ちちゃった」
今だ!!!!!
その手は濃豚骨のスープにめがけてレンゲの代わりとなる
麺を通り越し、具材を通り越し
スープに一直線
な、なんて濃厚な手触り!!
それを丁寧に且つ大胆にすくい上げ
バシャバシャバシャーーー
思い切り顔を洗った
気持ちーーーーーー、、、最高だ、今までで最高のスープだ!!!
あ・・・・
「門吉くん、何してるの?」
顔にはドロドロの豚骨となるとがくっついていた
ラーメンの汁で顔を洗う人なんているのでしょうか?