第二話 出会い
少し赤みがかった空の下、木々の間のみちを白馬を走らせる姿がある。
気付いたんだ。夕日に照らされた泉はとても綺麗なんじゃないかって。
もう少しで日が沈んでしまう。いそがないと。
なぜか俺しかいけない神聖な場所、そして安らげる場所。
そう思って急いで白馬、トーリスを走らせる。
泉が木々の間から見えてきた。
もうすぐ。
木を抜けると開けた場所にでる。
今日も静かに日は流れ、暮れようとしている。
「今日も鳥のヒッピーの歌が聞けて幸せだったよ。また私の小枝にとまって欲しいわ」と木が話してくる。
「そうね。心が澄んでいくような綺麗な声ね。」
「リーアにも歌ってほしかったわ。リーアが歌うと私たちは元気になるの。ほら、私の隣に最近降りたばかりの種がもう芽が出てるわ。」と木は言う。その下に芽吹いたばかりの若いこれから大きくなるであろう新芽がでていた。
「そうね。ありがとう。みんな愛してるわ。」
泉のうえに一人の少女が立っている。当たり前のように立ち、近くの木と会話している。
その姿は人とは思えない、とても美しい少女だった。歳は16位、少し薄い青と黄緑が交ざる大きな瞳と長いまつげ。シルバーに少し水色を足したような長いストレートに腰まで伸びる髪。肌は透き通るように白く、きている飾り気のない白いワンピースがとてもにあう。すらりと伸びた足は、泉のうえに浮かんでいる。
ここに住まう水の女神、リーア。人がこれないように、結界をはって守っている。木や鳥、すべてのものと会話ができる。
神様から命を授かってもう長い年月、この世界の水を守っている。
「また来たよ、あの子が。リーア隠れて。」鳥のヒッピーが肩に止まり、教えてくれた。なぜか、一人だけ私の結界が効かない人間がいた。
一度人間界に人として生まれた時以外人とまともにあったことがなかった。
この泉に戻って年月がたった時、一人の男の子が迷いこんできた。それからよくきているが、みんなに教えてもらって事前に隠れて見守っている。
綺麗な自然の様な心に結界が反応しないらしい。
「急いで。今日はなぜかあわててるの。トーリスが理由があってこれ以上遅くできないみたい。」ヒッピーが早口で急いでいる。
「わかったわ。じゃあまたね、リーフ。」
木に一言残して泉の上を隠れ家にむかって歩きだしたその時、ザッっという音と共に、何かが現われた。
!
見られた。やばい━━━。その瞬間、能力をストップした。
ドボン
泉に沈んでいく。泉の上にいたこと一瞬わすれてしまい、急に人間に姿を変えたため、落ちてしまった。
息が、意識が遠くなる。
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