残った部品/抜けないネジ 上
その男は首からジャラジャラとドックタグをぶら下げ、酒場の端でひとり飲んでいた。
復興・・・、そう。復興しいてる街で過去の幻影のように・・・。或いは一匹だけ取り残された犬のように・・・。
「隣・・・、いいか?」
そう声をかけると男は一瞥した後に手を横に振った。喋るのも嫌か・・・、仕方がない。男からすれば私もまた、過去を思い出す対象になりえるのだろう。
それでも私は横に座る。それが仕事で、私には彼の話を聞き記録として残す必要がある。いずれ歴史に埋もれ、綺麗なものとして・・・、誇らしいものとして語られるであろう過去。それがまだ過去になりきれていない今しか、真実は記録できない。
「ナガサキ・トウジ。最終戦争を生き残ったパイロットだろう?私は・・・。」
「ぶち殺すぞ?同族以外が俺の前で口を開くな。話すことはなにもない。」
思ったよりも若い声。外見だけを・・・、いや。外見も声も本人はそのままに、ただ。そう・・・、ただ、彼から向けられる殺意によって声が止まる。
「・・・。」
「金はおいていく。」
「あいよ。」
「っ!待ってくれ!」
隙もなく立ち上がり歩き出した彼に一拍遅れて動き出し彼を追う。やはりダメか?私が青い目をしている時点で憎しみの対象なのか?確かに私達は・・・。日本人以外の民族は日本人をパイロットとして扱った・・・。だが!
「話を聞いてくれ!」
「・・・。」
「話を!」
「殺すぞ・・・。」
振り向きざまに足払いをされ、倒れる速度に加えてナガサキの手が顔に押し当てられる。そのまま行けば私の頭は彼の手と地面とサンドイッチされて潰れるだろう。手加減も・・・、いや。既に機械的になされる技は死という事実だけを生み出す装置のようだ。
「ナガサキさん・・・、殺しはまずい。今は復興で人が減るのさえ監視されてる。」
「ユキシマか・・・。」
「ええ、ユキシマです・・・。今を生きる・・・、ユキシマです・・・。」
「・・・、チッ。」
地面への墜落は引き伸ばされた感覚の中で急に止まり、首から嫌な音を鳴らすだけに留まった。遅れてくる痛みは生きている駄賃と割り切ろう。死ねばその痛みさえ、私は感じることがないのだから・・・。
「まっ!」
「やめなよおっさん。ナガサキさんは次は止まらない。それだけの憎しみも苦悩も背負ってるから・・・。」
「君は・・・、ユキシマさん・・・?そうか!ユキシマ・カナデ!ナガサキさんの!私の話を聞いて欲しい!」
そう声を上げる私に向けられる視線は・・・、侮蔑。その視線には慣れている。私が・・・、いや。パイロット達はそれ以外の・・・、日本人以外の民族に全員殺意を抱いている・・・。無理もない・・・、無理もないが・・・。
「私は日本人だ!」
「それを信じろと?ハーフを嫌う言われはない。言われはないけど、それを鵜呑みにするほど子供でもない。・・・、帰りなよ。私も貴方を含めた他の民族を根絶やしにしたい。」
「それは・・・、闇か?」
地面に這いつくばりつつも問を投げる。ナガサキよりも話ができるのか?それは分からない。分からないが、声が帰ってくるならまだ話せる!
「闇・・・、パイロットなんて言う言葉で塗り固めた中身がそうと言うなら、きっとそうなんだよ。どこまでも暗く、癒えない孤独と闇・・・。放っておいてくれないかな?」
「しかし!」
「くどい!」
「英雄達なのでしょう!貴女も!ナガサキさんも!パイロットは英雄なのでしょう!」
「・・・、ははっ!・・・、口をしまえ。ぶち殺すそ!なにが英雄か!なにが誇るべき成果か!私達は部品だ!そうあるように調整され、そうあるように育てられた部品だ!」
「その嘆きを私に聞かせて欲しい!その悲しみを記録させて欲しい!いずれ歴史になるとしても!真実は色褪せない!確かに私はハーフだ!だから、半分は憎しみが!もう半分は貴方達と同じ悲しみが流れている!最終決戦終結・・・、それが私の終わりと始まりだ・・・。」
「・・・、寮は?」
「予定では相ノ浦へ。」
「そう・・・、か。1日待て、名は?」
「カツラギ・ルイス。」
「照合が取れたら考える。ふかしなら・・・、私がお前を殺す。ゴミのように、ただ無意味に・・・。」
くるりとユキシマは背を向け歩き出す。その背を私は這いつくばったまま、ただ眺めるしかできなかった。決して嘘はついていない。でも、私は真実も知らない。そこでなにがあったのか?なぜ、パイロットには畏怖と侮蔑と媚びた視線が向けられるのか・・・。
あくる日私はまた酒場に来ていた。ユキシマの言う照合がどの様なものかは分からない。いや、分かるはずがない。事のあらましを言うなら・・・。
はじめに侵略があった。どこの、も。誰からの、も。関係なく、交渉の余地もなくただ、宇宙と言う私の知らない場所から大地に向かい攻撃が仕掛けられた。はじめに大国を・・・、一時的に拮抗したかと思われた戦局はすぐに瓦解し、大国は更地となった。
それでも生き延びた人類は拮抗した時間の中で、少ない技術を使い相手を分析しどう対抗するかを考え、考える速度よりも早く殺され、それでも家畜となることを拒否して歩み・・・。極東の島国、日本へ渡った。データも資料も技術も携えて。
なぜ日本だったのか?多分、その当時で核ミサイルを保有しておらず、国土の面積としても小さなことから戦火を免れ、後回しにされたからだろう。
ただ難民の流入は日本を壊し民族を壊し、その中で日本人が取った民族確立ほ方法はパイロットとなることだった。元々の技術水準の高さに加え、侵略者を倒せる兵器を製造できる。ある意味救世主の様な国と民族だが、それはただ表向きのきれいな話。
調べる限りでは・・・。
「ナガサキさん・・・。」
「ユキシマから聞いた。確かに照合も取れた。だから来た。それで?なにを聞きたい?」
「私が聞きたいのは・・・、貴方の見た風景です。そのドックタグに関わる話も、パイロットとしての話も・・・。」
「・・・、殺されるぞ?そして、日本人の秘密も教えん。知ったところ扱えんだろうがな。」
「覚悟はある。」
言葉は軽い。今の世界でこれほど軽いものはない。だから、私が付けて過ごしたであろうドックタグを差し出す。他には同じになるはずであった。と、言うことを伝えるものがない・・・。
「いらん。生きてるなら自分で自分に首輪しろ。そして、それで最後は自分の首をしめろ。」
「それは・・・。」
「ナガサキさん・・・、一応。最後の日の後輩だ。少しは・・・、ね。」
「お前もか、ユキシマ。」
「死に損なったんだ。なら、ここで昔話をするのもいい。それになにより、毎日が誰かの葬式で法事で酒を飲まないと弔えない。」
コトリ、と。大将が私の前にコップを置き酒を注ぐ。この一杯で半月は食える。それでもパイロットはそれを飲む。そして、時折海へ流すと言う・・・。
「最初は端折る。歴史勉強も政治の勉強もしたお利口さんの口だろ?」
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「いたか!」
「見つからん!」
「絶対に撃つな!暴行は打撲までならいい!だか、骨折はさせるな!訓練に響く!絶対に殺すな!どうせパイロットは死ぬ!」
「ちっ!ジャップのガキが!俺達よりいいもん食ってるのになにが不満だ!」
「はぁ!はぁ!はぁ!ユキシマ!」
「ダメ・・・、多分。逃げ切れない。」
「見つけたぞ!パイロット様よぉ!」
「がっ!」
しなるゴム棒が脇腹を叩く。腹筋に力を入れても響く痛みは体を貫き、肺から息が漏れる。デカい金髪、ヒョロイ青目、日本人じゃないアジア人・・・。見下ろす大人達は苛立たしげに俺とユキシマを見下ろす。パイロット・・・、無理やりに体をいじられパーツとして仕上げ送り出される俺達。
昔・・・、片腕のない大人が言うには昔の日本人がパイロットは日本人としたから、俺達はパイロットになる。いつ終わるかも、勝てるのかも分からない戦場へ送られ、義務的に戦い死ぬ。
『なんで』と言う叫びさ既に消えて長い。終わった時、パイロットなら、日本人に世界を取り戻せると言う狂気的な盲信が、今の俺達を育てて死地へ直送するラインとして動かしている。そう・・・、過去の夢が俺達にのしかかり、のしかかった夢が俺達を殺す・・・。
「あうっ!」
「ユキシマはかんけぇね!」
「黙れ!パイロット様!」
散々に殴られた・・・。顔でもなく、胸でも脇腹でも肩でも背中でもなく、ふくらはぎと下っ腹を・・・。知ってるさ・・・。幾度となく殴られて・・・、手の腹を押し付けて一気に力を入れる殴り方が、俺達に深刻なダメージを与えず、残る痛みだけを残すことも・・・。
「放り込め。」
ドサリとタコ部屋に放り込まれ、途端に辺りから笑い声が聞こえる。娯楽はこれしかない。誰かが痛めつけられ、それを見る。悪趣味?俺達を殺さないと言うルールがある。
「またかナガサキにユキシマ。」
「どうせ死ぬ部品様だ。飯食って少し訓練して・・・、パートナーといいことしてさっさと死のうぜ。」
「もう!ならさっさと体を重ねてよ!子供が宿れば私の番は後にずれるから。」
「へいへい・・・。」
過去には人工授精なんてもんがあったらしい。その技術は失われて長く、代わりに成長停止と促進が繰り返される。停止するのは種馬として優秀、促進されるのは部品として必要な数・・・。愛する、恋するとは何だ?
鉄から這い出て殴られて、最後はまた鉄に入り死ぬ・・・。親?そんな者は知らない。きっと部品の1つだろう。なら、俺はやはり部品だ。
「大丈夫?」
「・・・、毎回ついてこなくていいぞ、ユキシマ。」
「ついて行きたいんじゃない。行っても行かなくても結局私も殴られる。だから、殴られる理由くらい欲しい・・・。」
「そうか・・・。」
2段ベッドの上下、それがパートナーとなった理由。ただ上にいた、それだけが2人を引き合わせた理由。だから、コイツがどうなろうと知った事じゃない。そう・・・、知った事じゃない。
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「っ!これより訓練を開始する!」
教官と呼ばれる片腕のない日本人がそう叫ぶ。地下にあるらしいここも、今揺れたからには攻撃されているのだろう。今朝、隣の部屋が空になった。それの余波。そう・・・、余波じゃなく全部を消してくれた方がシンプルでいい。
侵略者から奪った残りカス。それが目名前にある球体。乗り込めば最後、地上に出て戦うこれが・・・、黒い瞳の様なこれが、最後の希望と言われる代物で、俺とユキシマを殴った奴等が死にながら集めて来たものの形。名前なんてない。ただの球体。
「状況開始!」
その声に嫌がろうにも体が動く。席に座り両手を置く、五指全てに痛みが走り、それをキーとして球体に火が入る。訓練・・・。確かに仮想の中で・・・、ひたすらの砂嵐とノイズの中で飛ぶのは訓練なのだろう。獲物は他の部品、信じろと言われるのはパートナーのみ。
「ユキシマ・・・。」
『後ろ。』」
「分かった」
これで訓練は3度目。次は実戦。そして終わり。話によれば帰還と言うものもあるらしい。それは片腕のない日本人が言った言葉だが、その片腕のない日本人以外の帰還を見たことがない。
『左28度。』
「分かった。」
どうやって飛んでるのか?なにをして攻撃しているのか?そんな事は知らない。ただ、座って飛んで撃てと指を動かす。そうすれば光の点線が飛び、誰かに何かに当たる。ただ、それだけ。それ以外の必要性はない。部品を整備して送り出すのは他の金髪や青目がやる。
『ナガサキ・・・。』
「なんだ?」
『また、脱走する?』
「・・・、嫌なのか?嫌なら俺を動けなくしろ。それで解決する。」
『違う、ついていくだけの理由が欲しい。』
「ない。部品か外に出るのは本能だ。出荷・・・、それを俺は早くされたい。」
『出荷・・・。なら、私は貴方と出荷されて死ぬ。それしか理由がないから。』
「・・・、好きにしろ。」
好きにしろ・・・。これが好きなのか?なら、いらないモノだ。どうせ消えてなくなる。俺も、ユキシマも。他の部品も・・・。
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4度目、それは次の日だった。脱走しよとするまえに扉の前には誰かが立ち、飯と言われて出された物はいつもなら1つだった物か2つ・・・。それでタコ部屋の奴等も分かった。俺達の出荷があると。だが、それが何だ?普通に飯を食い体を重ねる奴は体を重ね、寝る奴はさっさと寝、話す奴は話す。
「おい、ナガサキ。」
「なんた?」
「出荷されるのはいいとして、この首輪が俺は嫌いだ。」
「そうか。ならゴミ箱に捨てろ。俺は捨てた。」
「知ってる。それで殴られたろ?」
「そもそも、これはなんの首輪なんだ?」
「知らん。ただの管理タグだろ?」
「管理タグ・・・。そうか、ならいらねぇな。」
「あぁ、いらん。だから・・・。」
「おーい!ゴミを押し付ける奴決めるぞ!」
捨てろと言う前に誰かの声が上がる。タコ部屋で名前を知らないのはおかしい?パートナー以外は番号だ。それ以下でもそれ以上でもなく、ただ部品としての番号だけを呼ぶ。
・・・、笑える話をしてやろう。『決める』この言葉を知っていても俺達は誰も決め方を知らなかった。だから、ゴミならゴミ箱の近くの奴押し付ける。それが俺だ。だか、押し付けられて返すだけの理由もない。あるのは首がゴワゴワすると言う、不快感だけ・・・。
「ナガサキ。」
「寝ろ、ユキシマ。体を重ねろと言うなら早く言え。もう遅い。」
上からユキシマが顔をのぞかせる。すでに暗く・・・、しかし、そこから顔をのぞかせるのはユキシマしかいない。
「ううん。タグちょうだい。」
「このゴミを?」
「うん。ナガサキのタグをちょうだい。」
「俺のを?」
「そう。男と女が体を重ねたら夫婦ってモノになるらしいの。そしたら、私はユキシマじゃなくてナガサキに・・・、ナガサキ・カナデになる。」
「お前はユキシマだろ?」
「うん。でも、ナガサキ・カナデ。こっちの響がずっと好き。」
「好きにしろ。だが、俺はユキシマとお前を呼ぶ。」
「いいよ、それで。私は貴方についていくだけだから。出荷されても、出荷された後も・・・。」
投げ渡したタグをユキシマが受け取り、程なくして寝息が聞こえる。好きにしろ・・・、ユキシマは好きだからそうしたんだろう。後ろをついてくるユキシマ・・・。
「おい、ユキシマ。」
「ふぇ?なに?」
「顔を見せろ。」
「どうぞ。」
ユキシマの頬を両手で持つ。暗い中で薄ぼんやりとしか見えないが、それでいい。どうせ明日には忘れる。忘れて誰も彼もいなくなって、死んで消えて行く。ただ、その時までは・・・。
「ユキシマは俺の後ろだ。」
「私の前はナガサキだよ。」
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「集合!・・・、ナガサキ。それはなんだ?」
「タグの集まりです。」
「それは・・・。いや、いい。ただ、そのタグに・・・。」
「やぁやぁ、諸君!おや?欠損部品のカシマ、どうした?」
「いえ、司令・・・。」
金髪が片腕の日本人に話しかける。司令・・・、部品の出荷も増産も決める男。どれだけの部品を作り送り出したのか?そんな事は知らない。ただ、1度集められて話を聞かされた。
『パイロット諸君!君達は選ばれた日本人だ!君達以外に侵略者に対抗する者はいない!故に我々は君達を教育し、戦い生き残る術を叩き込む。』
終始苛立ちの声。その目に浮かぶモノは憎悪そして、かすかな怯え。射殺さんばかりに俺達を睨みつけながら、定型文を口から垂れ流す。脱走した時に聞いたさ、その定型文は・・・。
「カシマ、例のモノを。」
「・・・、はい。」
片腕が小さな丸い玉をそれぞれに渡しながら、耳元でボソリと話していく。どうせ聞いても無意味な話しだ。どうせ死ぬ。死んで終わって、シンプルになる。そう、部品が駆動して役目を追えば走狗のように突き進む。片腕が隣のやつに耳打ちする声が聞こえた。限界を超える・・・、か。なら出てすぐに飲めばいい。
(お前は絶対に食うな。パートナーにも食わせるな。食うのは・・・、死ぬときだ。)
そうボソリと話されて俺の手に玉がおかれる。ベタベタたとして不快だ。だが、そう思う前に揺れが起こった。あぁ、侵略者が来ているのだろう。
「早く出撃させろ!」
「・・・、総員出撃!」
片腕から声が上がり、球体の前へ走る。あぁ、片腕からの指示をユキシマに伝えておかなければ。
「ユキシマ。」
「なに?」
「さっきの玉を捨てろ。」
「なんで?」
「今から死ぬ。だからいらんものだ。」
「分かった。なら、代わりにナガサキの唇ちょうだい。昨日は体を重ねられなかったし。」
「分かった。」
玉をお互いに投げ捨た後、ユキシマの頬を両手で掴み唇を押し当てる。互いに舌を絡めウネウネとした感触だけか残る。ユキシマも俺もこれのなにがいいのか分からない。
「へへ・・・、夫婦だね。」
「多分な。」
前と後ろ。乗り込んだ球体が『ガコン』と言う音ともに運ばれ、他の球体もそれに習うように運ばれていく。次は俺か・・・、やっと楽になる。そう、何もかもが終わって、楽になる。
『ねぇ、ナガサキ。自由ってしってる?』
「なにもない事だ。そう・・・、なにもなくて静かなことだ。」
『なにもないならちょうだい。』
「お前には俺の後ろにいる理由がある。」
『・・・、そっか。うん。なら、その理由を貰うね。』




