流行(異世界やVRMMO)について
小説家になろうではやっているジャンルといえば何でしょうか。
異世界、VRMMO……それらを支える「要素」としてのハーレムやチート……もちろん、そんなに簡単に言い切れるものではないでしょう。長いこと王座に輝いていた劣等生は異世界でもVRMMOでもありませんでしたしね。
さて、たまにみるのがこういった流行ジャンルへの批判です。「異世界はクソ」「ハーレムはクソ」みたいな意見もちらほらあります。大概が感情論かやっかみのこの手の感想、さてどうして出てくるのでしょうか?
読み解く鍵として使えそうな題材に、2chのスレッドで話題になっていたトピックがあります。それは小説家になろうにおいて、「異世界系でお気に入り1000件」と「そうでないもので100件」はどちらが難しいか、というものです。
個人的には後者じゃないでしょうか。
なぜでしょう? これはもう、ごくごくシンプルに流行っているからではないでしょうか。「異世界チートハーレム」という作品群を好むユーザーの方が、「血と硝煙を生臭い世界観」より遙かに多いのは事実でしょう。単純な文章力やストーリー性だけでは10倍の人数差は埋められません。
本日提言したいのは「落ち着こうぜ」ということです。
★主に一連の流行ジャンルが嫌いな方々へ
○どうしても生理的に気にくわない
無視しましょう。といっても「異世界を書いてる作者はみんなブロックしてやるぜええええええ!」ということではありません。別にあなた本人が異界に飛ばされたり、TSさせられたり、ヒロインに囲まれたりして迷惑を被っているわけでもないはずなので、騒ぐ必要はないんです。好きなものを書けばいいんです。
○異世界とVRMMOばっかり流行っていてずるい……
それが流行です。そして何より、流行を追えるというのは一つの才能だと僕は思います。各種ライトノベル小説大賞のタイトルなどに着目していただければわかると思いますが、年ごとに「魔王」であったり、「魔法少女」であったり、「学園」であったりと、流行りの要素というものは存在します。
安易に追っている作者さんがいたとして、果たしてそれは悪でしょうか。何より「ただ人気に縋っているだけ」ではなく、人気のジャンルの中で自分の色を出し、楽しみながら書いている作者さんの方が多いのではないでしょうか。
○人気ジャンルは読者の質が低い
それは感想をつける母集団が拡大するからではありませんか?
個人的には、なろうにおける「メインストリームではない作品群」の多くは、自分の身内や同じような作品を書いている作家さんからの感想中心になっているような気がします。私もかなり的確で参考になる意見を頂いていますが、同じような作品を書いている作者さんから頂いていることも多く、結果的に感想のレベルが高くなったり、あるいは貰える範囲が狭くなる場面も窺えます。もちろん、すべての小説がこの限りではありません。
○なんでこんな文章力なのにたくさんお気に入りに入ってるんだろう
文章力が気にならないくらい面白い可能性はあります。この「面白さ」という尺度には、「異世界だから面白い」「VRMMOが大好き」「ハーレム最高」といった視点ももちろん入ってきます。変な話ですが、明治や大正の文豪が書いたとしても、なろうの上位ランキングに入るかと言われれば私は難しいと思います。
また、「なんでこの文章が5pt……」みたいな意見も散見されますが、それも個人の感性に委ねられているものなので他人が口を出せる部分ではないでしょう。
「これどうしようもねえな」という文章力の作品は、ジャンルに関わらずにあります。人気ジャンルだとそういったものでも上位に押し上がってくるので、なんとなく錯覚してしまうのかと。
○異世界モノは伸びるのに他が伸びねえ……
私も同じような悩みがありますが、それが流行です!
詳細は後述します。
★主に一連の流行ジャンルが好きな方々へ
○作者の他の作品も読んでみる
たまにランキング上位の作品の方で、Aは評価pt5万、Bは1000以下みたいなのをみてびっくりすることがあります。もちろん、「人ではなく作品で」という捉え方は正しいと思うのですが、たぶん作者名を辿って読んでいない方も多いんだろうな、と思います。
私もこの間「エッセイ以外も書いていたんですね!」と言われたことがあります。書いてますぜ旦那!
超面白い異世界チートハーレムの作者さんが、なにやら世知辛そうなサラリーマンが主人公の生々しいお話を書いていたとしても、是非読んでみて欲しいと思います。あなたの好きな「ジャンル」ではないかもしれませんが、もしかしたら何かいいところが見つかるかもしれません。読める、読みたいジャンルが増えれば、それだけ読書の幅も広がります。作者さんもいろいろ知って貰うことができてwin-winです。
★個人的に思うこと
○今は人気作家になれるチャンス!
なりふりかまわずデビューしたい! という作者の方々にとって今はチャンスだと僕は考えています。デビュー云々という話でなくとも、小説をWEB上に投稿している以上、できるだけ多くの方にみて欲しい、評価が欲しいという方は少なくないと思います。
そういう状況の中で、「異世界」「VRMMO」というジャンルで投稿するだけで多くの集客が見込めるならば、それを使って料理をするのは一つの戦略でもあると思います。
○プロになったら……
あなたが仮に作家になったとしましょう。一作目はあまり振るわず、二作目の要件として編集から提示された条件は「異世界+ハーレム」……さて、どうしますか。
僕はそれほど異世界が得意なジャンルではない(嫌いというわけではなく、あまり書いたことがないので知識を持っていない)のですが、きっと調べて書くと思います。
理由はいくつかありますが、食材を指定されてもおいしい料理を作れるのが真の料理人であり作家であると思うからです。また、そこで自分の意思を優先して作品を「はずす」よりは、もう一発当てて人気を出してから違うものを書こうと考えると思います。
○状況の変化
私がこのサイトに登録した当時(2010年頃)は、まだ小説家になろうから一般書籍化した作品というのはほとんどない状況でした。
現在は悪い言い方をすれば青田刈り・入れ食い状態です。
私は正直、2013年の日本という国ほど小説家になりやすい状況はないと考えております。出版不況で出版業界全体が斜陽な中、ラノベだけは不景気もスルーして市場の拡大を続けている状況です。
別に「みんなで異世界ハーレムをかこうぜ!」というわけではなく、浮上しやすいジャンルと捉えて武器にすることも悪くはないな、というレベルです。
○ポイントの認識差
なろうで勝負しにくいジャンルとして「詩」や「エッセイ」がありますが、これはなろうのポイントシステムにも多少なりとも問題があるのかもしれません。
「文章評価」と「ストーリー評価」ですが、たとえば私のこのエッセイに「ストーリー評価」をしようと思ったら、読者の皆様は多少混乱されると思います。
個人的な意見としては、「面白い」とか「価値がある」と感じたら、特に「文章」「ストーリー」というくくりにこだわらず、そういった勝負しにくいジャンルの作品にもバンバンポイントを入れていただけたらと思います。私はそんな感じです、という個人的な動きにとどまるので、これも考え方次第ですね。「ここは小説投稿サイトだろ!」というご意見もあるかと思いますが、詩やエッセイといったジャンルでの投稿が可能ということは、そういう作品の投稿も想定されている、と考えております。
また、完結していない作品へのポイント投下は……という方もいらっしゃるとは思いますが、「現時点の投稿まで」という区切りで評価していくスタンスでいいのではないでしょうか。ポイント投下はモチベーションアップに繋がることもあり、見切り発車的にポイントを付与することは基本的に悪い結果は生まないのではないでしょうか。
非流行ジャンルの読者の方々は、前述の通り、目が肥えていたり同業であったりします。ですのでそういう作品群はなかなかポイントを得にくい状況があると思います。是非、応援してあげてください。
あ、なろうは評価pt依頼行為禁止なのでお気をつけを。これもポロッと活動報告なんかでやっちゃったりしますね。難しいところ。
★総括
とにかくおなじサイト利用者として仲良くしましょうというのが一番です。仲良くなれないと思う相手には距離を置けばよいのです。喧嘩を売るのはやめましょう。どう考えてもlose-loseです。
◆チラ裏
私は人気ジャンル、別に「スゲー好き!」ってこともないですし、「反吐が出るね!」ってこともないですね。楽しませて貰っています。書籍化してるのにタダとかそういう作品もあってありがたいですね、はい。
書きながら頭をよぎるのは、私自身このエッセイと、私の他の小説の乖離です。
早速みてみましょう!
『本気で小説家になろう』
4685pt お気に入り登録2018件
『幼馴染みに抱かれ逝く僕(物理)』
95pt お気に入り登録20件
まあこれをみると「あ”っ、んあ”っ、んあ”あ”あ”あ”ん”ん”ん!!」みたいな気分になることもありますが、これは私の小説はこのエッセイのpt比400分の1、お気に入り比100分の1の需要しかない……というわけではないと思います。
あげはじめた日時にも差がありますし、私がこのエッセイ以外も書いていることを知らない方もいるでしょう。
……いやまあ、たぶんなろう内では小説よりエッセイの方が50倍は需要があるんだと思いますが……。
これは仕方のないことだと思います。私に感想をくださる方は、どちらかといえば「読み専」よりも作家さんの方が多いですし、その中でもごくごく一部です。
「一つでもこんなにヒットしてるんだからええやん!」と思われるかもしれません。実際そうかなとも感じますが、曲がりなりにも作家を名乗る身分としては、やや寂しいものもありますね!
ハハ…………。
……。
しょ、小説も面白い(たぶん)と思うので興味ありましたら是非読んでみてくださいね!
ほら、小説の読者が増えれば全体的にモチベが上がりエッセイも捗るという魔法の言葉もあるし……。
それでは、明日もあなたのすばらしい創作&読書ライフを願って!
See you again!
就活しよ
一応、ゆくぼくを後書きにおいてみたり……
http://ncode.syosetu.com/n3575bv/
なんか私作家あきらめつつあるけど、皆さんマジがんばって。
周りがみんなデビューしていく……背中が遠い……遠い……。