表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アスからマジで生きる!  作者: ゆる


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

2/24

二日目 依頼から始まる恋ってあるかなぁ


アスマジ株式会社を開設して二週間が経過した。

客はまだ一人も来ていない。

「…はぁ、なぁんでこぉんな上手くいかんのかぁねぇ。」

あれから三人であらゆる手を使い、アスマジ株式会社を宣伝した。

しかし、客はまだ一人も来ていない。

「お前に無理矢理仕事辞めさせられたんだ。意地でも仕事は取ってきてもらうぞ。」

「君さ、この状況で凄く無茶な事言うよね。おちごとないっていってるでちょ!」

イカリが怒りを抱いている、ハハッ。

それも仕方の無い事だ。イカリとオオタルには無理言って仕事を辞めてもらった。

「起業するっていうし、とりあえず数ヶ月は大丈夫かなって思ったのにね。すんごい騙された気分だよ。ペテンだペテン。」

オオタルは笑顔で中指を立てている。

「…うぅ…心が…。」

イカリは溜息を吐き、オオタルに近寄った。

「まあ、こんなゴミクズを信じきった俺らにも責任はあるさ。協力し合って仕事探そうぜ…チッ。」

キコエテマース、イマシタウチシタヨネ。


ピコンッ


スマホの通知音が鳴り、画面を見ると【アスマジ株式会社様】とメールの通知が来ていた。


「来たあぁぁぁぁぁァァァァァッッ!!!」

スマホを高速で開くと、そこにはこう書かれていた。


【アスマジ株式会社へ】

お忙しい中、すみません。

私、市内に住む大垣という者です。

実は最近、元彼にストーカーされています。

警察に相談し注意をして貰ったのですが、現状何も変わらず困っています。

私としては、これ以上大事にはしたくありません。

そんな時、アスマジ様のホームページを拝見致しました。

まず直接お話だけでも聞いて頂けたら幸いです。

返信お待ちしています。


「良かったな、初仕事だ。早速へんし…っておいっ!」

俺は「これは…恋…?」とポロッと気色悪い台詞を吐いていた。

「…片手で口元を隠すな。気色悪さが増す。」

イカリに頭部を叩かれた後、依頼者の大垣さんという人に返信を送った。


翌日、廃ビル最上階のアスマジの事務所へ、大垣さんは足を運んだ。

「大垣です。この度は本当にありがとうございます。」

大垣さんは深く頭を下げた。

大垣さんは黒縁眼鏡をクイッと動かした。そしてマフラーを外すと、サラリと黒髪のロングヘアーが姿を見せた。それに小柄で細く、四肢なんか今にも折れてしまいそうだ。

それに引き換え、イカリはガタイがよくいかつい見た目だ。テレビでよく見る短髪で髭を生やした感じだ。その割に身体や心が弱い。

逆にオオタルは名は体を表すという言葉があるように、体型は太め…いや、はっきり言ってデブだ。それに眼鏡を掛けており、短髪の黒髪。見た目は完全に中年のオッサンだ。

こんな男たちに囲まれていては、彼女が尚更華奢に見えてしまう。

「あの…何か?」

おっと、ついジロジロと見てしまった。今の時代ハラスメントとか五月蝿いからな、気を付けないと。

俺は大垣さんをソファへと案内した。

話の内容はメールで頂いた内容の通りだった。

「今日は?」

「…今日は土曜日なので。彼、土日は仕事なんですよ。一応周りも見ましたけど、今日は居なかったです。」

「何かされたりはしたのか?」

イカリの容赦ない質問攻めに俺は頭を叩いた。

「警察かって。女性なんだから少し遠回しに聞けよ。」

「そうか、すまない……どこまでしたの?」

「話聞いてたぁァァ!?」


翌々日、俺とイカリは大垣さんの尾行を…いや、大垣さんを尾行している元彼の尾行を開始する事となった。


午後十八時半頃

大垣さんは、普段羽幌で仕事をしている。留萌駅から羽幌駅まで電車で通っているらしい。

留萌駅から出て来た大垣さんを尾行…

「…あれ?」

ふと見た大垣さんの肩には、なんと大男が乗っかっていた。


「ええええええぇぇぇぇぇぇぇえええッ!?」

「そっち!?人間じゃねぇの!?何あれ、ピ〇チュウみたくなってんだけど!?」

すると大垣さんから一通のメールが届いた。


【件名 何か今日は肩に乗ってきました。】


「いやいやいやいやっ!そういう感じ?そういうノリ?」


そのメールが届いた頃、大垣さんと彼チュウは駅を出て行った。


「…あれ、もはややり直してるだろ。」

「やり直してるというか…旅してるというか…マ〇ラタウンというか…。」


依頼から始まる恋は…ないッ!


また次回お会いしましょう!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ