十五日目 飛べない雀は…もはや何っ!
おや、ウスターの様子が…!?
でんでんでんでんでんでんでんでーん…
キラキラキラキラッ
おめでとう!ウスターは、中濃に進化したぞッ!
「いやいやいやいやっ…駄目だって…しかもウスターから中濃に進化って意味わかんないから。それもうただのソースだから。」
「タケルッ!分からんのかいなッ!」
「な、何が!?」
「見てみぃ、ここの羽根。大きなっとるやろ。」
「分かるかぁぁぁッ!しかも、何お前までエセ関西弁使ってんだ!」
「私も進化したって事やん?」
「何も変わっとらんわッ!そんな事よりどうするんだよ。橋も渡れず、ワカバは奈落の底に落下だぞ。」
俺はゆっくりと崖の下を覗き込んだ。
「いくらワカバでも、この高さじゃ…。」
俺の言葉にハズキは涙目になり俯いた。
「…進むしかないよ。私達の事、ワカバさんが生かしてくれたんよ。生きようよ、精一杯。」
「…ハズキ…そうだな。まずはどうやってこの先に進むかだが。」
俺とハズキが考え込んでいると、中濃の鳴き声が轟いた。
中濃は小さな身体を徐々に大きくし、最終的に洗濯機程の大きさになったのだ。
「ええええええええええッ!?!?!?」
「中濃ッ!能力覚醒したんか!」
ピエエェェェェェェッ!!!
中濃は、背中に乗れというような仕草で俺達に合図を送った。
「中濃ー!流石は私の子やん!」
「マジかよ…こんな展開ありかよ…。」
そして、俺達は中濃に跨り、崖から飛び立った。
ピエエェェェェェェッ!!!
そして、重さに耐え切れなかった中濃と俺達はゆっくりと落下した。
「クソがあぁぁぁぁぁぁぁッ!!!!!」
中濃が全力で羽根を動かしたお陰でゆっくりと奈落の底へと向かった。
高さ十二メートルの底、無数の森があり、川は連なり流れている。
一見ただの深い森にしか見えないが。
一時間後…
「…ここ何処やねん。」
「…知らん。」
俺達は遭難した。
次回もお楽しみに!




