元日
雪のようにきれいな妻だった。山の頂で愛する自然に囲まれ、自信にあふれた料理を満面の笑顔の隣に掲げて眠りこけているどの植物よりも目一杯初日の出を浴びる彼女は特に輝いてみえた。世界中のどの自然よりも生き生きとしていた彼女と共に歩めた人生が誇らしい。だが、今年は灰袋を片手に雪の積もった山道を登りきる。何年、何十年と初日の出を眺めに来た頂きで彼女を自然に還す。日の出る頃に溶け出す雪に比翼の鳥の影をみた気がした。
雪のようにきれいな妻だった。山の頂で愛する自然に囲まれ、自信にあふれた料理を満面の笑顔の隣に掲げて眠りこけているどの植物よりも目一杯初日の出を浴びる彼女は特に輝いてみえた。世界中のどの自然よりも生き生きとしていた彼女と共に歩めた人生が誇らしい。だが、今年は灰袋を片手に雪の積もった山道を登りきる。何年、何十年と初日の出を眺めに来た頂きで彼女を自然に還す。日の出る頃に溶け出す雪に比翼の鳥の影をみた気がした。
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