表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/67

第6話:仲直り

香奈が帰った後、俺は一人後悔していた。どうして、冗談といってしまったのかと・・・。

すると・・・。


「やっぱ素直じゃないなぁ、誠は」


気がつくと病室に雅人が来ていた。正直、こいつ今日学校は・・・・・?


「何がだよ?」


「だからぁ、何で無事かって聞いた後に、冗談って照れ隠ししたの?」


「べつに、隠してないさ。ただ・・・」


「ただ、何さ?」


「あいつは俺よりもしっかりしているから、聞かなくても大丈夫と思っただけさ」


はたして、そうだろうか。言った後に、急に熱くなって咄嗟に冗談といってしまったが。


「はぁ・・分かってないな、誠」


「だから、何が?」


「女の子は、本心からじゃなくても、聞いてもらいたいもんじゃないかな?そういうことを。香奈ちゃんも最初は、嬉しかったんじゃない?」


そう言われてみれば、そうだった。確かに、あの時香奈は嬉しそうだった。


「そうかもしれない・・・・けど、香奈。もう、帰っちゃっただろ?言い直したくても」


「いや、香奈ちゃんなら屋上にいるはずだよ」


「なぜ?」


「さぁ?それは、僕にも分からない」


「そうか、じゃっ行ってくるとするかな」


「うん、がんばって。結果は後でちゃんと教えてくれよな」


「あぁ、わかってる」


そして、俺は屋上にむかった。

屋上に着くと、雅人の言ったように香奈が一人でいた。


「香奈・・・・」


「誠?どうしたの、そんなに慌てて・・・」


「さっきのこと謝ろうと思ってな」


「さっき?」


「香奈に無事かって言ったのは、冗談なんかじゃない。けど、何て言うのかな?言った後に急に恥ずかしくなったっていうか・・・それで、冗談なんかって言っちまったんだ」


「そうなんだ」


「だから、香奈、本当にごめん。お前が無事で本当によかったと思ってる」


「ほんとに?・・心から?」


「あぁ、本当だ。次は冗談とか言わない。心からそう思ってる」


「そう・・・じゃぁ、さっきのは水に流してあげる。でも、次はないと思いなさい」


「ああ、わかってるよ」


どうやら香奈の機嫌も戻ったようだ。それからしばらくは、二人で屋上にいた。

だんだん夜に近づいてきて、少し寒い風がふいてきた。


「・・・・クシュン」


香奈がクシャミをしたので、恥ずかしながらも上着を被せてやった。


「あっ・・ありがと」


「あぁ。せっかく無事だったのに、こんなことで風邪をひかれちゃこまるからな」


「・・・そっか」


そう言いっている、香奈の顔は少しばかり赤くなっていた。


「帰るか?」


「うん。・・・・あのね、誠」


「何?」


「手・・・つないでも良い?」


途端に二人の顔が赤くなった。

俺は咳払いをして・・・


「あぁ、いいぞ」


そして、二人は手を握り合って、病室に帰っていった・・・・。





ここまで、読んでいただいてありがとうございます。

何か感想があったら、おきかせください。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ