第5話:目覚めは病院
目が覚めたとき、最初にみたのは何もない真っ白な天井だった。どうやら病院らしい。そして、次に見たのは心配そうにみつめてくる、香奈の顔だった。
「あっ・・気がついた?」
「俺はいったい・・・・」
「どこまで覚えてる?」
「えっと・・スラッシュウルフを倒して・・それから、時雨と契約して・・帰ろうとしたんだっけ?」
「うん、そう。そこで、急に誠が倒れて・・・急いで人を呼んで、ここに」
「そうか・・・っ!?」
「だめよ、まだ動いちゃ・・」
寝たからもう大丈夫だと思ったら、そうでもなかったらしい。
「・・・はぁ・・・ところで、香奈は大丈夫なのか?怪我とか・・・」
「もちろん、大丈夫よ。誠が助けてくれたから」
「そっか、よかった」
「・・・がと」
「はっ?なんて?」
「助けてくれて、ありがとって言ったの!」
「あっ・・ああ。べつに、いい」
お礼を言われるのはいいが・・・こいつここがどこか分かってないんじゃないか?
運良く、近くにひとはいなかったらしい。それに、ここは一人部屋だった。
「香奈、今日学校は行かなかったのか?」
「うん、先生が一ノ瀬も休めって」
「そっか・・・・」
「それにしても、練習では出せなかったのにあの時、よく召喚できたね」
「あぁ、あの時は無我夢中だったからな」
(そう、あの時はお前を守りたい。その一心で、動いてたから・・・)
「何ニヤニヤしてるの?頭がおかしくなった?」
「いや、香奈が無事でよかったなって思って」
「・・・・えっ?」
(・・・・やっばっ!いきなり何口走ってんだ俺?)
「・・冗談だよ」
笑ってごまかした・・・。(いけるか!?)
「あっ・・あぁ〜、やっぱりね。誠が急にそんなこと言うわけないもんね」
そういう香奈の顔はちょっと悲しそうだった・・・・・。
ここまで、読んでいただいた方々ありがとうございます。これからも、いい話が書けるよう努力していきます。