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第57話:竜二への頼み

更新が遅れてすみませんでした。



「誠、遠足行こっ」


「は?」


この間のブグパツーロ周辺の一個中隊を一人で殲滅したという敵の調査から帰ってきた、翌朝の香奈の第一声がこれだった。こいつは突然何を言い出すんだ?という眼を香奈に向ける。香奈は頬を少し赤く染めながら、


「ほっ・・ほら!最近、何かと忙しかったじゃない?だから、休息的な意味で・・ね?」


最近、忙しかったから休息というのは、まぁまだ分かる。が、なぜ遠足?


「そんなことしなくてもここで休めばいいじゃないか」


はい、この話はこれで終了。そんな感じで香奈に手を振ると、やっぱりか・・みたいな落胆の表情をされた。俺としてはそんな顔されても・・なんだが。香奈は、はぁ・・と一度ため息をして部屋の扉を開けてその向こうに手招きをした。


「?」


そして、部屋に入ってきたのは、やっぱりダメだったの?みたいな顔をしたティアだった。


「次はお前か。誰が来ようと同じだぞ?」


すると、ティアは余裕の笑みを浮かべて俺を見てきた。


「本当にそんなことを言って言いのかなぁ?お兄ちゃん」


ゾクッ。俺の背筋を悪寒が走った。何か嫌な予感がした。ティアは一度香奈を見て、香奈はおもむろに頷いた。そして、ティアは高らかにこう宣言した。


「今こそ、何でも一つだけ言うことを聞いてもらう権利を使います!!」


「っ!?」


やられたっ!最初に思ったのはそれだった。確かにそう言ったが、さっそく使ってくるとは・・・。ティアのことだから、何にしようか迷い続けて決まるのはずっと先だと思っていたのに。香奈のヤツそんなティアをどうやって・・・。いや、そんなことはどうでもいい。俺は行くしかないのだ。自分をそうやって納得させる。


「・・・はぁ、わかった分かった。行きますよ」


「「・・・やったぁ!!!」」


俺の敗北宣言(?)を聴いた瞬間、二人の顔は喜びでいっぱいになった。俺は頭を抱えた。その瞬間、


ドタタタタタ!!


部屋の扉が突然開いて何かがなだれ込んできた。


「いたたた・・・」


「アデルの敗北を見たり」


「きゃっ!・・ご、ごめんなさい!」


雅人、竜二、麻耶の三人だった。香奈とティアがすぐに「何やってるのみんな!食堂で待っててって言ったでしょ!」と注意した。お前ら・・・・グルか・・。


「あなたたちもう少しうまく盗み聞きできませんの?」


そして、最後にアリシアが優雅に入ってきた。アリシア・・・お前もか。どうやら俺と同じ考えを持っているやつは一人もいないようだった。

はぁ・・・・こうして俺は今城から少し離れた所にあるノベルー高原に来ていた。ここは、緑が生い茂っていて、とても空気がきれいで花もきれいなところだった。


「お~い、誠っ、竜二君も早くおいでよぉ~!」


「あ~い、もう少ししたらねぇ~!」


香奈、麻耶、雅人、アリシア、ティアの五人は、仲良く遊んでいた。そんな光景をみて、みんな心から楽しそうでよかったと、思う。そんな中俺と竜二はというと、


「・・・・で、話って何?」


みんなと一緒に駆け出そうとした竜二を俺が「話がある」と、ここに引き止めておいたのだ。俺が口を開こうとしたら、竜二が突然口元に手をやって


「えっ・・・まさか、愛の告白?アデル・・いくらなんでもそれは・・」


「竜二!・・・真剣なことなんだ」


いきなり何を言いだすのかと思ったが今はそんな冗談をいうための話ではない、ということを竜二に目で訴える。すると、やっとこの思いが伝わったのか、竜二は真剣な顔をした。


「悪かったよ・・・それで、話って?」


「最近の敵は強くなって来てる、そして、これからもそうなるのは分かるだろう?」


「うん、分かってる」


「それでいつしか俺が死んだとき、限界のときは命を代償にしてでも・・・・・・・・・香奈たちを向こうの世界に帰す・・!」


「!?・・・本気で言ってるの?」


いろいろと知っているであろう・・・・・・・・・竜二でもこれには驚いたようだ。でも、本題はこれじゃない。


「あぁ・・・それで、お前に頼みがある」


「何・・・?」


「お前には香奈たちの俺に関する記憶・・・・・・・を消して欲しい」


「なっ!?」


そうなったときにはきっと俺には帰すのが限界だろうから。俺はそう付け加えた。竜二はしばらく何かを考えているようだったが、考えがまとまったのか口を開こうとした瞬間


「やっと見つけた・・・・


突如、聞こえた謎の声と同時に竜二の背中から血が飛び散った。

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