第48話:一緒にいる理由
更新が遅れてしまって、大変申し訳ありません。これからも不定期になるかもしれませんが、よろしくお願いします。
「ねぇ、お兄ちゃん!久しぶりに手合わせしようよ!!」
「・・・・・・は?」
ここは、俺の部屋。俺は、家来たちが持ってきた書類に目を通していて、一旦休憩するかとおもったときに、突然ティアが乱入してきて手合わせしろと言い出した。こっちとしては、いきなり何なんだって感じである。俺は、頭を軽く掻きながら理由を尋ねた。すると、
「だってぇ、結構長い間いなかったじゃん。だから、腕が落ちてないか確かめてあげようと思ったの」
「・・・はぁ~・・・あのなぁ・・・・・!」
断ろうと思った矢先にピン!ときた、そうだティアには雅人の相手をさせよう、と。そう思った瞬間ティアの頭を撫でながら、言った。
「ティアには、雅人の相手をして欲しいんだ」
「えぇ~、ティア・・お兄ちゃんがいいなぁ~」
俺の右腕に自分の腕を絡めて上目使いで、見てくるが、そんな攻撃が俺に通用するわけもなかった。
ん~・・・どうすれば納得するんだこいつ?・・ティアの目を見返しながら考える・・・。その間もティアは駄々っ子のように暴れている。
「そうだな・・じゃぁ、こうしよう。雅人を一回でもいいからノアに勝てるぐらいまで、鍛えてくれたらティアのお願いを聞く。これでどうだ?」
すると、ティアは考え込むように目を閉じた後「うっふふ・・・」などと笑い、頷いた。
「わかった!絶対だよ!」
「あっ・・・あぁ、約束だ」
ティアは、来たときと同じように嵐のように去ろうとして、扉の前で足を止めた。そして、ゆっくりこちらを振り返った。
「ねぇ、お兄ちゃん。どうしてあの人たちを強くしようとするの?」
「っ!・・・・それは・・・」
予想外の質問だった。俺はできるだけ平静を保ちながら、答えた。
「あいつらには死んでほしくない。極力俺が守るつもりだが、俺がいなかったときのために、自分の身は自分で守れる力を持っていてほしいんだ」
「だったら「もちろん・・・・」
「あいつらを元の世界に帰せば守ったりする必要がないことも、分かってる。だが、あいつらといると安心するんだ」
「・・・・そっか・・わかった。約束はちゃんと守ってね!」
「あぁ・・」
そして、ティアは去っていった。俺は、ため息を着いて椅子に座りなおして、書類に向き直った。
ーーーー訓練場ーーーー
「それで・・・ティアちゃん?何かな?」
「だからぁ~、今から特訓するの!」
「いや、だから・・・・何で?」
ここは、エルム城から少し離れたところにある訓練場。普段ここでは、ノアやその部下の兵隊たちが訓練を行っているのだが、今日は休みらしい。そんな誰もいないところに呼び出された俺こと、雅人。最初は、告×かと思ったが、そんなわけがなく。いきなり、訓練するといわれ、何がなんだかわからなかった。
「あんたをノアに勝てるぐらいにしないと、お兄ちゃんにお願いを聞いてもらえないの!だから!」
「えぇ~・・・・」
つまり、誠に何かお願いしに言った→俺をノアに勝てるぐらいにまで強くしたらと言われた・・・・と。そして、いつのまにかティアの両手にはクナイのような武器が握られていて、すでに準備万端だった。
取り合えず、無理やり自分を納得させることにして、自らの武器ツインカリバを構える。
「もちろん、本気できてね」
「えっ・・・あぁ、わかった」
それはさすがにやばいんじゃないかと思ったが、最初にあったときのあの只ならぬ殺気を思い出して、逆にこっちがやばいことを思い出した。
「いつでもいいよ♪」
「わかった」
応答と共に、ティアに急接近し、ロングカリバを振り落とす。が、そう簡単にあたるはずもなかった。逆にクナイがこちらの首筋に当てられていた。
「っ!?」
「おしまい?」
声は真横からだった・・・。
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