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第43話:イオタの襲撃

ここクゥーリャンには、魔王軍側の基地がある。今、ここにデビルカウンターのイオタ率いる魔法使い軍が攻めてきていた。双方の戦いの様子は、簡単に言えばイオタ側の一方的な感じだった。いや、もっと簡単な言い方があった、イオタの一方的な虐殺だ。イオタ一人ですでに3分の1がやられていた。今もまたその数は増えていっていた。


「ひゃーひゃっひゃっひゃっ!!!弱い弱い弱い!!弱すぎる!」


「うわぁ!」「ぎゃぁ!」「ぐはぁ!」


「ちっ・・・もっと骨のあるヤツはいねぇのかよ!」


勇敢にもイオタにかかっていった魔王側の兵士を瞬殺してから、イオタは愚痴をこぼした。自分に向かってくるのは、ザコばかり。戦いが三度の飯よりすきなイオタにとってこれは、退屈すぎるのだ。ここで、イオタは一つ思い出した。自分を満足させてくれるだろう相手の名前を・・・・。


「くっくっく・・・そうか、あいつがいたか・・」


そして、今ここに向かっている相手の名前をイオタは高らかに叫んだ。


「早く・・・早く来い!!魔王の息子ガキィィ!!!」


一方、当のアデルたちはクゥーリャンの東(イオタの反対側)に到着して、あたりの光景に激しい怒りを覚えていた。


「これは・・・・・」


「ひどい・・・・・」


「っ!?・・・・」


そこらじゅうに転がっている兵士の死体死体死体・・・。数名敵の兵士の死体もあるがそれでも1割あるかないかだ。アデルは、目が開いたままの死体に近づいてゆっくりとその目を閉じてあげた。


「・・・・よく・・・がんばったな・・」


「アデル様・・・」


心配したノアが声を掛けてきた。アデルは、大丈夫だ、と答えて今も戦闘が行われている西側をにらみつけて、命令を下した。


「残りの兵の援護に向かう。最優先事項は、残りの兵の命だ!」


「はっ!」


全員の返事と共に、アデルは戦場に向かって急いだ。

アデルたちの到着がイオタに伝わった。イオタは、とても嬉しそうな顔をして


「やっと来たか・・・。やろうども、VIPのご到着だ!いつも通り盛大におもてなししてやれぇ!」


「おぉぉぉぉ!!」


「・・・俺も行くか」


跳躍。一気に一番前に出る。いやがった・・・。イオタは、笑う。敵の先頭にアデルの姿が見えたからだ。イオタは自らの武器、プロミランスを構え、一気に加速しながらアデルに突っ込む。


「初めましてだなぁ!アデルさんよぉ!」


「貴様はっ!?」


ガキィィィン!


アデルは瞬時に反応して、イオタのプロミランスを防ぐ。そのまま二人は、にらみ合う格好になった。


「誰だ、お前?」


「俺か?俺は、イオタだ」


「なぜ、ここまで殺した?」


「なぜぇ?そんなん、好きだからに決まってんだろう、がぁ!」


「くっ・・・」


プロミネンスの斬撃を防ぎながら、後ろに下がって一度距離を置く。と同時に、魔弾ブリットを放つ。イオタは、それをプロミネンスを構え真正面から、突き破った。イオタの槍を見てアデルは、気づいた。


「槍に、雷を付与しているのか」


「ほぅ、さすがに気づいたか」


人間で自らの武器に魔法を付与しているやつがいるとはな。向こうが残り何人か知らないが、同じことをやっているやつがいると、考えておくべきだな・・。アデルが、考えている間にイオタは、プロミネンスをおもいっきり横になぎ払った。すると、槍から雷でできた矢が飛び出した。アデルは、右に飛んで回避して、イオタに接近。サイゼットを振るうが、イオタに軽々と受け止められ、逆に反撃をくらう。アデルは、後ろに飛んで何とか回避に成功した。


「くっくっく・・・さすがだなぁ」


「お前もな・・・」


そして、何か合図をしたかのように、二人同時に踏み出した。



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