第41話:信じたくない・・・・
学校のテストなどの事情で更新が遅れました。すみません。
イータの最後を看取った後、俺はイータを抱きかかえてジータの横に寝かせた。その時なってようやく、雅人やノアがやって来た。二人はこの光景を信じられないようだった。
「誠・・これは・・・」
「アデル様、何が・・・」
「この二人はデビルカウンターの一員だった・・・」
「え・・・」
信じられない気持ちは皆一緒だった。でも、二人が敵だったのは事実なのだ。アデルは香奈を探すべくその場を離れる途中にノアに言った。
「ノア、この二人を丁重に埋葬してやれ」
「は・・・・わかりました」
「頼んだ・・」
そして、手始めに香奈の部屋へと向かった。残ったノアは、兵に手早く指示を出し、雅人はただ立っていただけだった。
ーーーー香奈の部屋ーーーー
コンコン・・・
一応、礼儀としてドアをノックするが返事はなかった。アデルは覚悟を決めて、ドアを開くとそこには
「スーー・・・スーー・・・・」
安らかな寝顔で寝ている香奈の姿があった。あの二人が言っていたことはどうやら嘘だったようだ。アデルは、安堵してドアを閉じようとしたら、香奈が起きてしまった。
「ん・・・・誠?どうしたの?」
「っ・・・」
一瞬、本当のことを言おうかと思ったが、誠としての自分が今言うのを止めた。
できるだけそれを悟られないように、微笑を作って、
「いや、なんでもない。起こして悪かった・・・・・。それじゃ、お休み・・」
「うん?お休み」
今アデルの中には、香奈に本当のことを知られなくて安堵している自分と、本当のことを言うべきだったと思う自分がいた。多分、両方とも正しくもあり、そうでもないだろう。
そして、俺にとって複雑な、香奈にとっていつも通りの一日が終わり、次の日はやって来た。
「おはよぉーー」
「おはようございます」
「おはよう・・香奈ちゃん」
「・・・・おはよう」
食堂では、すでに香奈以外朝食を取っていた。今日は少し寝坊をしたようだった。香奈はアデルのいつも以上に暗い雰囲気を感じ取って、それを指摘してきた。
「誠、何かあったの?何かいつもより暗い気がするけど・・」
「何でもない」
「でも・・」
と、ここで昨夜何が起こったのか知っている雅人が助け舟を出してくれた。
「香奈ちゃん、誠はちょっと寝不足なんだよ」
「そうなんだ。もう、ちゃんと寝なさいよね」
「あぁ・・わかってる」
取り合えず助かった。そう思って安堵したそのとき、アデルが今一番言ってほしくなかったことを言った。
「ところで・・ルナとカルヴィナは?」
「!!」
「えっと・・・あの二人はねぇ・・」
雅人が言葉を選びながら話そうとしている。まぁ、いつかは言わないといけないのだ。あの二人を殺した自分が。アデルは、ようやく決心がついて真実を言うことにした。
「雅人、俺が話す・・・いや、話さなければいけないだろう」
「・・・・わかった」
急に変わった雰囲気にいつの間にか静かに食べていた麻耶も、作業をやめてこちらを向いていた。香奈もその雰囲気を察して、アデルが口を開くのを待った。
「香奈・・・あの二人は実は、デビルカウンターだったのだ」
「えっ・・・・・??」
香奈の顔が瞬時に強張る。信じられないのは当たり前だろう、あの二人と一番気があっていたのは香奈だったのだから。
「信じたくないのは、みんな一緒だ・・・しかし、事実だ・・」
「そんな・・・あの二人が・・・」
本当ならこのことは知らないでいて欲しかった。しかし、それではいけない気がしたのだ。そうでなければ、誰が香奈が悲しむのを知っていてこんなことなど言うものか!・・・。アデルは、奥歯をかみ締めた。
「そ・・・・それで・・二人は?・」
「俺が・・殺した・・」
「っ!・・そんな・・・」
香奈は泣きながら外へと飛び出していった。残った皆は声をかけることも追うこともできなかった。
が、間発いれずに麻耶が香奈の後を追っていった。
「私・・・行ってきます!」
アデルの元に雅人がやってきて、
「誠は追わなくて良いの?」
「今は・・時間がいると思うんだ・・・」
雅人は何か言いたげだったが、納得したのか、
「・・・ふぅ・・・そうだね」
二人は香奈と麻耶が出て行ったほうをずっと見ているだけだった。
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