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第38話:美しい突然の来訪者

香奈が戻ってきてから数日たった。今日まで、香奈の体には異常はなかった。もう、大丈夫だろうとの答えが出た。いきなりだが、今俺が何をしているかというと・・・・・・散歩だ。何もすることがないので、適当に城内を歩き回っていた。途中、何人か知り合いにあったが、することは見つからなかった。


「いいじゃない、べつにぃー!」


「だめですよ、いきなりぃ」


しばらく、歩いて城門近くに来たときだった。門のところで門兵と二人の女性たちが口論をしていた。何んか面白そうだったので、行って見ることにした。


「どうした?」


「これは、アデル様。実は」


と、ここで門兵が俺に気づいて敬礼する。二人の女性は、近くで見るととても美人だった。顔が似ているから姉妹だろうか?片方の女性が門兵は、役に立たないと踏んだのだろう、今度は俺に話しかけてきた。


「あなたがアデル様ですか?」


「あぁ、そうだが。お前たちは?」


「私たちは、行商人の娘なんです」


「それで、なぜここに来たんだ?」


行商人の娘なら他のやつらはどうしたんだ?普通、ここには用はないだろう。


「実は」


この娘が言うには、人間との境界線あたりの道を移動していたら、途中で何者かに襲われたそうだ。そして、二人は命からがら逃げてきたらしい。ここで、おかしいのは途中の都市ではなく、エルムここに来たのか、ということ。なぜ、二人だけが生き残ったのか、だ。


「私たちは、そのとき二人だけで近くの川で遊んでたんです・・・・。それで、帰ったらもう・・・・」


「おねぇちゃん・・・・・」


「それで、何でここに来たんだ?途中に都市はあっただろう?」


襲われた時、川で遊んでたっていううのは、わかったが、ここに来ることはないはずだ。これは、当然の疑問である。


「私たち、二人ともどうしようもない方向音痴だから、近くにあった川にそって歩いてきたらこの町の近くに着いちゃったの」


ぐぅぅー


ここで、お二方のお腹が悲鳴を上げた。俺はとりあえず、城に入れてご飯を食べさせることにした。そして、見てしまった。どんどん積み上げられていく、皿・皿・皿の山たちを。開いた口が塞がらなかった。


「・・・・・ぷはー、生き返ったぁーー」


「そうだね」


「ま・・・満足したか?」


「うん、ありがとう」


「よし、ならさようなら」


「「えぇぇぇぇーーーー!!!」」


「何だ?まだ、何かあんのか?」


「とまるところがない・・・・・」


「そうか、大変だな」


内心、それがどうしたぁーーーーーー!!!!なのだが、決して言えない。


「ひどい・・・・シクシク」


「おねぇちゃん・・・・シクシク」


「くっ!?・・・・・・」


こいつらぁ・・・・・。と、ここで一番聞いちゃいけない声がした。


「泊めてあげなさいよ、誠」


「っ!?」


「こんなきれいな人たちを路頭に迷わすつもり?」


なかなか、香奈には逆らえない・・・・。と、ここでいけないコンボが起きた。


「あーーーん!」


姉妹が速攻で香奈の後ろに行き、涙目で訴えてきた。俺は、反論しようとした。


「しかし」


「しかし・・・・何?」


中央にギラギラした目。そして、左右に涙目。俺は勝てなかった。


「・・・・・わかったよ」


「よし、よかったね。二人とも」


「「はい、ありがとうございますぅ」」


「・・・ところで、名前は?」


そうだった、肝心の名前をまだ聞いていなかった。


「そうだった。・・・・コホン、私はルナ・マスティ」


「私は妹のカルビィナ・マスティです」


と、ここで二人は深呼吸して、同時に叫んだ。


「「二人そろって、美人姉妹!!!」」


今度こそ、口が塞がらなかった。今度は、プラス香奈だが・・・・・。

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