表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
30/67

第29話:墓参り

翌朝、起きると香奈、他二名は、食堂に呼ばれた。そこには、すでに誠がおり、食事もほとんど終わっていた。誠は、香奈たちに気づいて、声をかけた。


「起きたか」


「早いのね、誠」


「ふぁ〜・・・誠、おはよぉ〜」


「おはようございます」


雅人は、少々寝ぼけているようだ。すかさず香奈が、「もう!しっかりしなさいよ」と頭を叩いた。


「雅人、今日の訓練はノアにしてもらえ」


「誠は?」


「俺は、用事がある。香奈たちはどうする?」


「ん〜・・・・誠の用事ってなんなの?」


「・・・・母さんの墓参りだ」


「そう・・・なんだ」


聞いちゃいけなかったかな・・・。香奈は少し後悔した。しかし、誠は大して気にした様子もなく


「あぁ。それでどうする?」


「・・・・付いて行っちゃだめかな?」


「・・・・べつにかまわん」


「ありがとう・・・・麻耶ちゃんはどうする?」


「わ・・・・私も一緒に行きます」


「なら、朝食のあとに行こう」


ーーーー移動中ーーーー


「ねぇ?誠のお母さんってどんな人だったの?」


「・・・・やさしい人だった。いつも俺たち兄弟に優しくしてくれたよ」


アデルの母、ロザリア・エルム(通称・ロザリー)は、誰にでも優しく、皆に好かれていた。だから、ロザリーを失った、国民の悲しみは計り知れないものだった。


「そう・なんだ」


「着いたぞ」


ーーーーロザリーの墓の前ーーーー


お墓に着いた三人はまず、手を合わせた。誠は、帰国や向こうでのことの軽い報告。香奈と麻耶は、自己紹介を無言で行った。


「写真みたいなのはないの?」


「写真はないが」


そういいながら、誠は手のひらを上に向けて二人に突き出した。すると、手のひらの上に立体映像の感じで、ロザリーが現れた。


「きれいな人・・・・」


「とても優しそうな感じです・・・・」


二人は、ロザリーの姿を見て第一印象を口にした。誠は、軽く微笑んでいるだけだった。

ロザリーの姿を消して、三人は帰路についた。

そのころ、城では雅人がノアから訓練を受けていた。


ーーーーエルム城ーーーー


ノアの武器は、サーベルだった。ノアと雅人はお互いの武器を構え、対峙している。ノアが一番最初の誠との訓練もように、試しに戦闘をやってみましょうと言ったからである。と、ここで雅人が先に仕掛けた。


「行きます!」


ロングカリバを一閃、ノアはそれを軽く受け流して、鋭い突きを放った。間一髪、雅人は避けることができたが、服が少し切れてしまった。


「ちっ」


「まだすこし甘いですね。次はこちらから行きます」


軽い評価と共に、ノアが突進してきた。雅人は、右に軽く飛んで避け、そのまま反撃しようとしたが・・・


「っ!?」


ノアがサーベルを切り返し、横向きに薙ぎ払ってきた。カキィィィィン!左手のショートカリバで、受け止めたが勢いは殺しきれず、数メートル飛んで着地。


「受け止めましたか」


「はぁ・・はぁ・・・誠との特訓のおかげですよ」


「なら、これはどうですか?」


また、あの突進。雅人は、さっきのように横にくるのかと思ったが、違った。雅人の前に来ると、サーベルを軽く引いて


「アバタリアアタック」


ノアの攻撃を一言で言うなら、北斗百列拳(?)といったところだ。無数の残像をともなった攻撃。雅人の全身を切り刻んだ。まぁ、訓練だから全て大した怪我ではない。これも相手がノアだったからだ。雅人は、さっきよりも吹っ飛んだ。


「くっ・・・・」


「今日はこれくらいにしましょう。あまりやりすぎるとアデル様に怒られます」


雅人は立ち上がって、ノアに一礼した。


「はい、ありがとうございました」


この後雅人は、ノアの指揮する第一部隊の訓練を見学した。内容は、雅人の予想以上だった。

よかったら、感想をお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ