第24話:最終試験
オーロラから出てきたのは、牛魔王のような大きな召喚獣だった。そいつが地面に降り立った瞬間、地面に深さが2mぐらいのクレーターができた。
ブオォォォォ!!
「カタロンか・・・ちょうどいいぐらいだな」
どうやら、この召喚獣はカタロンというらしい。カタロンは、高らかに吼えた後、雅人に向かって体当たりをかました。
「ごふぉっ!」
(なぜ・・・いきなり俺に・・・はっ!?まさか)
そうカタロンが、雅人に向かってきたのは、雅人が赤い服を着ていたからだ。
「ごふ・・・そういうことか」
「まぁ、がんばれ」
カタロンは、また体当たりを仕掛けようと体を低く構えた。そして、突進。しかし、今度は避けることができた。
(こういうのは、直線的だから、急な方向転換はできないはず)
雅人は、ツインカリバを構え、カタロンと対峙した。しっかり深呼吸して、相手に集中する。
「行くぞ!」
ブオォ!
同時に動いた。カタロンは例の突進だ、それを、雅人は直前でジャンプして空中で前転しながら、カタロンの背中を切りつけた。
ブオォォォ!!
カタロンは、切られたことに驚いたのか見事なまでに盛大にこけた。そして、そのまま校舎の壁を破壊した。砂埃で、カタロンの姿が見えない。雅人は、ツインカリバを構え直した。
そして、雅人の予想外の出来事が起こった。
ブンブン!
砂埃の中から、二つの巨大な斧がブーメランのように飛んできたのだ。
「なっ!?」
ガキィィィン!
防御はできたが、ツインカリバが吹き飛ばされてしまった。飛ばされた瞬間、雅人は本能的に横に飛んだ。そして、それは正解だった。あのままだったら、砂埃の中からでてきたカタロンの攻撃が直撃していた。
「あっぶねぇ!」
そのまま、もうダッシュで走り、飛ばされたロングカリバを拾った。カタロンもすでに自らの斧を構えていた。そして、斧を持ったまま突進。しかし、
「あまいんだよ!」
雅人は、しゃがむと突進してきたカタロンの左腕を切り落とした。
ブオオオォォォォ!!!!
そして、またもうダッシュ。ショートカリバを拾うことに成功。
「次はこっちの番だ!」
雅人の急接近、カタロンは振り返った直後で反応が遅れた。
「疾風っ!三・連・撃!」
体を切り裂く。
「続けて!ミネインスラッシュ!」
カタロンの角を片方切り落とす。カタロンも負けじと、斧を振り回す。しかし、雅人には当たらない。逆に、隙を作っただけだった。
「これで、とどめだ!ツインドライヴ!」
ツインカリバが炎に包まれた。そして、それでカタロンを乱れ切り。
ブオォォォ!
カタロンは断末魔の悲鳴をあげ、消えた。
パチパチ!
突然、拍手が聞こえ、音のほうをみるとノアが拍手をしていた。
「さすが、アデル様のご友人です。この短期間によくここまで、力をつける事ができましたね」
「いえ・・・誠のお陰です」
「まぁ、これだけできれば十分だろう」
「じゃぁ?」
「本当は余裕を持って倒せなくちゃいけないが、よくやった。合格だ」
「や・・・やったぁぁ!」
誠からの合格をもらい、雅人はその場で、大きくガッツポーズしながらジャンプした。それを、誠とノアは苦笑まじりの表情で見つめていた。