第23話:模擬戦
特訓を始めてから、早くも一週間近くたった。その間、雅人はいろいろな技を覚え、身体能力も始めと比べるて、格段にアップした。
「はぁ・・・はぁ・・・・はぁ」
「雅人も結構やるようになったな」
「ありがとう、誠のお陰だよ」
「礼なんて、全て終わってからにしろよ」
「わかったよ・・・・ふぅ」
「・・・・少し休憩した後に、最終試験として、力を抑えた俺と戦ってもらう。それまで、休んどけよ」
「わかった」
(とうとう誠とかぁ・・・力を抑えるとはいえ、その状態をなめてかからないほうがいいな)
こんなことを雅人は考えていた。確かにそうだろう、誠は魔王の息子である。それに、誠のほうがたくさんの場数を踏んでいるからだ。
休憩終了。
「では、始めるか」
「うん」
「サイゼット」「ツインカリバ」
二人は、同時に自らの武器を出し、構えた。雅人の様子を見て、誠は少し関心していた。
(隙がすくなくなったな。まぁ、これが、実戦でも続けばいいが・・・)
そう、雅人の隙は特訓のお陰で、ほとんどなくなっていたのだ。それもそのはず、雅人は今までの特訓から、しっかり学んでいるのだ。隙を見せれば、どうなるかを・・・。
「行くぞ」
「うん」
二人同時に、お互いに急接近。最初に仕掛けたのは、雅人だ。右手のロングカリバを一閃、しかし、誠はそれを鎌の柄で受け流し、刃のついてないほうで反撃した。雅人は、いったん後ろに飛び、距離を置いた。
「やるな」
「まだまだだよ」
そして、また接近。激しい切りあい。お互いが、相手の攻撃を受け流し、受け止め、反撃。それの繰り返しだったが、雅人が技を仕掛けた。
「疾風!三連撃!」
「あまい!」
雅人が一番最初に、教えてもらった技。しかし、これで勝てるとは思ってなかった。直前で、技を変えたのだ。
「スラッシュタイフーン!」
「なに!?」
誠は、直前で変えるとは、思っていなかったのだが、長年の経験から直撃は避けることができた。それでも、少し飛ばされてしまった。
「やるようになったな」
「当然!」
「だが、まだ甘い!」
誠は叫ぶと、向かってきた雅人をサイゼットで吹き飛ばし、続けざまにウィンブリット(風の魔弾)を放った。雅人は、腹部に直撃し、勢いよく吹き飛ばされた。
「ぐふ!・・・・・くっそぉ、まだ」
「チェックメイト」
雅人は、起き上がろうとしたが、そこにはすでに誠がサイゼットを構えていた。
「あぁ〜・・負けたぁ〜」
「まぁ、確実に腕は上がってきてるな。後はアクセルでやればいいだろう」
「わかった」
「・・・・ノア、そこにいるのだろう?」
「はい」
「現状は?」
「刻々とせまっています」
(・・・時間がなくなってきたな)
二人の会話を聞いていた雅人が突然、叫んだ。
「誠!空!」
「なんだ?」
言われて見上げるとそこには例のオーロラがあった。
「来る・・・か。雅人」
「な・・なに?」
「出てくる、召喚獣をお前が倒せ」
「えっ?・・・・」
「これが本当の最終試験だ」