表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
21/67

第20話:覚醒

「サイゼット(鎌)・・・・・」


シャキンッ!


突然、動き出したアデルは、自らの武器を出して、針とマグロを切り離した。そして、刺さっていた針を抜くと、驚くことにすべての傷口が消えていったのである。


「「・・・・・・!」」 「嘘・・・・」


二体の召喚獣と香奈は、唖然とした。目の前で起こっていることは、現実なのか・・・と。確かに、いくらなんでも速すぎる回復だ。地面に降り立った、アデルはいつの間にか背中に羽を生やしていた。


「くくくく・・・・あの程度で俺が殺せるとでも?」


そう呟いた瞬間、アデルから突風が巻き起こった。この瞬間から、戦いの主導権はアデルに渡った気がした。そして、アデルが一歩踏み出した。その時にはもう、マグロの後ろにいた。


「サンチェスごときが・・・・・・」


驚いて、後ろを向くがその時にはもう、真っ二つになっていた。サンチェス(マグロ)から飛び出る血を見ていたアデルの顔には、笑みがあった。その通り、アデルは楽しかった。久しぶりのこの光景が・・・・・。


「はははははははっ!!・・・・・次は、お前だ」


鋭い眼光を向けられた、亀の体を恐怖が迸った。その瞬間、亀は逃げようと振り返った。しかし、その先にはすでにアデルがいた。


「おいおい、さっきまでの威勢はどこにいったんだ?」


亀は逃げれないと、判断したのか、今度は例の回転で突っ込んできた。でもやはり、アデルには通用しなかった。アデルは、その攻撃を片手で止めていたのだった。


「他に技はないのかよ、え?」


「ガアァァ!」


亀が突然吼えたかと思うと、背中のトゲが触手のように伸びてきてアデルの全身を串刺しにした。


「まことぉぉぉぉ!」


亀も勝ったと思ったのだろう。しかし、それは違った。串刺しにされたアデルは、ただの残像にしかすぎなかったのだ。そして、当の本人は空高く飛んび上がっていた。


「やはりその程度か・・・・死ね」


亀はやられる前に、攻撃しようとトゲを空に向けて伸ばしたが、あっさり避けられた。そして、逆に先ほどまですべての攻撃を防いでいた甲羅ごと、切られた。


「ふふふ・・はははは!」


あっさり勝利したアデルは、高笑いを始めた。その姿を、近くのビルの屋上から見ている人影がある。その人影の隣には、大きな熊の召喚獣がいた。


「さっきから、ガン見しやがって、早く消えないとてめぇらも殺すぞ?」


アデルは、気づいていたのだった。そして、アデルの声が聞こえたのか、気づかれていたことに驚いたのか、人影と召喚獣は消えた。


「・・・・・ふん」


「ま・・・こと?」


「ん?・・・・あぁ、この世界の人間か。さっき俺が言ったはずだぞ?俺は、この世界の人間ではなくて、魔王の息子だと」


「ま・・・さか、本当に?」


「今のを見ても、信じられないのか?」


「あなたは誠じゃないのね?」


「あぁ、俺は魔王の息子、アデル・エルムだ」


「じゃ・・じゃぁ、誠は?」


「ここにいる。誠は俺で、俺は誠だ」


そういい残して、アデルは転移魔法で消えた・・・・。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ