第18話:決心
悩みを打ち明け終えた後に、ノアは一言誠に言った。
「私が言えることは、一つだけです」
「なんだ?」
「どうすればいいかじゃありません、これはあなたのことなのだから、あなたがどうしたいかです」
「俺が・・・・どうしたいか・・・か」
「えぇ、私はアデル様の答えを尊重しますよ」
「分かったよ・・・・・今日は悪かったな、自由を邪魔して」
「いえいえ、暇ですから」
そして、二人は別れた。誠はすぐに、香奈に連絡をして公園で待ち合わせをすることにした。
香奈は誠のさっきとは違う様子を少し怪しく思ったようだが、待ち合わせに応じてくれた。
ーーーー公園ーーーー
「あ!ごめん、待った?」
「いや、俺も今きたとこだ」
「えと・・・・話って何かな?」
そう聞く香奈は、何かを期待しているような感じの声色だった。だが、その期待が裏切られることは、香奈には分かるはずもなかった。
「今から、言うことを信じてほしいと思ってる」
「う・・うん」
「俺は・・・・この世界の人間じゃない」
「えっ・・・・・」
「こことは、別にもう一つ世界がある。俺はそこから来たんだ」
「嘘・・よね?」
さすがにいきなりこんなことを言われれば、誰だって唖然とするだろう。香奈は、何かの冗談だと信じた。誠の話が本当なら、小さいころの記憶は、なんなのかと。だが、誠は静かに首を横に振った。
「嘘じゃない。それに向こうでは、アニメとかみたいに本物の魔王がいるんだ。そして、俺は・・・・その息子だ」
「嘘!だったら、小さいころの記憶はなんなのよ!?」
「それは・・・・・多分、魔法で記憶を改ざんして・・・」
「そっ」「でもな」
「俺がきてからの記憶に嘘はない」
「今、向こうの世界とこっちの世界に危険がせまっているんだ。だから・・・!?」
そこで、誠は気づいた。空にまたあのオーロラが現れているのを・・・・・。そして、そこから今度は二体の召喚獣が出てくるのを。
「なん・・なの・・・・あれ?」
「さっき言った危険っていうのは、このことなんだ。今、二つの世界はある人物のせいで一つになろうとしている」
「・・・・一つになったらどうなるの?」
「どちらかが消えるか、両方が消えるかさ」
「そんな・・・・・」
「だから、俺はそれを止めるために向こうに帰らなくちゃいけないんだ」
そういっている間に、二体の召喚獣はもう目の前にいた。二体は、トゲトゲの甲羅を持った亀みたいなやつと、何でも貫きそうな針を持ったハリマグロ(?)だった。
「香奈は、どっかに隠れてろ」
「えっ?誠は、どうするの?」
「俺はこいつらを潰す・・・・・・・時雨!」
そして、誠は二体の召喚獣に突っ込んでいった。
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