道具屋アザーデイ①
「あのーーーーすみませんーー誰かいますかーー?」
「道具屋アザーデイ」にタントが来ていた。
この間のニーチュダンジョンで道具も武器も壊れてしまったのでどうせ買い換えるならと
謎男からもらったカードを頼りにここまでやってきたのだ。
「すみませーーーーん。お客さんでーーーーす。」
誰も出ない。店頭の入り口が開いていたので数歩なかに入る。
「おいおい、誰もいねーんじゃん。どっかいってんのか?鍵あけて?物騒だな?・・・てかこのカード本当にここでいいのか?」
そういってカードを眺める。カードを触るとここが到着地点なのか光の粉がカードから舞い上がった。
どうやらここらしい。
地図などこのカードには記されていないが、カードに触れていると不思議と場所が頭の中に浮かび上がってくるようだった。そして辿り着いたのがここだ!
外見普通の道具屋だが。大通りの路地に入ったすぐの、右の角に店があったので中々見つからないと思う。事実大通りを行きかう人達の目線は全くこの路地には注がれていない。
・・・・・
「すみませーーーーーん・・・・・・・・・あれ。。本当に留守なのかな・・・・?」
中にはたくさんの武器や防具は勿論、魔法小具と思えるものや何かよくわからないものまで陳列されている。見たことないものばかりだ。
タントはすぐそばにある机の商品に目がとまった。
「おいおい!!すっげーーーな。5000000000・・・・フロッグもするんじゃん。ってかなんだこれ魔法か?0が更に奥まで連なってるぞ・・一体いくらするんだ?・・・・でもこれっ何に使うんだ?」左右から品物に触れないように見る。「エンドオブ光堕」と書かれている。だが結局武器なのか道具なのか見てもよくわからなかった
「こんな高級品ポンっとおいといていいのかね?それとも高級じゃないのか?お笑い用かね?ハハッ」
人の気配がまるでしない。タントの声だけがやけに響く。
「すみませーーーーん。ああーーーやっぱいないな出直すか」
そう言って振向いた時だった。
後ろに小柄な少女がいた。
「うっぉっ!!!」
タントが飛び上がる。久しぶりに心臓が止まった。
気配をまるで感じんかった・・・。
こいつ人間だよな?大丈夫だよな?試練とかやめてくれよ?
「あのーーーこのカードみせればわかるっていったのですけど」
何かされてはまずい。すぐにタントはカードをみせる。
少女は黙ってカードを手に取り読む
よく空港とか、デパートとかにいる案内係の人みたいな格好している。
小さな帽子を被った少女はインフォメーションセンターに座っていても何ら遜色ないだろう。
間違っても道具屋とか武器やの格好ではない!!
この人従業員か何かか?一応店長にカードはみせるようにいわれているからな・・・
「あの・・・店長さんに会いた・・・・・・・・」
フッと少女の胸あたりに光る銀色が目に入った。
よくみると名札がつけられている。
店長「タンラ=アッザ=セコン=コナ」
その下に「略して「アッザセ」と呼んでください♡」と可愛らしい文字でかかれている。
「・・・・・」
そうかこの人が店長だったのか
「それで・・短剣とか欲しいなって思ってるんですけど・・・・・ね?」
「・・・・・・」
少女は無言でこっちを見つめている
「ついでに防具も欲しい・・・・な・・・・なんて思っちゃたりして・・・ね?」
調子もののタントも気を遣いながら話す
「・・・・・・」
少女は無表情で尚も無言でこっちを見つめている
「・・・・・・・」
タントもしばらく少女を見つめる
どうしたらいいんだ?
何か失礼でもしたか・・・?
ちょっとこの雰囲気耐えられんのだが・・・
「・・・・・・・」
「・・・・・・えっとーー武器が・・・」
しばらく二人で見つめ合う
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・」
「・・・こっち・・・・」
はーーーーーーーーーーーーーーーーー。と息をはいた。なんだこの緊張感と沈黙は
大きな棚の2つ目を右曲がったところで椅子を持ってきた。
「・・・ここに・・・・座ればいいのかな?」
よいしょっとタントが座る。
その間に机やらポットやらティーカップやらが並べられる。
トポトポっ
「あ・・・すみません。ありがとっす・・・」
お茶が注がれる。
少女はまだパタパタと世話しなく動きまわっている。
丁度今山盛りのお菓子をもってきてくれたところだ。
「・・・あ・・いや。・・・何か本当にすみません・・ありがとう・・・」
そっとケーキを切り分けてそばまでだしてくれる
更に追加で他のジュースのような飲み物も数種類もってきてくれる
「・・・楽にして・・・」
もしかして本当は凄くいい子なのではないだろうか?
無表情と謎の威圧オーラがあるからあんまりわからんけど
大量にジュースやら飲み物があるのにまだ他の飲み物を催促をしてくる
「・・・・いや、本当に・・・・もうこれ以上は大丈夫です。・・・はい・。」
「・・・どんなの・・・」
「・・・え。好み飲み物っすか?」
「・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・」
「・・・武器・・・・」
ボソッとアッザセがつぶやく
やっと武器の話になった。
「えーーーと俺盗賊系の初号持ちなんスけど・・・それにあったのがいかなーーーて。短剣かな?参考になるかな?今まで使ってたのがこんなんすけど・・・・」
いつもの短剣はニーチュダンジョンのボス?に跡形もなく消失させられてしまったので。
幼い頃使っていた短剣をもってきていたのだ。
少女が真剣に見る
「・・・・・・」
「・・・大分昔に使っていたやつなんですけど・・・形はそんな感じがいいかなあ。手に馴染むっていうかさ・・・」
「・・・・・・」
「勿論おすすめがあったら全然そっちでもいいんですけどど・・・・・・ね?」
「・・・・・・・」
「・・・・・・・」
「・・・・・・ズズ」
タントがお茶を飲む音が聞こえる。
「・・・そのお茶・・・「鍛錬」の茶葉・・・・栄養満点・・ここで少し強くなれる・・・」
「へーーー「タンレ」ちゅう茶葉すか美味しいっすね・・・いや。マジで旨いな・」
説明によると2時間後くらいに効いてくるらしいが
なんか疲労がとれたような?力も沸いてくるような・・・気のせいか?
これが2時間経過したらどうなるんだ・・・・
「・・・こっち・・・」
少女が立ち上がり左に曲がると丸い惑星が3つ描かれた通路へと案内する。
タントも従う。
思ったより広いな・・いや。いつになったらつくんだ?
いやっやっぱ広すぎだって。左右の棚の奥もかすんでみえるし。
暗いだけかと目をこすり、手を円にして中から除く。「・・プリファット」小さな声で唱える。
スキルの暗闇防止を使いっても先がみえない。
「・・・マジカ・・・・」
結構歩いたぞ。
不意にアッザレが棚を左に曲がる
タントも曲がる。
ササッとアッザレが机やらお茶やらを再度準備しているのがみえる
「・・いや・・大丈夫なんで・・・・そんな気を遣わなくても・・・」
準備を終え。タントを椅子に座らせると
ピョンピョンアッザレがジャンプして
上段の棚の宝箱のようなものをつかみ、中から小さな箱をとりだし持ってきた。
タントの目の前で箱を開け短剣をを見せる。
「握ってもいいんすか?」
コクリと可愛らしくうなずく
手に取った。自分の手から金色のオーラが溢れ出す。
「なんだこれ・・・すげーーー体が軽い。えっマジで何これ。絶対ステータス軒並みUPしてるって・・・・は?・・・マジで?!・・・」今ならなんでも倒せる気がする。
本当にヤベーーーーな
「・・・・模様もイカしてるし・・・裏側も精巧っすね」
くるっと短剣を裏返すと手元付近に小さな値札が見えた。「1200フロッグ」と書かれている。
あまりの高額にゴホゴホっとお茶をむせてしまった。
「・・・よくない・・・」
だがタントが断る前にアッザレが武器を取り上げしまう。
「こっち・・・」
またアッザレが別の場所に案内する
なんだったんだ今の代物は。そういやあの謎男の紹介だったからな。
うーーん値段が安かったら今のほしかったな。
アッザレが角を曲がりおもてなしグッズの準備が整うと再度箱をもってきた
「・・これ・・・」
禍々しい短剣だ。だが恐るべきほど精巧でタントは今までにこれほど美しい短剣をみたことがなかった。
チラッ値札を見る「2400フロッグ」とかかれている。
冷や汗がでる。
「いやーーーーちょっと俺の懐が寂しいといいますか・・・・できればもうちょっと安いのがいいなーーなんて・・・ハハ」
アッザレは動かない
「・・・これ・・・・」
「あーーーこれですねわかりました。」
王からの授かりもののようにういういしく両手で短剣をとりあげる。
持った瞬間わかった。さっきの短剣など比べものにならないほど性能がいいことが
「・・・・・やべえ・・・」
もはやそれしかでてこなかった。
一生掛かってもこの短剣を手に入れたい!そんな欲求にかられる。
が、アッザレはすぐに短剣をとりあげるとどこかへ行ってしまった。
「すっげーーーな」
一人になったタントは椅子に寄りかかってジュースを飲みくつろぐ。
ズズっ
「何でもあるじゃねーのかこの店?」
「このジュースやけにうめーな・・・ズズッとまらん。」
「・・・・それ・・「秘善暁のジュース」・・・ここで襲われなくなる・・・」
「へーーー「ヒゼア」ちゅう飲み物なんすか・・・いやマジでうまいな・・」
・・・え。襲われなくなるって言った?。。。
・・・・何から?
こんな王都の真ん中にモンスターでもいるのか?
ガタガタッ奥の方の窓で誰かが叩いたように激しく動く。
・・・・えっ
反対の後ろでアッザセが何か持ってきた。
さっきの音は何だったんだ。店長さんじゃないだろうし
「・・ここに・・・・手のせて・・・
何やらまるい水晶が列になってならんでいる
「のせればいいんすか?・・」
こくり
タントが手を乗せたのを見ると一緒にアッザセも上から手を乗せる。
すると珍しくアッザセがはっきりと驚くほど強い声で叫ぶ
「・・・名器!」
その瞬間周りの風景は消えタントの過去の風景が周りに埋め尽くされる。
まるで人生を時間軸を列でみているような・・・そんな感じだ。
少年の頃に自分が見える。あーー結構可愛かったんだなーーー
しばらくしてあの棚の空間に戻ってきた。
気がつけば何やら手に一振りの短剣が握られていた。
さっきの水晶はもうない。
「ユドベの短剣・・・いい短剣に好かれたね・・・」
アッザゼがニコリと笑う。
なぜだろう。はじめからこれを買いに来たきがしてならない。
「・・あなたにあわせてこの子も成長するから・・はじめは使いにくいかもしれないけど・・・私もおすすめ・・・絶対いい」
「・・ちなみに・・・その子・・・結構強いよ・・・でもあなたが鍛錬しないとだめ・・・それに大事にしないともっとだめ!!・・・」
アッザゼが凄い怖い顔をしている。
ごくりと唾を飲む
「俺こいつにしていっすか?・・お金は一生かけても払うんで・・払えるかな?・・・とにかく頑張るんで・・少しでもこいつと一緒にいたいんです・・」
値札は書いてないが絶対に高価格だ。
「・・・防具・・・どんなの・・・・」
「え・・・この短剣は?」
「・・防具・・どんなの?」
短剣はどうなったのだろうか?防具は盗賊なんで動きやすいのがいいなどと色々説明する
「うーーーん。・・・・あなたの女に対する口説き文句が・・クサイ・・それに調子こいて服たまに破く・・・女性は一人っぽいからまだ許せるけど・・・・防具は適当かな・・・・」
「・・・・このへんかな・・」
そういっって上級のような盗賊衣装をだしてくれた。
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英語解説コーナー
英語は次の話の②の下にまとめて掲載してまーす