ダンジョンの主
重い扉をタントが開ける。
ギギっと扉が開く音がする。
ボッ
ボッ
ボッツ
200mくらい遠くまでまるで道のように両端に青い火の玉が浮かびあがる。
まだ先があるらしく遠くがかすんでみえない。
キィーーーーーバタン
背後で扉が勝手にしまった。
「へーーー良い趣味してんじゃないの?」
警戒しながらタントが先に進む
「罠系統は今のところないみたいだよーーと、モンスターの感知もない。ダメダ俺の望遠スキル発動しても先になにがあるかわからん。。」
ヒュンッ
先に進むにつれて背後の二人の火の玉は消える
後ろには真っ暗な暗闇が広がる。
やがて火の玉が終着となった。
「何もないぜ?」
「注意しろタント何がおきるかわからん!」
不意にあたりが明るくなった。
遺跡のような場所が青白くともされる。
そこの上空に何かいた。
「こいつは・・・モンスターなのか?」
遙かに大きいな歯車みたいなのがいる。
様々な方向にギアがかみ合っているのがわかる。
タントの呼びかけに反応するようにゆっくりと目を冷ましたようだ。
周りに不思議な色のオーラがあふれ出す。
「来るぞ!!!!」
「・・・我はノーカバックアラウンド・・・・」
わかる以前Sランク級のモンスターの討伐に参加したことがあるが・・・そんなもんじゃない
こいつはその感じを遙かに超える力をもっている。
ケアから冷や汗が出る
生物の本能として対峙してはいけない。
「ダメダこいつには勝てない。Sランク以上のモンスターだ。撤退するぞ。」
隣を見るとタントも血の気の冷めた顔をしている。
「了解。」
じりじりと目を逸ららさないようにしながら後ろに下がる
ガサっタントが何かを踏んづけた。
青々と茂った雑草だ。
馬鹿な草だと。あたりはいつの間にか遺跡ではなく森のような場所となっていた。
そして、すぐに風景は変わり別の草原のようなところへと瞬時に風景が変わる。
「・・・・なぜ我が土地を・・・・汚した?」
悲しげな声だった。
「なんのことだ?」
もしかして開発のことか?本当に祠か何かあったのか?そこを開発されて怒っているのか?
返答に残念そうにうつむくと様々な画面が出てくるフッと
この国の歴史だろうか?
そうかこいつはずっとこの土地を見守ってきたんだな。
「すまなかった。俺はこの土地のものではない!だがあんたの気持ちはよくわかった。
すまなかった。代わりに俺が謝罪する。どうか許してやってくれ。」
「何をやってる。タントッ」
お辞儀してるすぐに目の前に古代の大剣が迫っていることに気がつく
ケアが防いでくれたのか。すぐに加勢に加わる。
タントはポケットから小さな実を出し「プリファット」と唱え短剣で斬りかかる。
タントの強化魔法だ。ポケットから出した実はすぐに短剣に吸収される。
これははじめに触ったものの力を短剣に付与するタントの得意技だ。
今触ったのは力の実。このエネルギーが短剣に付与されると通常は岩も真っ二つにするのだが・・・
・・・びくともしない。傷どころかまったく動かんだと?
「ブロウアウト」すぐに魔法剣でケアが幾多もの強化魔法を発動させる。
魔法剣から一旦眩い炎が見えるとすぐに消える。
見かけは何も発動していないようだが。
炎のエネルギーは剣内部に吸収されもの凄い力を発揮する
この剣の一振りで地面に風穴があく。
二人がかりでも動かんととはな・・・
その瞬間に不思議な魔方陣が横の空中に描かれる
これはヤバい。タントはすぐさま。回避アイテムの実を取り出し呪文を唱える
「プリファット」防御結界を張った瞬間だった。
恐ろしいエネルギーの塊が二人をわずかにそれて飛んでいった。
それでも結界が粉々になってるのがわかる。
「タント助かった」
「何か初めから変な方向狙ってたな。あいつまだ本調子じゃないのか?」
だんだんと力が強くなってくるのがわかる。
徐々におされる。
時間がたてば立つほど力が強くなっているようだ。
クソこっちはすでに全力だぞ!その瞬間に二つ目の大剣がタントを襲うのがケアの視界に写った。
タントも躱すが躱し切れてない!
ケアは素早く今押されている剣をはじき返した後タントを抱えて飛ぶ。だが大剣はケアを直撃した。
「ケア!!!くそっったれめ」
煙玉のようなものを投げ相手を攪乱する。
タントは素早くケアを抱え距離をとる
「大丈夫か?」
ケアの鎧や剣がかなり曲がっている。
かなりダメージを受けているだろう。
「ああ、大丈夫だ。今のうちに・・・・」
その時、煙の向こうのすぐそばにケアが女の子が眠っているのを見つけた。
おそらく町長の娘だろう
5mも離れていない。
考えるよりも先に体が動いていた。
「・・・ケア。まて!!。先走るな。罠かもしれん。」
それでもすぐにタントが強化魔法を自分にかけてくれるのがわかった。
あと少しだ。あと少しで女の子に届く。
遠くでタントが叫ぶのが聞こえる
振向くと無数の大剣がケアに迫っていた。
これは当たる。曲がった剣では防ぎきれない。
曲がっていなくても防げる自信がない。
1本でもきつかったのだ。
もうすぐそこまで大剣がきている。
くっここまでか。
硬く目をつむる。
バリバリっ
あたりに青い稲妻のような電撃が走る。
それが地上にも凄い速さで伝っていった。
煙が立ちこめてどうなっているのかわからない。
誇りの中恐る恐る目を開けるとタントが大の字で立っていた。
ケアが大丈夫なのを見ると。ニコリと笑う
「・・・・ああっ無事で・・・・・マジよかったわ。」
そのままケアに倒れ込む。
「おい、タント!!!おいっ冗談だよな?・・・おいっ!!タント!!!!!!!!!」
タントの服が赤く染まる。
「タント!!!!!!!!!!!!!」
それでもタントの手が少し動いている。
「まだ間に合う!!」
急いでタントを背負う準備をする。
だが無慈悲にも幾つもの大剣が空に空中に出現するのがわかる。
しかも、今までとは遙かに強力な攻撃であることがわかる。
おそろく宿主が完全に目覚めつつあるのだろう。
あまりにも強力過ぎて大剣の周りの空気が歪んでいる。
また地面も次次と変わっていく。森、草原、林、町。ここがどこだかわからなくなる。
とにかくタントと逃げなくては。
町長の娘とタント両方背負い
そろそろ攻撃が来るころだ後ろを振り返る。
そこには数万の魔方陣と大剣が描かれていた。
絵のようなその光景は死を初めて身近に感じた。
ダメダっ
攻撃が来る。
ダメダ
間に会わない。
ドンっと誰かに押され吹っ飛んだ。
ケアと娘はタントの後方遙かに吹っ飛んだ。
「えっ」
振向きざまに空中でタントがグットラックのポーズをしている。
その瞬間に全ての攻撃がタントに直撃する。
完全に・・・・直撃した。
理解するのに時間がかかった。
走馬灯のように彼と過ごした時間が過ぎる。
「タントーーーーーーーーーーーーーー!!」
逃げなければ、タントの死を無駄にはできない。
だが体が後ろに動かない。
タントはどうなった。助けなければ、私は何をyてあているの>?
怖い。発狂寸前だ。だが彼がどうなったのか知りたくしばらく見ていた。
・・・・
永遠の時間が流れた。
やがて煙が晴れて来た。
そこに一人の男が立っていた。知らない男だ。
直撃したはずなのに塵一つついていない。
タントではない!だが隣にタントを抱えている。
まだ。生きてる。すくなくても原型がある。
直撃はあの男が防いでくれたようだ。
男は澄んだ声で話す。
「すまない土地神よ。どうか怒りを沈めて欲しい。この者達はあなたの土地を侵略しようとした者ではない・・・騒がしてしまったことは私からも謝罪する。以後あなたの領域を侵略しないと約束しよう・・・・どうか今回は許して欲しい。」
男が深々とお辞儀するのが見える。
しばらくノーカバックアラウンドが男を見つめていたが
やがてフッとノーカバックアラウンドの輪郭が乱れた
そのまま空間が共鳴するかのように震え。高速に回転する。
「大丈夫かい?」
いつにまにか男がタントを背負って近づいていた。
「大丈夫この子は生きてるよ。それより急いで。こっちだ。必ず後ろを着いてくるように。私より前に行ってはいけないよ?二度と出れなくなる。」
ノーカバックアラウンドは消えていた。
謎の男が暗闇の中を先導する。光の粒子が下から上へと流れる。
しばらく歩くと前方に光りが見えた。
その中に入るとそこは見知ったダンジョンの入り口に戻ってきていた。
ただダンジョンの入り口はない。むしろダンジョン自体がない
代わりにそこには祠が奉られていた。
男は何やら拝んでいたが。拝み終えると
「どこか痛いところはないかい?」
「タントがタントが」
そういって血まみれの服を脱がしタントの体を見るが。破れた服の下には傷もなく綺麗な状態だった。
「あのーーーケアちゃん?やるんだった人のいないとこがいいんだけどな?」
そういってタントが体を起こす。
「タント無事だったのか?」
そういって思わず抱きつき。はっとして真っ赤になってすぐ離れる。
「大丈夫彼は私が直しておいた。」
謎の男が懐中時計を取り出しのぞき込んでいる。
時計からは星空のようなものがフワッと流れ出ている。
どうやら戻ってこれたなっと男はつぶやいている。
タントが真面目な顔で土下座する。
「本当にありがとうございます。あなたが直してくれたのですね。そして助けてくれた。本当に助かりました。ありがとうございます。あなたがいなければどうなっていたか」
まあまあと男は笑う。
「いやいや、あなた達の方がよっぽど凄い。二人ともよく思い切って行動できたものだ。おそらく互いを守るために頑張ったのでしょう。・・・それにたぶん私がいなくても無事に帰れたと思いますよ。神様ってのはちゃんと見てるもんですからね。」そう言って祠を見る。
「ああそうだ。せっかくの服や装備も壊れてしまったようですね・・もしよかったらこちらをどうぞ」
そういってカードを渡される
カードには「道具屋アザーデイ」と書かれていた。
「知り合いの店ですが結構良い品物をそろえておりますよ。
もし近くまで来ましたらよってみてください。ちなみにそのカードを渡す時には「謎のお兄さん普通タイプ」と仰って頂けますと多少お安くなると思います。」
「・・・ああ、間もなく皆がくるでしょう。」
ガヤガヤと人の集まる声がする
そして男は林の方へ歩いていったがタントが引き留める
「・・・あの・・・すんません。名前とかしりたいなあ?なんて・・・」
「「考え中」っていうか・・いや。今回はたまたま通りかかっただけなので・・・」
タントはよく聞き取れなかったらしい
「「カンガ=チュウ」さんっすね。ありがとうございます。」
男はハハっと笑って林の中へ更に入っていく
「あ、そうだ・・・一応祠には拝んで行ってくださいね・・・何かあってからでは怖いので。それではまた機会がありましたら」
そういったかと思うと男は林の中へと消えていった。
草をかき分ける音も聞こえない。本当に消えてしまったかのようだった
やがて消えたところから沢山の捜索隊がやってきた。
今しがた男に会わなかったか?と尋ねたが誰もその男をみたものはいなかった
心でタントはつぶやく「ああ、本当にありがとうな。」
・・・
町長の屋敷にもどると隣町の成金インセンもいた。
「やっぱり、古びたものは壊さないとね?どういい加減諦めなよ。ここに判子押すだけでいいからさ。そうしたらこの町は僕の町と合併。そうしたら家も金使って娘さん探しをしてあげるからさ。おっ冒険者が戻ったみたいだね」
「おまえがあの祠の土地を開発したクソ野郎か?」
「言葉にきをつけてくれよね?この僕インセン様にかかれば君なんかの冒険者は僕の一つの判断で社会から亡き者にできるんだよ。僕は・・・わぷっ」
僕はがなんなのかは聞けなかった。
タントが思いっきり殴ったからだ。
「このカスやろうめ。この町からは手を引け。おまえのおかげでケアちゃんがどんな目にあったと思ってる」まだ殴ろうとしているタントを町長とケアで沈める。
「おまえ・・・顔は覚えたからな・・・ただじゃすまさんぞ・・・」
思い切りインセン様にグーパンの後が着いている。
これでとりあえずこの場は終わったと誰もが思った。
だが丁度目を覚ました娘の言葉が衝撃的だった「私この人に攫われたの。ほらその人が落としていったものもあるわ」そういって金ぴかのクシが出てきた。インセンの名前まで掘っていたのでのがれようがなかった。
ドッン
町長の渾身の右ストレートが炸裂した。
そのまま殴り続ける町長にタントとケアがなんとかおさめた。
ドサクサに紛れてケアもタントも殴っていたようだったが。。。
その後すぐに成金は捕まり。連行されていった。
ちなみに成金がいなくなった隣町は衰退していったという。
代わりに町長の町は土地神を奉ることを忘れずに幸福な町になったという。
・・・・・
そしてタントとケアは王都へと戻ってきた
「あーーーー本当に不思議だったよな。娘さんも隣町まで連行されるはずだったのが途中で消えたとか行ってたからな・・本当なのかね?」
ギルドの扉を開けながら答える
「もしかしたら、あの祠の主が娘さんを守ってくれてたのかもしれないな。」
中の開いたテーブルを見つけたのでタントが座る
「でも勘違いは困るでしょ・・・・危なく死にそうになっったからね・・」
ケアも椅子に座る
「攻撃もどことなく外れてたしな・・・もしかしたら試されてたのかもしれん。」
「それで試練に通らなかったら・・もし悪意があったらどうなったの?」
「・・・・・」
「ケアちゃん怖いって・・・・無言はやめようぜ・・・ね」
「おおおーーーやっと帰ってきたか。遅かったな。どうだった?」
2階からレミオが降りてくる。
「おっさんは帰ってくるの早ええな。おい。馬車降りた後どっかいったじゃなかったのかよ?」
「んっ馬車?何いってんだ?俺はおまえらが帰ってくるまでずっとここにいたぞ!?・・・まあいいや。俺は忙しいからな先に行くぞ・・・おい、いいか絶対ケアに近寄るなよ若造。」
そういって唖然とする二人を残して階段を降りていった。
「・・・・・・」
二人とも驚愕の顔をしている。
「おっっさん。・・・絶対乗ってたよな?・・・あれは誰だったんだ。」
「ええ、間違いなかったと思うけど」
「もしかしたら・・・初めから見守ってくれてたのかもしれねえな・・・。あの男が・・・」
ハハっと笑う
「さあって。今日はなんのクエストするーーーー?俺はケアちゃんとならなんでもOK★!だけど!」
「あんたとは行かないっていってるでしょ・・・まあいいわ好きなクエスト選びなさいよ!」
「ケアちゃんがデレただと?・・・・至急クエストもってきやす・・シャア!」
そういって二人で仲良く出かけるのだった。
・・・・・・・・・星霜の間のオーガスの家
「・・あ!いたいた。珍しいわね。神棚に拝むなんて。なんか会ったの?」家の神棚に拝むオーガスをセリナが見つける
「いや、普段お世話になってるからね?たまにはこうして拝んでおかないと。それよりセリナ買い物でもいかないないか?」」
オーガスが答える
「いいけど・・・珍しいわね?オーガスから誘うなんて」
「まあ、そういうなよ。何となく生きたい気分なんだよ」
そう言って二人仲良く家を出て行った。
窓から涼やかな風が入り神棚にさしかかる
遠くに二人の姿が見える、きっと今日も良い天気になるだろう。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ほんのり英語コーナー
★ケアの魔法剣の発動呪文「ブロウアウト」 blow out 吹き消す
例 blow out the candle ろうそくの日を吹き消す
「私ケアは炎を自在に剣から吹き消しその力で戦います。まさに吹き消すとういことです。大事なことなのでもう一度。吹き消すということです。ちなみにチャラ男は嫌いです。あなたも消してさしあげましょうか?」
★タントの呪文
「プリファット 」prefer ~ to~ ~の方を好む
prefer 力の実 to 短剣 「力の実より短剣の方がヤバいっしょーーーー!!てか実いらね。。。」
i prefer butter to margarine 「マーガリンよりバターの方がめっちゃすきだかんねーーー!!」
短剣にエネルギー付与させてるので基本こっちの始めに出した実より短剣がメイン!
★ノーカバックアラウンド 「no comiing back around」「あの頃には戻れない」
今回のボスキャラ 自分の家を破壊され君達とはあの時のような良き関係には戻れないよと嘆く
★成金インセン 「insane」狂気 金に目がくらみ街の開発などを強引にやる狂気に陥ったもの