5話 魔王さまは証明する②
「おい応寺原。告白ってつまりどういうことだ?」
「はい魔王様!今調べるッスね」
応寺原は神凪家に買ってもらったスマホを取り出してサーチする。
それにしても他人にスマホを買ってあげられる神凪家、金持ちすぎでは。一体なんなのか。
応寺原はそんなことどこ吹く風で、これは俺のものと言わんばかりにスマホを使いこなしている。
ってタイピング早いな!応寺原!
「...あっ!あったッス!えーっとッスね...『告白』とはフランスの作家ルソーにより1765年〜70年にかけて書かれた自叙伝で刊行されたのh」
「って違うわよ!他にも意味あるでしょ!」
なるほど、告白とは多義語なのか........
「確かに他にも意味がヒットしたッス...えーとッスね...秘密にしていたことを打ち明けること...らしいッス!」
「つまり神凪は俺が魔王だってことを皆に打ち明けろと!?」
「因みに例文には『罪を告白する』って書いてあるッス!」
「つまり俺は前いた世界で数億の民の自由を奪い、時には飢餓を発生させてしまったあの罪を!?」
「それも違うわよ!!!」
さっきっから神凪は違う違うと言っているがじゃあ...
「じゃあ一体お前の言う告白ってなんなんだよ!」
「ひゃっ!?そ、それは...好きな人にぃ.........好きっていう?......感じの?」
「なんで疑問系なんだよ。聞いているのはこっちなんだが...」
しかしその説明はいまいちピンと来ない。
と言うのも...
「おい応寺原。好きな人ってつまりどういうことだ?」
「はい魔王様!...それは僕にも分からないッス!でもなんとなく分かる気がするッス!魔王様の好きなものってなんッスか?」
「好きなもの.............カネとか?」
「じゃあ魔王様がお金に抱く気持ちと同様の気持ちを抱ける人間のことを言うと思うッス!」
「なるほど........人間はカネ.........カネになる人間............ウチのクラスの金 仁久度なんてガタイが良くて使えるんじゃないか!!!」
「あんたは奴隷商人か!あーっもう!イライラするわね!これだから魔族の人間ってのは。好きも知らないんだから!」
何故か神凪は頭を抱えてお怒りだ。
いい線言ってると思うんだけどな。
もう分からん!こうなったらプライドが許さなかったけど、神凪に聞くしかないか!
「神凪先生!もう何が何だが分かりません!この俺に御教授ください!」
俺はやけくそで土下座して神凪に教えを乞う。
「ふんっ!しょーがないわね!」
こいつ、俺が頭を下げたらニコニコと.......!
「つまりは気になる異性に、気になってます!もっとあなたといたいです!って言うことなのよ!」
神凪は人差し指を上に立てながら自慢げに言った。
「それは異性じゃないといけないのか?」
「同性に言う場合はマイノリティね。」
って何!?異性にそんなことを言えと!?それかなり恥ずかしいじゃないか!