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転生したら鎧だった〜リビングアーマーになったけど弱すぎるので、ダンジョンをさまよってパーツを集め最強を目指します  作者: 三門鉄狼
第2章 バリガンガルド編

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67 バラバラⅤ【胴体とドワーフ嬢】

「どどどどドラゴンが復活ってどどどどどういうことですかぁ!?」


 街の西側にある空き地。

 俺の胴体パーツを身につけた状態のままのドワーフ嬢がわたわたわたと慌てふためく。


 なんで俺を脱がないかと言うと、ベルトが絡まって外れなくなってしまっているのだ。

 慌てて身につけたときにめちゃくちゃに結んだらしいな……。

 ベルトは俺の意思では操作できないので外せない。


〈ちょ、しー、大声出さないでっ〉


 俺が小声でそう言うと、ドワーフ嬢は慌てて自分の両手で口を塞いだ。


 空き地には街の各所から避難してきた住民たちが大勢いる。

 ドラゴンが復活するなんて聞かれたらえらい騒ぎになるぞ。


 俺はドワーフ嬢を空き地の端っこに連れていき、小声で事情を説明する。


 パニックになりそうになるドワーフ嬢になんとか話をし終えた。


 俺が元人間で、訳あってリビングアーマーになったこと。

 他のパーツがそれぞれ街の各地にいる人間のところにあること。

 そして――ライレンシア湖に眠っているドラゴンが復活しそうであること。


「もうやだー」


 ドワーフ嬢はその場にペタンと座り込んで泣き出した。


「なんで人手が足りないからって手伝いに呼ばれたときに限ってこんなことになるんですか……地震は起きるし、鎧はしゃべるし、ドラゴンは出るし……わー!」


 たしかに踏んだり蹴ったりだな……。


〈手伝い? じゃあ君、もともとはギルド職員じゃないの?〉

「職員の資格は持ってますけど、普段は道具屋兼鍛冶屋です。アルメルって言います」

〈アルメル?〉


 どっかで聞いたことあるような……。


 そうだ、街に入るとき、門番がクラクラに話していた道具屋か。

 ドワーフだもんな。

 そりゃ鍛冶の腕もいいだろう。


 っと、今はそれは置いておこう。


 俺は名前の判明したドワーフ嬢――アルメルに言う。


〈じゃあアルメル。とにかく街の人を避難させよう〉

「どうして私が……」

〈ギルド職員の話ならみんな聞いてくれるだろ?〉


 ラッカムさんがやっていたのと同じ感じだ。


 もっと大きい地震が来る予兆がある。

 だから建物の少ない街の北側に逃げろ、と。

 そんな指示を出せばいい。


「わ、わかりました……やりますよ」


 本当は今にも逃げ出したいけど、という顔で頷いて、アルメルは言う。


「みなさーん! もっと大きな地震が来る可能性があります! 安全のため街の北側に避難しましょう!」


 おお。

 みんな素直に誘導に従ってる。


 制服の効果すごいな。

 それに、この街での冒険者ギルドの信頼度もあるのかもしれない。


 なにしろ冒険者ギルド発祥の地って話だったしな。


「ふう……」


 空き地にいた住民みんなに声かけを終えたアルメルは疲れたように息をつく。


「もういいですよね……じゃあ私たちも避難を」

〈待ってくれ〉

「今度はなんですかー……」


 そんな嫌そうな声出さないでくれよ。

 気持ちはわかるけどさ。


〈南の城壁に向かってくれ。他のパーツと合流したいんだ〉


「南って! ドラゴンが出現するの南ですよね!」


 絶叫するアルメル。

 だから静かにしてって!


「冗談じゃないですよ! 私まだ死にたくないです!」


 そう言って他の住民と一緒に北へ向かおうとするアルメル。

 ちょ、困るって。


 ええい、仕方ないな。


 俺は身体を浮かせてアルメルごと南へ向かう。


「ぎゃ! ちょっと! おろしてくださーいー!」

〈悪い! 仲間に会ったらちゃんと外してもらうから!〉

「やー! いやー! ひーとーさーらーいー!」


 人聞きの悪いこと言わないでくれるかな!

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