↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生したら鎧だった〜リビングアーマーになったけど弱すぎるので、ダンジョンをさまよってパーツを集め最強を目指します  作者: 三門鉄狼
第2章 バリガンガルド編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

67/286

59 リビングアーマーだとバレました

「お、おのれ亀ども! よくもリビタン殿を!」


 怒りの声をあげて立ち止まろうとするクラクラを、ロロコが止める。


「な、なぜ止めるのだロロコ殿! そなたの仲間が殺されたのだぞ!」


 と腕に抱えた俺の兜を無念そうに抱くクラクラ。


 まあそうなるよな。

 俺がリビングアーマーだということは、クラクラには言いそびれていた。

 それで、頭が亀の空気砲で吹っ飛べば、死んだと思うだろうな。


「落ち着いて、クラクラ」


 とロロコが言う。


「リビタンは死んでない」

「死んでない? バカな! こんな状態で生きていられるわけが――」

〈あ、どうも〉

「ぎゃあああああああ!?」


 頭なしの身体で彼女と並走して、手を上げてみせると、彼女は絶叫した。


「ゆ、ゆゆゆゆ幽霊!」

〈いや、違うから〉

「落ち着いてクラクラ。リビタンはリビングアーマー」

「リリリリリビングアーマーだとっ!?」


 俺とロロコの説得に、ますます混乱していくクラクラ。


 たしかこの世界では、人間みたいに喋れるリビングアーマーはいないんだっけ?

 まあ俺だって、あの亀たちが突然しゃべりだしたらビビるもんなぁ……。


「し、死んでないならよかったが、リビタン殿がモンスターだったとはっ」


 クラクラは抱えた兜と、兜のない俺を交互に見ながら戸惑っている。


「いったい私はどうすれば……」

「とりあえず逃げる」

〈異議なし〉


 ロロコと俺は口々に告げる。

 なにしろキャノントータスは相変わらず空気砲をバカスカ撃ってきてるからな。

 クラクラも、その様子を見て頷いた。


 俺たち三人は全力疾走で森の中に飛び込んだ。


◆◇◆◇◆


「このへんまでくればもう大丈夫だろう」


 クラクラが砂浜のほうを振り返りつつ言った。


 確かにもう空気砲の攻撃はないし、亀たちも追ってはこなかった。


〈助かった……〉

「亀の肉、手に入れられなかった。残念」


 ロロコは相変わらずだな……。


〈ところでクラクラ。俺の兜を返してもらっていいか〉


 兜はずっと彼女が抱えたままだった。

 けっこうぎゅっと抱えてるので、胸の感触がずっと頭にある感じ。


「あ、わ、す、すまぬっ!」


 クラクラは兜を返してくれる。

 胸の件は気づいてないっぽいな。

 言わないでおこう。


「…………(じっ)」

〈ど、どうしたロロコ〉

「……べつに」


 ……不満そうだ。

 自分の胸が小さいのが気になるのか。

 俺が顔に出てたのか――ってそんなわけないな。

 いや、ロロコならリビングアーマーの俺の顔色もわかるかもしれない……。


「落ち着いたところで、改めて問おう。リビタン殿、そなたは何者なのだ」


 クラクラが言ってきた。

 よかった、話題がそれる。


 クラクラは言葉どおり、かなり落ち着いた様子だ。

 これなら話しても大丈夫か。


 俺はごく大雑把に自分のことを説明する。

 元は人間だったが、いろいろあってリビングアーマーになってしまった――と。


 転生やら異世界やらって話はしなかった。

 前にロロコに説明しようとしたけど、通じなかったしな。


「なるほど……」


 クラクラは俺の話を聞き終わると、そう呟いた。


〈あまり驚かないんだな〉

「いや、驚いてはいる。ただ、事実は事実として受け入れるしかなかろう」


 よかった……。

 これで『魔物め叩き斬ってやる!』とか言われたらどうしようかと思った。


「ところで、リビタン殿はやはり、人間に戻る方法を探して旅をしているのか?」

〈え……?〉


 問われて、俺は返事に窮してしまった。


 んーどうなんだろ。

 戻りたいかって言われたら人間に戻りたいとは思う。

 ただ、積極的にその方法を探すとなると、別に……って気持ちもあるな。

 どうせ異世界だし。

 この身体で困ってるわけでもないし。


 そもそも、そんなことを考える余裕が今までなかったからな。

 ずっと洞窟さまよって、魔物に追われ続けてたわけだし。


〈わかんないな……とりあえず、街に着いたら考えようと思う〉


「そうか……我らに手伝えることがあれば何でも言ってくれ」

〈わかった……なんかあったら、遠慮なく頼らせてもらうぜ〉


 ん?

 ロロコが不意に視線を動かした。

 耳もピコピコ動いてるな。


〈どうしたロロコ?〉

「音が聞こえる」

〈亀の次はなんだ? すっぽんか? トカゲか?〉

「ううん。これは――馬車の音」


 なぁんだ馬車か……。


 …………。

 ………………馬車!?


 ってことは――人が近くにいる!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。