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ある幸運な日

こんにちは。大根おろしと申します。この度はこの作品に触れていただきありがとうございます。

私の人生で初めての作品であり、プロットも無く思いつくアイデアをドバっと羅列した物です。見苦しい点、誤字脱字、テンポの乱れ、背景知識の不足などまだまだ改善すべき点は多々ありますが、どうぞ適当に文字を追うイメージで楽しんでいただけると幸いです。

これは一匹狼の高校生の話である。

高校の文化部同盟は弱体化し運動部連合との対立は激しく、ついに弱肉強食の時代に突入した。

その危機的な部活動現場の穴埋めに現れたのがフリーランス…すなわち帰宅部の学生である。

たとえば、この男。

群れを嫌い、権威を嫌い、束縛を嫌い、学生証と叩き上げの学力だけが彼の武器だ。

 帰宅部、今園優太郎(いまぞのゆうたろう)。 またの名を、ミスター X



…とカッコつけたOPでお送りしたが、結局のところは陰キャである。

文化部からは裏切り者と、運動部からは半端者と見られているが構わない。

何故なら、僕は高校に勉強する為に通っているからだ。


嘘だ。


窓際の美少女、最上有紀(もがみあき)を眺めるためだ!

彼女は読んで字の如く、すべてにおいて最上さいじょうなのだ。

彼女は女子運動部のヒエラルキーの頂点、つまり女子バレーボール部所属であり、入学早々レギュラー入りを果たすほどの腕前。

が、ただの脳筋ではなく、学業が学生の本分という両親も部活を認める成績を誇る。

具体的には全科目学年10位以内である。

スポーツに力を入れる学校であり、スポーツをするため推薦で入ってくる学生も多いのにこの成績は驚愕に値する。


とまぁ彼女の紹介にそこそこの時間を充てたが勘弁して欲しい。

この物語は僕と彼女の物語なのだから。


「よ、今園。今日もまたにやけてんなぁ。また最上ちゃんのことか?」

む…視界の8割方を筋肉に持っていかれた。

何を隠そう彼は柔道部のエースでありラグビー部のピンチヒッターである筋肉(一条信之)だ。 

間違えた。一条信之(いちじょうのぶゆき)だ。

「にやけてないよ?そういえば頭の筋トレ始めたって言ってたね。効果出てきたんじゃない?」

「お?なんだそれ。教えてくれよ。」

「それだから君は脳筋って言われるんだよ。」

そう。彼に皮肉は通じない。最強である。

ピピッ… レーダーに感アリ。対象を捕捉した模様。

「おはよう 今園くん、一条くん。いつも仲良しだよね」

「ん、まぁな。入学式からの付き合いだからな。」

そう。彼は出席番号の関係で最初の友達なのだ。

「おはよう!今日はいい日だね!」

「今園くん。それ毎朝言ってるよ?」

「毎日いい日だからね。」

「そっか。HR始まっちゃうや。またね」

「うぃーっす」

む…一条に阻まれ手を振っている彼女がみえなかった。

筋肉め。

「はよぅ。全員いるか?HR始めるぞー。」

「お?坂上、そこの空席誰だっけ。」

「鈴木さんです。」

「珍しいな」

何?鈴木さんが休み…だと?これはチャンスである。何としても活かせ。これをふいにすることは許さぬ。これは勅命であるぞ。

は。昼休みに昼食に誘おう!作戦が進行中であります。

うむ。

ちなみに、この学校は例によって屋上は閉鎖されています。WTF

もう遅いかもしれないが、鈴木さんとは最上さんと同じバレー部である。

だいたい一緒にいる。

「じゃ連絡は以上な。号令」

む…何も聞いていなかった。

「一条、連絡って?」

「はぁ。聞いとけや。保護者会の準備で体育館に椅子出すから男子は昼休み体育館集合らしいぞ。」

…は?

作戦中止。練り直せ!

題して放課後寄り道しよう作戦!

「そうか。それは困った。一条今日部活は?」

「保護者会だって言ったろ。無いよ。ん?まさかお前」

「そう。渋谷行くぞ。」

「へいへい。」

「あ、最上さん!今日どっか寄り道してかない?」

「今日?ごめん、連合の会合があって…」

OMG。こいつぁ参った。

「んじゃ、がんばれや。俺ら渋谷でJKしてくるからよ。」

「ごめんね、私も行きたかったんだけど・・・」

「気にすることないさぁ!またいつでもいけるじゃないかぁ!」

よっしこれでさりげなく次をねじ込む作戦達成だ。

「そうだね。また誘ってね!」

「もちろんさぁ!」

「ストリームでレモネードでも飲もうぜ」

「ばぁろー」

またこいつはとぼけたことを…

「授業始まるぞ。予習したのか?」

「あ、やべぇ。やっちまった。あいつめんどいからなぁ」

「この度は…」

「死んでねぇぞ」




「しっかしあいつの金切り声は何度聞いても慣れねぇな」

僕もあの人の授業は嫌いだ。

「次、体育だしもう行こうぜ」

彼は恐らく初めての登場だろう。クラスメイトの坂上くん。野球部だ。ポジションは一塁側スタンド。

失礼。二度目だったようだ。

「ソフトボールは坂上無双だからなぁ」

「そんな褒めるなよ一条。照れるだろ」

そう。ポジションがスタンドだからといって下手なわけではないのだ。




「じゃ、休みいないみたいだしキャッチボール始めろぉ」

「おいそこ、あんまり最初から距離開くとけがするぞ。程々からな。」

ふんぬらぁ!

「今園、もちっと飛ばしてくれ。俺の肩があったまらないだろ?」

私は頭脳派なのだ。脳筋と一緒にしないでいただきたい。が、このまま引き下がれるか?答えは否。

「ぬぉりゃぁぁ!」

「お、やればできるやん。」

あんのクソ筋肉め。軽々ジャンプしてキャッチしやがった。

走らせようとしてたのに。

「一旦集合!」

「今日から試合に入るからな。委員の方でチーム分け後開始してくれ。」

ふっふっふ。セルフアナウンスはいりまぁす。

一番 センター 今園くん

ピッチャー…投げたっ!ボール!

二球目、振りかぶって…投げたっ!ストライク!

これを見逃しますかぁ。

三球目、投げたっ!ボールはレフト側深々と抜けていく!

ノーアウト二塁。

彼、帰宅部ということであまり期待していなかったのですが開始早々やってくれましたね。

Aチーム監督である坂上くんの素晴らしい采配といったところでしょうか。

二番 ファースト 山下くん

ん?彼バントの構えですね。送りバントでしょうか。

OMG。なんてこった。

おーっと、ツーアウト!ダブルプレーが決まりました。予想だにしない展開ですが?

そうですね、山下くん、彼あまり巧くないですね。

「ナイスバッティングだったんだがな、まぁお前はよくやったよ」

「二回になっちゃうかもな」

「ま、いいさ」

「ほれ、交代だぞ、今園と山下ポジション変えといたからな」

「ん?僕がファースト?」

「そうっぽいな。ほれいそげ」

ふっふっふ。セルフアナウンスはいりまぁ…

失礼、筆者の都合により割愛させて頂きます。

二回オモテ、0‐1の状況

四番 ピッチャー 坂上くん

お、初球打ち、ナイス。

ノーアウト 一塁

「そろそろ切り上げてな。スコアは記録しとけよ」

終わっちまった。俺たちの夏が…

「次の授業なんだっけ?」

「化学」

「だる」

「語彙力落としてきたっぽいぞ一条、とりいかないのか?」

「生憎と生まれつきでござる」

「や、それは嘘だろ」



{今日は実験をするので実験室に白衣着用後集合}

ほう。実験とな。ランダム席ですかね。わくてか。

「やべ、白衣貸しっぱなしだ。回収せねば。」

「そなの?先いってるからね」

「おう」

「あ、最上さん!」

「今園くん、どうしたの?」

「女子は体育なにやってるの?」

「今はバドミントンだよ」

「楽しそう」

「ざっつらいと、だよ」

「ん?今日も席くじ引きだって」

そう。あの先生の実験室での授業では珍しいことに毎回席が変わるのだ。

天才である。さぁ我がリアルラックよ。出番だぞ!

12番。なるほど。

「最上さんは何番だった?」

「8番」

さて、座席表は?

む…

「離れてるね」

OMG。

「じゃ、またね」

「うん」

「お?今園ここ?隣じゃん」

一条お前すぐそのピンポン玉を最上さんと替えてこいや

クソ退屈な時間が始まる…

期待してたのに…

「今日はコロイドの実験ね、プリント配ってあるよね?それの通りにね。そいじゃ始めてね。」

「そうだ、一斑から順番に前きて、電気泳動みせるからね」

ふむ。いつも通りの展開。後は大した動きも無いので割愛。



さて。昼飯だ。最上さんとこいくかな

「おい、椅子並べ、言ったろ?」

「うげ、だる」

「さ、いくぞ」




「しっかし毎度毎度かったるいったらありゃしない」

「僕はお弁当たべるのでね」

「ちょ、まち、一緒に食おうぜ」

「うげ、最上さんがいない」

また連合につかまったのか。トップに君臨する以上仕方のないことか。

さて、昔話をしよう。

あれは私がまだ文化部同盟のヒエラルキーの頂点である写真部に在籍していた時のこと。

文化部同盟のヒエラルキーの形成は単純な規則によって行われる。

つまり数多ある文化部の中で最も予算を頂いた部がトップに君臨する。

私が在籍していた頃の写真部は並みの部が7500円程しか頂けない中13000円という高額な予算が下りていたのだ。

(ちなみに運動部は最下級であるソフトテニス部でさえも15000円は頂いている)

なぜなら前年に写真甲子園に参加したからだ。

しかし、部員に恵まれていた前年とは違い、部員数は激減し、作品の質も下がるばかりであった。

真面目に取り組んでいた部員は私を含め3人ばかりであろうか。

このような状態では最大のライバルである美術部に覇権を握られてしまうという懸念事項もあり、私はより良い作品を追求する為にやる気のない部員を一斉に退部に追い込んだ。

この学校で部を追放されたという事実は死を意味すると言っても過言ではなかった。

それ故に彼らは自主退学という形でこの学校を去った。

そこから潤沢な予算を用い素晴らしい作品を追求できるはずだったのだが、私の快進撃もここで途絶えることとなる。

憎き美術部のある部員の策略により、写真部の悪行の是正を求める同盟会議が開かれてしまった。

この会議で私は追放した部員について責任を追及されたのだ。

本来ならば取るに足りないこの行為だが、この時ばかりは重大な越権行為として扱われ、私は同盟内での立場を失い、写真部の予算も絞られるようだったので共に苦境を乗り越えてきた戦友に追われるようにして写真部から抜けた。

なぜ私が帰宅部としてこの学校を追放されずに残っているか。

これが不思議で堪らないのだ。

当然私は私がさせたように自主退学するつもりだった。

しかし、美術部内で内乱があり、方針が変わったらしく、同盟のトップが穏健派とでも呼べるものとなったのだ。

そもそもあの会議には疑問点がたくさんあったので他の部も同調し私の居場所が確保された。

が、私に写真部に戻るつもりはなかったし、他の部などもってのほかである以上帰宅部として存在するしかなかったのである。

その様な騒動があってから私は同盟にも連合にも所属せず、両側から白い目で見られている。

が、言ってしまえばそれだけだ。同盟のトップとして生き馬の目を抜くような戦いに気を置く必要はない。

一時期の野心に溢れた俺は第三勢力として参戦することを考えたが、私は争いから離れた日常に安心している自分がいることに気づいたのだ。

そこから私はこの安寧を享受している。

この学校には私か、同盟の構成員か連合の構成員しかいないのだ。

なんと愉快な事実だろうか。

「なぁ、もしかして俺の話聞いてない?」

ふむ。なんと鈍い男だろうか。

「そんなことあるわけないやんけ。ははっ。」

「あれあれあれあれ?君たち今暇なの?」

「え、まぁ」

彼女は国語科の期待の新人こと片岡明日香。頭の悪そうな絡みで有名だが、若手のくせに実力派。

「ちょっと手伝ってよ!職員室にかもーんぬ!」

「せっかくのお誘いではありますが、お断りさせて頂きます」

「むむむ…要求はなんだ?」

「購買部のカレーパンです」

「あっ…それは厳しいじゃん。まだあるわけないし。」

「それでは私はこれで失礼させていただきます」

「なんて奴だ」




「おい、最上ちゃん帰ってきたぞ」

おっと。まいすうぃーとがーるがあからさまにイラついている。

「ふぁっくな連合のぬーぶずにやられたのか?」

「すごいこと口走ってるけどだいじょぶか?」

「おっと漏れ出してしまったようだ。」

「最上さん、会合でなんかあったの?」

「ん?今園くんか。何でもないよ」

「そうなの?見るからに期機嫌悪そうだけど」

「あはは、そういうのいいから」

おっと。しっかり不機嫌である。きっと野球部だな。甲子園関係だろう。

甲子園は野球部の応援に吹奏楽部が駆り出される。同盟は普段連合の構成員こと運動部員から大小様々ではあるが嫌がらせを受けている。そちらの都合の良いときだけ応援頼みますなんて虫の良い話があるはずがなかろうという見解を例年、同盟は示している。

当然折衝にあたるのはトップである。

「もしかしてあれ?野球部?」

「ん、そっか。今園くんは知ってるよね。」

「まぁ…ね」

「気が重い。放課後一回目の話し合いだよ。当然の報いだと個人的には思っているんだけど」

「それはそうだけど、伝統だしね」

「そだ!今園くんも出席してよ!」

「ほぇ?」

「確か1人まで同席可能でオブザーバーとして参加もできたよね」

「え、あれ制度としてはあるけど実際使う人見たことないよ。みんな面子に拘るから」

「私が面子なんて気にすると思ってるの?」

「Sir,no,sir!」

「じゃ、そういうわけで俺放課後予定入ったから、渋谷無理」

「聞いてはいたが、お前ひっでぇな。それとその一人称、もう臨戦態勢ってわけか?」

「え?今僕俺って言ってた?」

「うん」

「知らぬ間に…そうなのかも?」




「やっとこさ終わったか。じゃ良い所見せてこいよ。気張ってな」

「さんきゅ」

「今園くん、生徒会室に20分後だからね。ごめんけど私物理室の掃除行かなきゃ。」

「廊下でうろうろしてるわ。一緒に行こ?」

「もち」

「え、何?今園復活?狼煙の準備?」

「先生、悪ノリが過ぎますよ。復活じゃ無いです。付き添い…かオブザーバーです。」

「そうか。気合入れてけな」

「おーい、教室掃除は2班だぞー。」




生徒会室。読んで字の如く、生徒会の活動場所である。が、本校ではもう一つの役割がある。同盟と連合の衝突もとい舌戦もとい話し合いの場である。生徒会は完全に中立の立場でありあらゆる争いに介入しない。そのためその存在を忘れられがちである。生徒会役員は部活動に参加することができないので内部で争うといった同盟や連合で多発する問題も起きない。本校は自主自立を重んじるため、学校内で決めることのできる物は生徒会により運営されている。先生というか事務が処理するものは教育委員会が絡む物である。そんな大きな存在である生徒会は正に縁の下の力持ちの具現であろう。

そして今、俺は昔とは逆の椅子に座っている。

え、なんで帰りたい。てかさっき癖で同盟側に座ろうとしちゃったよ。泣きそう。幼児退行してる。

「毎年申し上げておりますが、私どもに野球部を応援しようなんて考えは微塵もございません」

よかったぁ。美術部の穏健派さんがまだトップだ。下剋上でもされてたら参ったよ。と思うじゃん。

横にあいつが座ってんだけど。え、なに。情報漏洩?なんであいつを出してきた。

「横から失礼いたしますね。毎年毎年凝りもせずよくもまぁおめおめとそんなことを口に出せますね。厚顔無恥?っていつ使うんだと思っていましたけど今ですね」

「おい、付き添いがあんましゃしゃり出るのよくないぞ?ならここからは俺も口出すけどいいよね?」

あいつは許さん。マジで。

「連合構成員による嫌がらせ行為については事実無根であります。私ども連合幹部はそのような行為があったとの報告は受けておりません。勿論、同盟のメンバーからもです」

え、最上さん、汚職議員みたいになってるよ。なんとなくだけど。

「よく言うわ。組織ぐるみの隠蔽ね」

「や、だから。お前付き添いだろ?宮地さんの隣でニコニコしてりゃいいんだよ。それともなに?自分のところのトップは自分で自分らの意見も言えない腰抜けですって言いたいの?」

「今園さん、あなたにもそれは言えるわ。昔トップを張ってた人間を同席させるなんて自分に自信がないってことでしょ?」

「だからあんま口出ししてなかったでしょうよ。そんなに俺のことが気になる?連絡先交換しよっか?」

「ねぇ、あんまり場を乱さないで今園くん。あなた達も。私と話し合いに来たんでしょ」

「はっ、あんたに呼び出されたの!」

「いい加減にして?私怨で話し合いを妨害するならあなたはいらない。出て行って。今ならこの部屋だけで済ませるわ。その先は…わかっているわよね?」

「申し訳ない」

「さ、あなたたちの要求は甲子園での吹奏楽部による応援でいいの?」

「はい、こちら側のチア部と合同でお願いしたいです」

「ふぅん。例年通りね。こちらの要求も例年通り。旅費その他必要経費の全額負担。総じて10日間の体育館全面の融通。」

「そして、嫌がらせ行為の撲滅。」

「ふっ。いや、すまない。それ昔は言ってる側だったけど今はこうして要求される側に座ってるのかと思ってな」

「俺はただの付き添いなんだが。場を乱して申し訳ない。続けてくれ」

「全てにおいて要求を受諾します。ただ、嫌がらせ行為については認められていないため、もし万が一その様な行為があった場合我々連合幹部に速やかに連絡していただきたい」

「へぇ。要求しといてなんだけど、なくす気があるみたいな言い様ね?」

「勿論です。」

白々しいな。まぁ建前は大事だからな。

「じゃ、細かいことも今詰めておきます?」

「付き添いっぽいじゃないの。まぁ一回で終わるならそれに越したことはないわね。」




「お疲れ様。あんまり役に立てなかったね。ごめん」

「いやいや、どこがさ。さすがは元トップ。貫禄が佇まいから滲んでたよ。ありがとう。すっごく助かりました。」

「ははっ。そっか。こちらこそ。」

「ねぇ、今園くん。」

「ん?どした?」

「この後時間ある?」

え、待って待って。これデートのお誘い?やばやば。やばみざわ。バイブス急上昇卍

「うん、帰るだけ」

「ちょっと寄り道していかない?なんかご馳走するよ。」

「マジ?是非!僕が奢るよ!叙々苑でもなんでも!」

「え、それは申し訳ないよ。でも焼肉いいね!食べ放題にしとこ。私がご馳走するから」

「よっし、行こ!」




やっべぇ最上さんと二人で夜の街に繰り出してる。ふっへへへ。やっべぇ。マジ卍。

「おいしいね」

「ね!」

「ねぇ、今園くん。いや、優太郎くん」

やっべぇ、名前呼びきた。やっべぇ

「どした?優太郎くんってさ、」

「うん」

「今好きな人とか…いるの?」

「えっ…うん」

「…そっか。私の知ってる人?」

む…知ってるというか本人なんだが。

「んー」

行け。男だろ。大チャンスだ。玉砕したらしたで万々歳だろう。

「知ってるっていうか、本人」

「え?どういうこと?」

「最上有紀さん。あなたが好きです。僕と付き合ってください!」

あ、言っちゃった

「………はい」

「…いよっしゃぁ!」

「有紀、これからよろしく」

「うん」

「あ、飲み物持ってこようか」

「うん、お願い」

これはすごい。超間接的に野球部様様だな。間接的に宮地さんナイス。全くの無関係ではあるが一条俺はやったぞ。

「ありがとう!」

「いーえー」

「優太郎のさ、俺っていう一人称カッコいいよね、ギャップ萌え?」

「え、マジ?二人の時は俺にしようかな。気合入れると勝手に俺になるんだけど」

「さっきの告白僕だったぞ。気合入れてけー。」

「ふふっ。猫かぶってた。」

「えぇー。俺バージョンいこ!」

「いや、はずいわ」

「そんなー」

「もし、もしだよ、もう一度同じように何か申し込むことがあったらそこでな」

「え、それプロポーズの話?」

「さぁ」

「ねぇー教えてよー」

「どうなんだろうね」

「わかった。楽しみにしておくね」




「ってなことがあったんよ。やばいでしょ。」

「みなさーん!今園が最上さんおとしましたー!」

「え、なに大声で宣言してんの」

「ちょふざけんな。ざわついてるぞおい」

「優太郎!おはよー!」

「おはよー」

「え、名前呼んでくれないの?」

「有紀、おはよう」

「うん!」

「「「あ、マジやん」」」


ここまで読んで頂いてありがとうございます。この作品は基本的にこのお話で完結となりますが、後日談等まだ続く可能性がございますため、連載での投稿とさせて頂きました。もし、この作品を気に入ってくださった方、誤字脱字、文法上のミス、アドバイス等ございましたら、レビュー、感想、誤字報告等頂けると幸いです。

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