真実は残酷だが。本人以外にはあっさりとしたもんだ
「あんたは戦場から帰る途中の橋の下で拾ったのよ」
て、なんですか。そんな悪さした子供を叱るようなセリフは。え。本当? 義兄(?)もうなずいてるし。どうやら本当のようだ。それにしても、実子だと思いこんでいた幼気な子供の気持ちを考えてくれても。
「そういうの無いから。傭兵団時代は一日に5人拾ったこともあるから。感覚が麻痺したって言うか。とにかく、お袋の感性は。普通の町の人間と違うんだ」と義兄(?)
事の起こりは、母に絡んでいたように見えたガタイの良い男に勇気を振り絞って、「母さんに何をする」と凄んでみたことに始まる。
「なんだあ、また拾ったのか。お袋」とその男。「てことは、一応義弟になるのか、、、俺はサブリだ。弟」と、言われて母を見たら。
「そうよ。こいつは最初の頃に拾った子。可愛かったのに。こんなにゴツくなっちゃって」
俺、唖然。「え、俺。もしかして、母さんの本当の子供じゃないの」と涙声。
そして、冒頭に戻る。俺、ナムリ。6歳の時の衝撃の事実発覚でした。
「これで元伯爵令嬢だったんだから。事実は小説より奇なり。って、もんだ」
それも初耳なんですが。元傭兵団ってのは聞いたことあるけど。お屋敷の兵隊さんやメイドさん達から「姉さん」とか「先生」と呼ばれて。面倒事があるときに呼ばれると、「ど~れ」とか漢らしく答えて、面倒事をぶっ飛ばすガラッパチの用心棒だとばかり思ってました。
さらに聞いて驚いた。母さんの母親が旦那の敵の高位貴族を魔法で殲滅したのを責められて。爵位を返上して国を出たんだそうな。今のお屋敷の旦那様は令嬢時代の幼馴染。その縁で居候してるのよ。と、あっけらかんと言われた。
旦那様は良いお歳。その幼馴染って母さんの外見と合わないのですが、と、聞いたら。
「母譲り、つまりあんたにとってはお祖母ちゃんゆずりで歳を取りにくいの」と、言われた。実年齢は50を超えてると知って驚愕です。
ただの居候や用心棒にしては、やけに堂々としてると思っていたが。そういうことだったのか。
「ま、そんなわけで、真実を知っちゃったからには、今までのように甘くはないわよ」
という事で地獄のシゴキの日々が始まるのだが。
「こんなもの。私の子供時代に受けた特訓に比べたらぬるいもんよ」って。お祖母様はどんな人だったんですか。
あと、義理の兄と姉が20人以上いるそうです。数が曖昧なのは、拾ったときにすでに大きくなってる子は親子感覚が芽生えにくいので、どのへんまでが子供で、どのへんまでが面倒見ただけの舎弟か、距離感が曖昧だから。だ、そうです。




