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全知存在のレプリカ
拍手が止んだ。
眼前に広がる純白の世界、白銀の人形。
「まずは感謝の言葉を。」
言葉が僕とアルマだけの世界に反響した。
「約束だ。君の知っていることを教えて欲しい」
「そう急くな、待っていろ。」
アルマは指を弾いた。
まるで初めからそこに在ったかのように
畳、続いて茶道具が現れた。
「多芸だろう?私は頭がいいんだ。驚いたか?」
「えっと・・・」
アルマが何を言わんとしているか
分からない。
首を捻ると、アルマは小さな唇を噛む。
僕はなぜだか悲しい感じがする。