PROLOGUE 出会った二人
「ってて………あれ?」
薄暗い森、薄い霧
隣で聞こえる川のせせらぎ
「ここ、どこだ?」
少年は呟く
疑問は3つ
1つ目はここはどこか、ということ
明らかに日本ではない辺りの景色
「あれは、何なんだろうな」
どの植物図鑑にも載っていないような大木、蔦や蔓が生い茂っている
「それから……なんでこんなところにいるんだ?」
それが2つ目の疑問
「そんで記憶」
ここに来た記憶がない
それどころかそれ以前の記憶すらない
自分の知識以外の記憶が全て消えている
「何が起きてんだ?一体」
少年は地面にあぐらをかき、首を捻る
「んぁ?」
ポツリ、と少年の頬に水滴が落ちる
「雨かよ、ついてねぇな」
少年はすぐ近くの木の下に逃げ込む
途端にザァー、と雨が降り始める
「うわぁ〜、ギリギリセーフだな、ってん?」
少年は自分がいる木の下に人がいることに気がついた
少年は近づく
そこにいたのは少女と呼ぶには少し早い顔立ちの10歳くらいの幼女
「なにしてんの?」
「……め……わい」
「ん?」
「雨が、怖い」
「怖い?」
「うん、怖い」
幼女は呟く
「どうして雨が怖いんだ?」
少年は幼女に聞く
雨が怖いことを不思議がるように
「知らない」
少女は更に呟き、続ける
「でも、嫌なことがあったような気がして、怖い」
「ふぅん」
少年は驚く
10歳くらいの幼女がそんなことをいうとは思っていなかったから
「貴方、名前は?」
「俺?俺は邦崎達喜」
「私はリン
よろしく、達喜」
更に雨は強くなる
2人の出会いを、祝うかのように
文 字 数 が 少 な い !
努力の問題です、スミマセン(汗