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力の差は歴然だった。



戦を知る者とは、一旦命のやり取りを始めたら、血をすするがごとく、相手の命を奪うもの。

躊躇は、すなわち、自らの死を招く。


猛者揃いの精鋭部隊と奇襲部隊が集い暴れている。

たかだか、土地を荒らす賊風情とはわけが違うのだ。



鈴の周りに血まみれの屍が増えていく。


まるで、供物のように、捧げられた生贄のように、そして、まるで物のように、さっきまで人だったモノが積み上がっていった。



佐渡川はすぐに鈴のそばに走り、切られた足を止血しながら各部隊に指示を出し続けた。



この騒ぎは、大事にする前に撤収しなければならない。

ここ、国境での争いごとは、やっと同盟を結んだ隣の国との関係をあやうくしかねないのだ。


迅速に制圧、かつ、ひとりの取りこぼしなく討ち取る。

隣の国の間者がこの事態に気付く前に。



佐渡川が、鈴を抱えて立ち上がる頃、全ては終わっていた。



ーーー



国境の問題はこれにて一掃された。


姫を救い、国の頭痛の種だった問題は解決し、鈴は一躍英雄になった。




殿様から直々に礼を賜った。

親子ともども、その忠義天晴れと、褒め称えられた。


姫も、見舞いにわざわざ足を運んでくれた。

あの丘はなかなかの急勾配だった、よく転げたぞ、と、手の擦り傷を見せて、鈴に何度も礼を言ってくれた。




しかし、代償は計り知れない。



腱を切られた足では、傷が塞がっても、もう歩くことはできない。


少女の心に深く刻まれた恐怖。

代わりに得た誉れなど、何ほどのものでもない。



屋敷の奥に住まい、もう姫と過ごすこともなく、親兄弟の他に人を寄せ付けず、ひっそりと静かに生き、気づけば3年が過ぎていた。



佐渡川は部下に命じた。


鈴を助ける者を探せ、と。






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