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弥勒は馬に乗ったことがなかった。


農耕馬なら引いたことがあるが、戦場で駆ける馬はそばに寄ったこともなかった。


朝の務め同様、鈴の指示で馬番について馬の世話を手伝いはじめた。


初めこそ気の強い、荒っぽい馬が恐ろしく、近寄ることができなかったが、馬の方も弥勒に慣れてきて、餌をねだり、弥勒の背中に顔を押し付けて甘えるようになると、瞬く間に仲良くなれた。


慣れてきたならそろそろ乗り方を覚えねばな、と、言われていた。




鈴はかつては馬に乗るのが、好きだった。


一人で乗れない今は、弥勒に馬を引かせ、楽しんでいる。

今日もその予定だった。



ーーが、今日に限って馬が一歩も動かない。


手綱を引く弥勒に、甘えている。




「弥勒、乗れ」


そう鈴が言うのを聞いた馬番が慌てて台をとりに走った。


引くばかりで乗ったことのない弥勒は、おずおずと鈴の後ろに跨った。


鈴は小柄なので、鞍は余裕がある。




「手綱を持て。足で合図だ。」


ポンっと、軽く馬の腹に合図すると、馬は嬉しそうに歩き出した。


鈴は幼い頃に父と兄に教えてもらったことを思い出しながら、馬の扱いを弥勒に教えた。


馬は弥勒の指示をよく聞いた。

この分なら、そう遠くなく走れるようになるだろう。



この日から、馬には二人で乗ることになった。




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