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何もない1
ある日のこと、いつものように馬車の中でのんべんだらりと過ごしていた二人組は、途中で街の入り口に気付いた。
陽気な方が「寄ろうぜ!」と言ったのに対し、寡黙な方は「...良いか」と議論しながら街の入り口まで来た。
「...なんもいねぇなぁ...ここ本当に街なのか?」
「...さあな、しかし門番すらいないのは妙だ」
「だよなぁ〜...」
と言いつつ二人は街へと入っていったのだった。
「...マジで誰も何も無かったなおい...、ここって街だよな?」
「...生活の跡は確かにあるが...どうだろうな」
「何が?」
「...建物を見て回って思ったんだがな、どうも人が住むにはどこの家もちょっと小さいんだ」