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私のせいたかくん  作者: 久郎太
私のせいたかくん(side 沙織)
1/25

※自サイトにてシリーズ連載したものを若干設定を変更して加筆修正を加えて転載してあります。

 私は、小さい頃から全てにおいて目立たない子だった。

 積極的に、意見したり行動することはまずない。

 昔から、一歩出ず、一歩下がらずの位置にいる平凡な女の子。

 頭の出来も並ぐらい。

 人並みの容姿。

 極めつけは、背の低さ。

 今年の春から高校生になるというのに身長は145cmでとまってしまった。

 さらに追い討ちをかけるように私の周りには、長身で容姿端麗な美男美女がひしめいている。

 

 絹瀬きぬせ 沙織さおり


 それが、私の名前。

 家族構成は、父、母、兄、妹。

 父は、主に海外で活躍するフリーのカメラマンであまり家には居ない。

 母は、モデルである兄と妹のマネージャー。

 兄と妹は、身長189cmと172cmの長身をいかして『ファッションモデル』の仕事を中学の時からしている。

 売れっ子の兄と妹。

 それに、つきっきりの母。

 だから、いつもこの家に居るのは、何のとりえもない私ひとりだけ。

 忙しい母の代わりに家事は私が全部やっていた。

 故に、掃除、洗濯、料理は、誰にも引けをとらないと、自負を持っている。

 お嫁さんにするにはお買い得!! と宣伝したくらいだ。


 もしも、旦那様にするなら彼と、昔から想いを寄せている人がいる。

 けれどその人の視界には私は到底入らない。


 真宮まみや 涼雄りょうゆう


 彼は、隣の家に住む一歳年上の双子の片割れ。

 話によると身長が195cmもあるらしい。

 そんな背高な彼の視界に私が入ることはまずない。

 隣同士で両親が昔から交流があったため物心つく前から小学校高学年の間共に育った。

 世に言う幼馴染として、かなり仲良く楽しい時間を共にすごした。

 けれど中学生になってからその関係は崩れた。

 彼らが、親の仕事を手伝うようになって会う機会がなくなり、自然に疎遠になっていった為だ。

 家と似たような環境で、彼らの親は父親がカメラマンで母親がファッション誌の編集長をしている。

 身長195cmの双子は、両親の影響で『ファッションモデル』をはじめ、今では沢山のファンを持つ有名な人気モデルだ。

 ちなみに、私の兄と妹と同じ事務所だったりする。

 だから兄と妹、隣の双子の兄弟とは昔のまま仲がいい。

 けれど、一人その枠の外いる私は、その関係を遠くから眺めているだけ。

 私は、彼らの輪の中に入ることができない。

 いつも感じる孤独と疎外感。

 いつもひとりだけ置いていかれるように埋まらない距離。

 最近は、追いかけるのに疲れ自分から距離をおくようになっていた。

 と、言っても追いかける前に接点がなく出会うことなど皆無だけれども。

 それでも、想うことだけはやめていない。

 やめたくない。

 

 涼雄くんを想うだけならいいよね?

 

 両思いなんて望んでいない。

 そんな贅沢いえない。

 私には、特別の何かなんてないのだから。

 彼の視界に入る術が私にはないから。





前書きでも書いてある様に自サイトで公開しているシリーズ小説の転載になります。

前々からこちらにもと思っていましたので、加筆修正が終わりましたのでこれ以降順次公開していきます。


一応、チェックはしてありますが、誤字脱字等の有りましたらご指摘ください。

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