異母兄弟の再会 異臭②
「ところでだが、私たちが集められた理由はわかるな?」
やはり、切り出すのはこの男、カーシャだ。
「この森を形成させた理由ね… 俺たち異母兄弟を合わせるためじゃないのか?」
「え、私は綺麗な花を見つけて、そこで花を咲かせなさいみたいなロマンチックな理由だった気がするんだけど。あの親父」
ミカナの口調が乱れて、ウッドがミカナの脇腹を小突く。
「お嬢様はもう少し夢から覚めろよ」
そんな軽口を叩くウッドの目には、どこか懐かしむような優しさが滲んでいた。
ムシュルは依然口を閉ざしたままだ。
「僕…僕は、旅をしなさい。だった…父さんの口癖だったんだ。僕は父さんのことしか知らないから、その通りにしたい。僕は父さんの見せたい景色をみたい。」
みんなが息を呑むのが分かる。
けど、知りたい。この世の英雄を。英雄が歩んだ道を。
ムシュルの目が青空から、深い深海のような色に変化した気がした。
みなさん、大雨の影響は大丈夫でしょうか?私は見事に孤立地域一歩手前のところです笑。また、停電などもあり少しエピソードの進行速度がぬるぬるかもしれませんが、ご理解いただけると嬉しいです。
みなさまもお気をつけてお過ごしください(╹◡╹)