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臭い道のり②
だって、この扉を開けたら――
異臭の元が、もしかしたら……
いや、違う。
異臭の元は、“僕の異母兄弟”なんだ。
“ろくでなしの子供たち”。
そして、“父が最後に僕たちに託した場所”。
ペンダントが示す、この家へ。
扉は重かった。
……気のせいかもしれない。でも、
開けた瞬間、やっぱり――くっさ。
「……やっぱりこの家、間違ってないわ」
中から――
異臭と、もうひとつ、なんか“熱量”みたいなものが一気にきた。
「ゼカ!!」
たぶん、4人くらいの声が重なってた。
……声だけで鼻が曲がりそう。
父さん、どんだけ奥さんいるんだろうか…
やっぱり英雄って、モテるのか…
ろくでなしだったら、モテないもんね。
そうこう考えてるうちに木の匂い僕は包まれていた。
なんだろう、異臭じゃなくて落ち着くような
「ウッド!抱きつきすぎよ!」
「ウッド!セクハラすんな!」
「木の匂い、染みるよ。 “誰の色にもなりたくない”のにさ」
……なんか、いちばん厄介そうなのがいた。
この人たちは本当にうるさいな。
けど、これが家族か。