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僕とひと夏のルペ  作者: 高庭 千
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第31話 想いは届くか

「あ、もう始まってる?


やっほー、咲良だよ

勇人がこれを見てる頃には、私はもういないよね

やったー!上手くいったよ!

でもルペちゃんに辛い思いをさせてしまうことになっちゃったのが、申し訳なかったな。ルペちゃん、ごめんね。でも色んな人達にわがままを聞いてもらって、私は本当に幸せものだったよ


まずは、ごめんなさいから

勇人。私、死んじゃいます。ごめんね


私は中学の始め頃に病気にかかってしまいました。最初は頑張れば治る可能性があるってお医者さんが教えてくれたから、たくさん薬も飲んで、色んな検査も受けたんだ。でも中学が終わる頃には、治せませんって言われちゃった


それからはいっぱい泣いたなー。学校に行って、部活を見学して、帰って泣いての繰り返し


気付いてた?私の水泳バックは空っぽなんだ


高校に入ってからの、これは本当にどうしようもないんだけど、水泳部の先輩に勝ってエースになったっていうの。あれは見栄張って、ついちゃった嘘なんだ。咲良は水泳部で凄いんだぞっていうのを勇人に思って欲しくて


勇人は元々、私に対して壁を感じていたよね。咲良はすごいねって、言ってくれるのが私はまあまあ嬉しかったんだ。まあまあね


何でかっていうと、勇人には私の隣にいて欲しかったから。私に感じてる壁を越えて、私の隣に来て欲しかったんだ。だからここからが本番。高校生になってからすぐに、私は渡部くんと付き合ったことにした


何でかって?簡単。やきもちを妬いて欲しかったの。それでチサト先生とか、もちろん渡部くんにも協力して貰ったんだ。私の残り少ない一生のお願いって言ったら、二人ともすごく哀しそうな顔をして、引き受けてくれたの。やっぱり、あんな顔の勇人は見たくないなって、その時に改めて思ったな


渡部くんと付き合ったって噂が、クラス中に広まった時はドキドキしたな。いつ勇人は私に渡部くんとのことを訊いてくるのかなって。当たり前に勇人の横にいた私が居なくなって。怒ったり、泣いたりしてくれるのかなって


なのに、なのにだよ。何にも言わないってどういうこと?そんな態度は予想外だったよ。しかも知らない女の子と二人で歩いてるし。更に、勇人は私が渡部くんと隠れて付き合っただなんて言うもんだから。私はもう頭にきちゃったよ。花火大会スタッフだってチサト先生にお願いしてたことなのに。私ってば空回り全開で、そんな私に対して腹が立ってきちゃったんだ。怒ってごめんね


でも渡部くんが勇人に話をしてくれるって言ってくれたから、たぶん勇人は生徒資料室にいるよって教えたんだ。知ってるよ。資料室でいっつもお昼ごはん食べてるでしょ?そんなんじゃいつまでも教室でお友達できないぞって思ってた


でも、いたんだね。思えば、勇人は変わってきてた。苦手な数学も解いちゃうし、綺麗な女の子と一緒に歩いてるし。なんかいつになく楽しそうに慌ててることが多かったのもそうだよね


ルペちゃんは勇人の最高の友達だね。あんなに勇人のことを考えてくれてて。勇人に幸せになって欲しいぞ、っていつも言ってたんだよ


ルペちゃんに渡部くんと付き合ってないのを見抜かれちゃってから、勇人は私をデートに誘ってくれたよね。あの満月の夜を私は一生忘れないと思う。遅いよ、って内心では思ったけど、やっぱりどうしようもなく嬉しかったから


でも次の日に、いつもの薬が効かなくって倒れちゃったんだ。チサト先生には貧血ってことにして貰ったんだけど。点滴もして、意識もちょっとだけ戻らなくて、もうダメかもって思った。でもデートがあるからまだ死ぬのは待ってください、って神様にお願いしたら、ちゃんと戻ってこれたんだ。ああ、生きてる、って感じて、気付いてたら泣いちゃった


それからルペちゃんを病院に呼んで、入れ替わりをお願いしたの。勇人にだけは私のことを同情して欲しくなかった。私は勇人の前に壁を用意したの。そして壁を破って私に勇人の強い想いをぶつけて欲しかった。これが私の最後のわがまま


どう、怒ってる?ごめんね、勇人


それでありがとう


勇人は長生きしてね、それじゃあ咲良でした


ばいばい」


楽しんで貰えたら、ブックマークと評価の方を是非是非お願いします。励みになります

もうすぐ物語もお終いになるので、

感想は、書き終わったらくれると嬉しいです!


明日は立て込んでいるので上げられるか、微妙ですが、明後日までには上げるつもりです。よろしくお願いします

ご愛読ありがとうございました!


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