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僕とひと夏のルペ  作者: 高庭 千
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第19話 気持は気付か

本日、2話目です。それでは、どうぞ

すっかり夜も更けてきたので、勇人は咲良に帰宅を促した


「ええ、もうちょっとルペちゃんと遊びたいよー」


「ルペも咲良と遊びたいぞー」


すっかり打ち解けていた二人のノリに打ち止めをかけようと勇人は脅しにかかった


「ルペ、ご飯抜くぞ。咲良も親御さんが心配するだろ」


「ルペだけ、酷くないか」


「ルペちゃん。可哀想」


このままだといつまでも文句を垂れそうだったので、ルペを片足で抑え、咲良の背中を押して、二人を引き離し、無理矢理帰らせた


* * *


「あー!」


咲良と別れた後、すぐ思い出したようにルペは叫んだ


「結局、咲良とデートの約束を取り付けられてないではないか。しまったぞ」


「ちっ、忘れてると思ってたのに」


勇人は小言をいった


「聞こえているぞ。明日こそ必ず咲良を誘うのだぞ」


「そのプランで本当に僕は幸せになれるのか?」


「できる」


即答するルペに、どこからその自信がきているのか、と勇人は不思議に思った


「はいはい、やってみるよ」


ずいぶん余裕のある勇人の態度がルペには引っかかった


「勇人の方こそ、ルペの正体探しのためにそろそろ行動してくれると嬉しいのだが」


「ああ、それならもう検討がついた」


ルペは唖然とした


「今、何と言った」


「お前の正体は検討がついたと言った」


「本当なのか!?誰なのだ、「私」は。教えてくれ、勇人」


ルペは勇人に力強くしがみ付いた。その目には希望に縋り付くような光が宿っていた


「それは…」


「それは?」


束の間、沈黙してから勇人は口を開いた


「お前が僕を幸せに出来たら教えてやるよ。元々、そういうことだっただろ」


「くぅ〜」


喉から手が出るほど聞きたい気持ちを堪えて、堪えて、ルペは押し込んだ


「…わかったぞ」


もう間違えないだろ。自分のことより、人のことを何よりも優先するお前は僕の弟だよ、と言ってやろうかと勇人は迷った


しかしやめた。それではフェアではないと思ったからのもあるが、それ以上に弟であると伝えたら、今あるルペとの関係が別のものになってしまうような気がしたからだ。伝えるなら、ある程度区切りがついてからのほうがいい、勇人は考えた


「勇人、それから…」


ルペは決まりが悪そうに口を開いた


「何だよ?」


「約束破ってごめんなさい。ルペのこと、咲良にバレてしまったのはルペが調子に乗ったせいだ」


「ルペのことは僕とお前だけの秘密にするって方か?」


「そうだ」


そうか。気にしていたんだな、と勇人は感心した


「いいよ、何とかなったし。資料室で話してた僕も悪いからな」


だから、と勇人は続けた


「これから、ルペのことは僕とお前、そして咲良の三人の秘密にしよう。咲良も約束してくれたから、お前も改めて約束してくれ」


「もちろんだぞ」


任せろといわんばかりに、ルペは得意げに言った。しかし、ルペの顔に微かな違和感を感じ、勇人は注意深くルペの顔を見た後に吹き出した


「ルペ。お前の顔のパーツ、中央に寄り過ぎだろ」


くはは、と勇人は腹を抱えて笑った。しまった。油断したぞ、とルペは急いで顔の修正するが中々上手く戻らない。その様子がまるで一人福笑いでもやってるかのようで、勇人はまた笑った


今はこれでいい。一緒にいるのは、敦己じゃない。ルペだ。こいつといるのが楽しいんだ、これまで無意識の内に目を逸らしていた感情にようやく勇人は気が付いた


楽しんで貰えたら、ブックマーク、評価の方を是非是非、励みになります

感想もどしどしお待ちしてます

ご愛読ありがとうございました

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