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僕とひと夏のルペ  作者: 高庭 千
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第17話 真実は身近か

場所を勇人の部屋に移してから、ルペについて、持ち帰ったパンフ作業の続きをしながら、咲良にあらかたの説明をした


ルペは父親が作った生命体であること。色々なものに姿を変えることができること。好きなものは鰻の蒲焼きとテレビであること。現在、研究所の人間がルペを探しており、人目に晒したくないこと


「だからルペのことは誰にも言わないで秘密にしてほしいんだ」


一通りの説明を聞いて、変わらず仏頂面の咲良は質問を投げかけた


「勇人が数学が出来たのは?」


「ルペのおかげです」


「一緒に並んで帰ってたっていう女の子は?」


「ルペです」


絶対怒られる、と勇人は覚悟したが、咲良の態度は安堵を示していた


「よかったあ〜、私の知らない勇人になっちゃったのかと思ったよ」


予想外の言葉に勇人は反射で謝った


「あの、ごめん」


「うん、許す!」


咲良の表情はいつもの笑顔に戻っていた


「それと、ルペちゃんのことは了解だよ。私も秘密にするね」


「ありがとう、咲良」


咲良への説明が穏便に済んで、ようやく勇人もホッと一息ついた


「ルペちゃんに挨拶してもいい?」


ルペはいつものごとく、テレビに張り付いていた


「どうぞ。僕はお菓子を適当に取ってくるから」


一階のキッチンへと勇人は降りていった。キッチンの戸棚から、有り合わせのお菓子を皿に盛れるだけ盛って、二階へ持っていった


「ルペちゃん、すごい!」


「えへへ、それほどでもないぞ」


部屋に戻ると早くも咲良はルペと意気投合していた


「じゃあ、じゃあ俳優の山崎 颯太は」


「ドラマ『亀こそ登りし桜坂』の主演俳優だな。お安い御用だぞ」


なんだそのネーミングは、と勇人は呆気に取られた。お菓子をテレビの近くに置いてから、その場に座り、二人の会話をみつめた


「わぁ、やっぱりイケメンだあ。ねえねえ、ルペちゃん。颯太くんの声で、咲良って呼んでみて」


コホン、とルペは咳払いをしてから


「咲良」とキメ顔をした


「はあ〜、潤うよー。完璧だよ、ルペちゃん!」


「えへへ、喜んで貰えて良かったぞ」


褒められたことで、イケメン姿のルペは腰をくねくねさせて照れていた


「ルペちゃん。その照れ方は私の中の颯太くんが崩れるから、二度としないで」


「う」


辛辣な咲良の言葉に一変してルペは落ち込んでしまった。それを見た咲良はやってしまったとばかりに、必死でルペをおだてていた


こうして勇人がルペを第三者的な目線で見るのはなんだか新鮮な気持ちになった


ふと、先程のルペの姿を思い出した


思い返せば、思い当たる節は幾つかあった気がする


やたらと人の機嫌を伺うところだとか。お節介なところとか。頭が良く、人のことをよく見ているところとか。テレビもまあまあ好きだったと思うし、誕生日に二人で食べに行ったのはスイーツバイキングが出来て潰れてしまった定食屋の鰻の蒲焼き定食だった


唯一、口癖が「だぞ」になっていたことに気を取られていたからか今更気付かなったのが不思議なくらいだ


「ルペ、お前。僕の弟じゃないか」


二人に聞こえないように、二人の会話に消え入るように、勇人はそう呟いた


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