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僕とひと夏のルペ  作者: 高庭 千
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第10話 変化は結果か

大まかに説明すれば、スタッフの仕事の内容は本番までに地元花火をPRするパンフレット1000部の綴じ作業と当日の観光客の案内、誘導の二つだった。ダメ元でチサト先生に異議申し立てを行ったが、今更だとあっさり却下された


綴じ作業は早速明日の放課後から行うことになり、火曜日から金曜日までの四日間で、1000部は苦しいことを伝えるとチサト先生の方で200部は引き受けてくれることになったため、実質1日で100部ずつ僕と咲良で綴じる作業にはなった。それから、翌日の土曜日に当日を迎えるという中々のハードスケジュールになっていた


とりあえず今日は家でゆっくり休んで明日からよろしくな、というチサト先生からのお達しにより、現在帰り道を辿る途中に勇人はいた

話が終わると直ぐに咲良は部活に向かったために、一人で帰っている


するとスクールバックが物凄い力で振り回された


「いつ迄ここに入れておく気だ。出せー!」


間違えた二人だった


修正テープになってからというもの、動く様子がなかったから忘れていた。カバンのチャックを開けて筆箱の中から修正テープ、もといルペを取り上げた


「まさか利口に睡眠をとっている間に、存在ごと忘れるとは…。勇人、許すまじ」


掌で修正テープがカタカタ音を立てる


「悪かったって。てかお前、寝るんだな。ほらチサト先生からさっき貰ったお茶菓子やるから。お前、菓子は食えんのか?」


「食べる。が、この姿では食べられないぞ。勇人、姿変えていいか?」


周囲に人気のないことを確認したあとで

「一瞬で変われよ」と勇人は許可を出した

ルペは修正テープから人間へと瞬く間に姿を変えた


「どうだ。ルペなりに勇人の好みを分析してみたぞ」


その姿は完璧に勇人の好みの女の子、そのものだった


「な、なんで女なんだよ」


つい、目の前の美少女を相手に顔を背けてしまう


「男ばかりでは飽きるだろう。それにこの姿は自信あるぞ。姿だけに関して言及すれば、黒髪ロングで、顔立ちはキリッと整っていて、おっぱいのでかい少し年上の女性が勇人の好みであることは観察していれば明白だ。具体的に言えば、チサトとワカミヤと呼ばれる異性を見ている時は妙に顔がだらしなかったぞ」


勇人の顔がみるみる赤くなっていく

さらに、とルペは続けた


「性格に関して言及するならば、明るくて人気者で、その子がただ笑うだけで周りまで笑顔にしてしまう人物。というか、咲良だろう。ルペは面倒だから、性格再現まではやらないが」


「ああああああ。や、やめてくれ…。聞きたくない、聞きたくない。冷静に人の好みを分析されるのがこんなに恥ずかしいなんて…。てか実名までバレてるし」


勇人は美少女、もといルペの隣で一人、羞恥心に悶えた。そんな勇人にお構いなしとルペはお菓子をねだった


「もう…、はい。ていっても、クッキーと飴玉一個しか無いけどな、はは」


勇人はがっくりと項垂れつつもルペに歩きながら、お菓子を渡そうとすると、横を歩いていたルペが急に止まった


「おい、どうしたんだよ」


ルペは前方に注意を傾けたまま、ゆっくりと口を開いた


「勇人。家の前にルペの知ってる顔の人間がいる」


「そりゃあ顔見知りの一人や二人くらいはいるだろ、別に不思議なことじゃ…」


「そういう意味ではないのだ」


ルペは勇人の言葉を遮った。その表情は今の状況がただ事ではないことを示すには十分だった


「あの人間は、ルペのいた研究所の職員だった男だ」


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