プロローグ 探求は生涯か
初めての投稿になります。高庭 千といいます
(本当に)拙い部分が多々見受けられると思いますが、多くの方々に物語を読んで頂いて、少しでも何かを感じて貰えるような作品を紡いでいけるように頑張りたいと思います。9月中には完結できるように頑張ります(仮)どうぞ、よろしくお願いします
前置きが長くなりましたが、「僕とひと夏のルペ」始まります
「私」は金属か。あるいは、猫だ
「俺」は蟻か。あるいは、植物なのか
一番望むのは、人間だ
彼らは、いい
この文明はどうやら「人類」と呼ぶらしいことを存在してから、しばらくして知った
実際、人間になってみると彼らには名前を名付けるという独特の慣わしがあるようだ
羨ましい。「私」には名前が無かった。正体も分からず、「俺」を決定付けてくれる人もいない
気付いたら、存在していた。それが「私?俺?」である
最初は、人間の言葉を借りればフラスコの中で、水銀のようなものとして存在していた
強化ガラスの外側から、研究者達が闊歩する光景はただ記憶として認識していたが、その時にはまだ自我は無かった
自我が生まれたのは、研究所が爆発してからのことだ
気付くと、辺りは倒壊しており、爆発の爪跡を残す黒焦げた風景が広がっていた。死体は沢山あった
「私」は自らの意志があり、「俺」は伸びたり、縮んだりできるようになっていた
「私」はその幾つかの死骸の中の一人を調べることにした。何故だか「俺」は水銀のままでは不安であったのだ
人体を構成する分子は水素・炭素・酸素・窒素・リン・硫黄・ナトリウム・カルシウム・カリウム・塩素・マグネシウムetc‥
人間の構成物質をインプットし、それを自身にアウトプットした
すると、人間の身体になる事ができた
それもその場に転がっている死体そのもののトレースに成功していた
最初にトレースした感想としては、高揚感と少しの悲しみだった
「私」は人間になれた、という成功体験からと、同時に「俺」は人間ではない存在であるとやはり有り体に思い知ったからだ
「私」はトレースした死体から衣服を剥いで着た。衣服からは鉄分の臭いが鼻孔を刺激した。嫌な匂いだ
「俺」は着衣の後に、何故だかその死体を埋めなければならないと直感し、穴を掘り出した。もしかしたら、「私?俺!」は人間だったのかもしれない。なんでもない。ただ人間としての慣習を何となく覚えていることからのなんとも曖昧な推測である
死体を埋め終わり、「私」は歩きだした。「俺」は…
『探そう』
そう強く決意した
「私」は何なのか
この世界に「俺」の繋がりはあるのかを確かめたかったのだ
だが見つからないかもしれない、その一瞬の恐れから、近くに落ちていた鋭利な金属片を腹に突き刺した
痛みはあった。しかし傷口を触ると、もうふさがっていることがわかった
やはり、と思った。どこかで、わかっていたのだろう。人間ではないのだから、簡単には死ねぬと
だからこそ、答えを探すよりないのだ
「私」を求め、「俺」を決定する為に
「私!俺!」は再び歩きだした
1話は意味分かんないですよね(笑)
3話でこの内容については触れたいと思います
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