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絶望と希望の間にある大車輪と自殺

作者: ぼるしち

昨日の帰りに猫を殺すことを計画していたことがバレてしまって、退学処分に追い込まれてはいない。だが人間性を疑われてしまってうまく生活できなくなるかもしれない。そんなことになったら身の破滅だ。だから僕は人の口を封じるためにはどうしたらいいのだろうかと思い、何かで脅せばいいのだと悟った。だが一つ問題がある。脅す材料など持ち合わせていないのだ。

僕は思った。

世の中とは世知辛い。

だが自分で巻いた種だ。仕方がない。

そういうわけで、車に乗ってハイウェイを爆走しようと試みた。もちろん、自動車の普通免許など持ち合わせてはいない。車自体もそこらでキーが差しっぱなしだったのを盗んだのだ。でも僕は捕まらない。特に特殊能力など持ち合わせてはいない普通の一般人だが、自信があるのだ。根拠のない自信というやつが。

僕は捕まった。

警察に捕まった。

事情聴取を受けて学校を辞めさせられそうになったりもしたが、僕は元気だ。

小説家になろうというサイトにアクセスして、毎日人の小説を読んでは感想を書いて暇つぶしをしていた。これを読んでいるあなたも気が向いたら感想を書いてみて欲しい。一度も書いたことがないという人も、むしろそういう人こそ感想を書いてみて欲しい。きっとそうすることで何かが良い方向に傾くと思うから。

ところで、僕は自殺をしたいと思っている。

このふざけた世の中に飽きてしまったということと、毎日がうまくいかないからという単純な理由で僕は死んでしまいたいと思っているのだが、こんな僕でも自殺手段は簡単には思いつかない。

首吊りか。

焼死か。

凍死か。

他にもいろいろあるだろうが、どれもポンとこない。間違えた、ピンとこない、ね。

うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお

うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお

うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお

精神が乱れていた。

こんな僕でもできることがあるはずだと思っていた。だけどやったことは些細な犯罪程度で、たいしたことはしていない。

絶望的なこの僕にも、文章内で絶叫を突然するという危険行為程度はできた。でもやっぱりだめじゃないか。そうじゃないんだ。僕がしたいことは、もっとハツラツとした、健康的な、向上的な、立派なことなんだ。こんなことをするためにうまれてきたんじゃないのよ。

でも僕は宣言する。

自殺する、と。

方法も今決めた。首吊りだ。ちょっと苦しいだけでお陀仏できるんだから楽なもんだ。

ところで、今僕は外に出かけてコンビニによって強盗をしているのだが、こんな僕でもレジからお金をかっぱらうことは簡単だったよ。今お店の店員に追われているが、身を路上の片隅に隠しているから多分バレないと思う。いくら盗んだのかって?数えてないからわからないが、一万円札はたくさんあるし、五百円玉だってジャラジャラだ。強盗っていいね。この平和な国アメリカでこんなことをしてもいいのかって感じだが、まあいいんじゃないか。え、ここは日本だって?何言ってんだ、ここはアメリカだ。

鉄棒の逆上がりって君できる?

僕はできるよ。

ちなみに大車輪もできるよ。

運動神経は抜群なんだ。

だから大車輪をすることでその回転を利用して友達に強力なキックをお見舞いしてやったことがあるんだ。友達は鼻血を出しながら倒れてしまって、保健室送りになってしまったよ。みんなが僕を非難して、僕以外に僕自身の味方は誰ひとりとしていない中、大車輪すごいねって褒めてくれた女子が一人いて、それがクラスのマドンナ、マンコちゃんだった。マンコちゃんはとても優しい女の子で、綺麗で、いい香りがするんだ。名前だけがおかしくて笑ってしまいそうになるけど、そんなことが吹き飛んでしまうくらいの女の子だったから、みんなも覚えておくように。これテストに出るよ。でねえよ。

あれは中学の夏のころだっただろうか。僕の目の前に天使と悪魔が現れたんだ。二人が同時に僕の目の前で反復横跳びをしながら現れたんだ。シュシュッと音を鳴らしながら僕と握手をしてくれた。

まるでヒーローだったよ。なにせ、その頃から僕は現実というものにうんざりしている一般ピーポーだったから、非日常的な存在である悪魔と天使の羽をむしってむしゃむしゃ食ってしまったよ。味はまあまあだったかな。でも、味はなかったけどね。

天使と悪魔は仲が悪いんだけど、まるで双子かってくらいにそっくりなんだ。顔とか仕草とかタイミングとかがまるで一緒だから、僕の目の前に同時に反復横跳びをしながら現れてしまったんだ。かわいそうだよね。でね、僕は反復横跳びの技術を教わったんだ。それと、強盗の仕方と、大車輪のやり方と、小説家になろうというサイトで感想を書くと面白いということと、自殺という手段のことを教わったんだ。

ようは全部あいつらのせいだってことなんだ。

あいつらが僕に悪知恵を働かせたんだ。

くそう。

くやしい。

だから僕は大車輪をしながら思うんだ。

こんな絶望、この世でしか味わえないよねってね。

そして奇跡を信じるんだ。

僕はスターになりたい。

大スターだ。無敵時間三十秒くらいだ。わかるかい。ゲームのマリオって、ひげじじいだよね。

だからヤンキーを殺したいんだ。

そんなことを僕は思いながら大車輪をしていたよ。脳みそが回転して、面白い思考ができるんだ。

扉開けばねじれた昼の夜。昨日どうやって帰った、身体だけが確か。

そんな歌を口ずさみながら、明日には先生を殺そうと思う。

先生はもう年だ。

動けなくなってしまうだろう。病気で。

そうなると苦しいだろう?そうなる前に僕が彼を殺して、そしてその罪を全部自らにかぶるんだ。

そうすることですべてがうまくいく。

殺し方は何がいい?

そうだな。

死体はどうやって処理しよう。やっぱり水の中か火で燃やすかだろうか。僕が全部自分で食べてしまうというのはどうだろう。吐き気を催すから、やめておこうか。誰が腐ったじじいみてえなのを食って満足するというんだい?僕はそんな男じゃない。希望は、どこにあるんだろう。

夢をみたいな。

甘ったるい夢がいいな。

好きだった女の子が突然夢の中に現れて全裸になって僕にまたがろうとしてこういうんだ。

「あんたを殺す」

べね。

まあやめておいたほうがいいとおもう。僕を殺すと身体中がねじれて折れるという呪いにかかってしまうのだから。そのことに僕は小学生の師走に気がついた。師走に僕は厚着をしておりまして、馬が欲しかったのでお父さんにそれを頼んだのさ。クリスマスプレゼントにね。

そしたら時計を買ってきたんだ。馬の時計。そんなのいらないから僕はお父さんにこう言った。

「PPAP」

パパアップだよパパ

という意味です。

あっぷっぷーってことだよ。

ところで僕は思うんだ。小説を書ける男になりたかったってね。

長編で1000枚くらい一ヶ月で書けるようなそんな男になりたかった。できる男になりたかったんだ。魂の望む方へと導かれるような小説で、たくさんの人をトリコにしたかった。だけど夢はかなわない。僕は大車輪しかできない体力馬鹿だから。

強盗しかできない。

コンビニエンスストアを襲うことしかできなかったんだ。

あるいは車を盗んだこととかね。

だから僕は幼稚園の時に思ったんだ。隣の女子が巨乳だったら嬉しいのになってね。巨乳な幼稚園児なんて一人たりとも存在しないだろうから僕は唸る。ひーこらーひこーらーてね。

口笛を吹いて道端を歩いて散々な人生を自殺でしめくくる。

そうすればなにもかもがリセットされるだろう。

そう信じているんだ。

だから僕は次の人生では小説家になりたい。それか馬が欲しい。

そのどちらか。




君は今、何をしているの?

例えば、散歩とかしてるのかな。犬を連れて夜道を歩いて月を見上げる。そして三日月に祈りを捧げて、闇夜にある絶望をふと流し目で見て、もっと色よつけと願う。そんな苦しみを知って僕はせつない。

これこそが希望なんだ。

アメリカンドリームを叶えたいね。

例えば誕生日だということを忘れてしまっていたりするのだとしたら、忘れたままのほうがいい。

誕生日なんてケーキが食えるだけの日ではないけど、年を重ねて希望なんて沸くか?それよりも僕は思うんだ、この脳髄がとろけてしまえばいいってね。でも暖かい部屋の中にいたいよ。本当は大車輪なんてしたくないんだ。だって、あれは脳をシェイクするから、爆弾でも埋め込まれたみたいに爆発するんだ。

それが絶望なんだ。




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